ファースト&スロー

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ヒトはどのように判断をしているのだろうか?
直感に基づく判断、理性を駆使しての判断。それぞれをシステム1、システム2と呼び、これを中核としたさまざまな事柄が展開している。このシステム1、システム2を指して、表題の「ファースト&スロー」が付けられてのだろう。

本の中心的なテーマは、「なぜ、人は合理的な判断ができないのか」ということがある。

ところどころに統計的な話が出てきており、全く数学的な話が苦手という人は少し注意したほうが良い。最も呼び飛ばしたからといって問題があるわけではない。

ただし、近年話題になっているベイズ統計なども出てきており、確率の計算方法が理解できないとなぜこのような結論になるかがわからないところもある。

すこし、中核となるシステム1とシステム2について記述する。

システム1は、一言でいえば「直感」に近い概念だ。それを支えるのは、理性ではなく記憶になる。記憶といっても、多型的に蓄積されたものではなく強く印象として残っている記憶だ。したがって、直近の大きな出来事に左右される。一方システム2は理性で判断するものの、基本は「怠け者」であるためにめったに出てこない。

さて、そうするとどうなるか。多くの意思決定は印象強い経験に基づいて判断するために往々にして錯覚を引き起こす。こんなはずではなかったということの根源はここにある。

「なぜ人は勘違いするのか」、「なぜ人は合理的な判断ができないのか」というのが本書のメインテーマにしていろいろな角度から、実験結果を基に議論を展開しているのかが特徴の書籍になっている。

著者のカーネマンは心理学者である。心理学の研究分野は人を対象とするために、そもそも事象は再現性に乏しい。特に「こころ」の問題は一筋縄では行かない。いくら説得性の高い文書であってもすべてを受け入れられるわけではないが、それでも科学的な実験や統計学を論の基礎としているので示唆に富んだ話になっている。

書籍は、上下二巻になっておりかなりのボリュームでそれなりに読みごたえはある。ただし、章立ては細かく整理されている、一節を読むのに10分程度で片付くだろう。少しずつでよいので少し挑戦してほしい。





 

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