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「ムーンショット」を支持する
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「ムーンショット」を支持する

ケネディ大統領の「月に立つ」という宣言は強烈であり、目標の立て方の見本として人に話をすることがある。

先日、「I have a dream」という題材でもコメントしたが、およそトップに立つ人は魅力的な未来を語らなければならないという思いが強い。

この「ムーンショット」を語れるのも経営者の必須の能力だと思っている。
ケネディの「月に立つ」はなんとなく知っていたが「ムーンショット」という用語で経営マネジメントの世界に浸透していることは知らなかった。

雑誌としてのHBRやオンラインでのHBRを眺める機会があり、「ムーンショット」という言葉が使われていることを知った。

https://www.dhbr.net/articles/-/2260

ここでは「ムーンショット」に必要な要素として以下をあげている。

1つ目は、人を魅了し、奮い立たせるものであること(inspire)。
2つ目は、信憑性(credible)。
3つ目は、創意あふれる斬新なものであること(imaginative)。

正直に言えば、かなりハードルが高いがこれを描けることが優れたリーダーの資質だと思うし、仮に信憑性(credible)に疑義があっても、想像力で補う必要がある。
こうした「未来」を描くことで、革新は進むのだと思う。

ただし、「ムーンショット」という言葉を付ければすむという話ではない。

政府は「ムーンショット型研究開発制度」として「我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を、司令塔たる総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の下、関係省庁が一体となって推進する新たな制度」を創設している。

その活動は下記のサイトで確認できる。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/moonshot/index.html
ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議

その最初の会議での議事録で以下のように語っている。


今般創設するムーンショット型研究開発制度は、破壊的イノベーションの創出を目指しています。従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を推進したいと考えています。

ムーンショット型研究開発制度では、まず我が国の将来社会を展望し、少子高齢化問題や大規模自然災害対応のような困難な社会課題の解決等を目指し、人々を魅了する野心的な目標及び構想を国が掲げ、その実現に向けて世界中からトップ研究者の英知を結集させる仕組みとすること。・・・また、特に基礎研究段階にある様々な知見やアイデアを最大限に引き出して、失敗を許容要しながら革新的な研究成果を発掘、育成することを基本的な考え方とし、関係府省が一体となって推進するために必要な予算、1,000億円を平成30年度第2次補正予算に計上したところであります。

悪いとは云わないが、私の考える「ムーンショット」とは異なる。必要だからやると言う発想ではないと考える。
この考え方の延長線上は、どうしても現状からの延長線上でしかものを考えられなくなる。
実際、第4回の資料からの取り組み内容を見ると、最初に以下があげられている。

2050年までにサイボーク化技術の実現(人間拡張技術)

年齢や文化、身体的な能力等の制約を超え、自らのライフスタイルに応じ、全ての人々が夢を追求・実現し得る人間拡張技術を確立する。例えば、ロボットと生体組織とを融合したサイボーグ化技術を確立することにより、老化により低下する視聴覚機能や認知・運動能力等を補強する。これにより、誰もが必要とする能力をいつでも拡張できるようになり、自らの能力の限界を打破できることとなる。
【誘発される研究開発のイメージ】
・生体融合が可能な義手・義足やアクチュエーターの開発による身体機能拡張
・デザインに基づいた組織を生体内で生成する技術
・人間の認知・思考能力、感覚、運動能力を拡張するBMI/生体融合型コンピュータの開発

内容が、いわゆる手段と目的がごっちゃになっている。世界観が最初にあり、その上でロードマップとそれを実現できる技術と言う順番だろう。

たとえば「誰もが必要とする能力をいつでも拡張できるようになり、自らの能力の限界を打破できる」世界で人々はどんな生活を送っているのだろう。それは個々人の降伏を実現するのだろうか。そして、それは居間実現できていないのだろうか。

こうした問いに答えられないものを「ムーンショット」とは呼べない。

それでも、簡単に描けない「ムーンショット」を描く努力をする人を支持する。

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