はだかの起源(第1章まで)

はだかの起源(第1章まで)

私は日本アイアイファンドの理事をしている。(たぶん)
最も名目上なだけで、単に応援をしているに過ぎない。

その代表の島泰三先生から、「はだかの起源」(講談社学術文庫)が送られてきた。

新書版の「はだかの起源」は2004年気楽舎から刊行されており、島先生の真理に対するあくなき探求心を見せられた一書として驚かされた記憶がある。
この書籍が、学術的に再評価され文庫本になったことはうれしい。

先生の探求のアプローチは観察やデータに基づく事実を丹念に積み上げたものであり、経営マネジメントに係るものとしてもその姿勢を見習いたい。

本書は表題に「不適格者は生きのびる」と副題にあるように、毛皮を失うことが合理的であるはずはないという文脈で様々なことが語られる。

私自身は「進化論」は懐疑的だ。
生命が高々数十年という時間で死んでゆく運命の中で、形質を変えてゆくということがやはり実感できないからだ。マウスの実験を繰り返して進化しマウスができたかというとそんな話を聞いたことがない。

それでも「強いものが生き残るのではない。環境に適応したものだけが生き残る。」は説得力がある。
しかし、もしそうなら、「毛皮という完ぺきな防護服」を捨て去る理由は環境適応だったのか。
それは本書を読んでみてもらいたい。

「第一章 ヒトの裸の皮膚は自然淘汰で生じたはずはない」で始まる本書は経営者にとっても刺激的な本になるだろう。

「変革」という言葉がある。変わってゆくことが必然だとしてもそのやり方はいろいろある。
環境に適応できなくても戦う術はある。

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