社員幸福度 Employee Happiness 社員を幸せにしたら10年連続黒字になりました

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■ JQAAセミナー

昨日、JQAAのセミナーが開催された。
表題は「「社員のEH(Employee Happiness)を高める組織活性化活動」~社員幸福度が上がれば行動と成果が変わる~」

日本経営品質賞の活動にかかわっている人なら、ピアズという会社の名前は聞いたことがあるはず。
その、会社を担う吉井さんの講演だ。

非常に面白い話で興味深いが、「それじゃあ、うちの会社でも」といって気軽にできそうもないことのオンパレード。
「赤ちゃんを伴って出社を認める」なんてのは、ケースとしては面白いが、自分の知っている会社の範疇ではまずできない。
そんなことはないというなら「やってみな」と言いたい。口だけならだれでもいえる。

内容が濃く、会社とは何かを考えさせられる意義のあるセミナーだった。

「社員幸福度 Employee Happiness 社員を幸せにしたら10年連続黒字になりました」
という本を上梓しているので、多少はその雰囲気を知ることができるが、やはり吉井さんの話を聞いてもらいたい。

興味のある人は、吉井さんに連絡を取ってみるとよい。
いくらでも話をしてくれると思う。

■ EHとES

『社員幸福度 Employee Happiness』というのはピアズの独特の言葉なのかもしれないが、考え方は実にシンプルだ。
もともと、『社員満足度 Employee Satisfaction』は間違ったと考えている。
”Satisfaction”は言ってしまえば、「約束が守られているか」と単純に考えるべきであり、満点を目指すべきもので客観的に評価できないと困る。

わかりやすい例でいえば、「給料の遅配はないか」「残業代は正しく支払われているか」が満たされることがSatisfactionだろう。
顧客との関係でいえば、QCDが守られているかなどが要素となる。

これに対して、「仕事にやりがいを感じますか」に代表される意識調査はSatisfactionとは一線を画す。
こうした情緒的な質問は、回答者の置かれている環境(仕事の忙しさや、お客様対応のストレス、上司や部下との関係性など)で大きく変わってくる。環境変化に左右される事柄だ。

こうした調査項目をESと称して含めていることに違和感があったのだが、今回の講演を聞いて、ESとEHはやはり分けて考えるべきものだろうと感じる。

ES調査は、組織が従業員に訳した機能面を調べるべきもので、EHは、社員の働き具合を左右する環境に着目して調査すべきだと思う。
前者は、経営資源の取り扱うメカニズムを、後者はどんな働き方をしてもらいたいのかの環境を含めたモデルがベースとなる。

アプローチは全く異なるということに気が付かされた。

■ ESで見るべき機能面

なぜES調査をするのかといえば、組織が期待した成果を創出するために作っているメカニズムが正確に機能しているかの確認になる。
したがって、調査項目は、具体的な行動や状態を対象としなければならない。
もっとも、どうしても情緒的な聞き方を避けることができないことは事実だ。
しかし、聞く対象は具体的である必要がある。
カテゴリーとしては以下があげられる。

(1)HRMの制度に係る事項
成果を創出する中核となる経営資源がヒトであるならば、それを管理するメカニズムが正常に機能しているかを確認する。
現場にニーズに合った採用・調達の妥当性。教育やフォロー、配置、評価、報酬、キャリアアップなどの話題になる。
自社の施策の重点項目を確認する必要がある。

(2)権限と責任
ヒトを束ねる組織には一定の階層構造があり石決定のメカニズムがある。
権限の付与、意思決定のプロセスが意図通りに行われているかがポイントとなる。
また、上位者の意図が階層に確実に伝わっているのかもキーとなる。

(3)コミュニケーション・意思疎通
成果を出し続ける組織として円滑に活動が行われているかを左右することにコミュニケーションがある。
制度として会議体があるかどうかなどを聞いてもあまり意味はない。
この分野は情緒的な聞き方にならざるを得ない。
ただし、聞き方としては「上司は部下の疑問に答えるために時間を割いているか」など具体的な場面を想定した方が良い。
上下関係、同僚、他部署など社内での意思疎通をするルートをカバーすること。

(4)報酬・福利厚生
行った活動の評価や報酬制度、福利厚生などが制度としてあるなら、実際の活動、利用の有無などを行われているかを確認する。
有給休暇などを取得しているかどうかなども明確に答えられるはずである。

(5)コンプライアンス
企業の存続を危うくするリスクについて、実際の発生状況を確認することが望ましい。
セクハラ、パワハラ、情報セキュリティなど多岐にわたる。
何がリスク化を教育を受けているか、意識した行動をしているか、事故が起きているかなどが関心の対象となる。

■ EHで見るべき機能面

ES調査の結果との相関を見る対象としてEHの調査を考えることができる。
一般的に、モチベーションの3要素として、ふさわしい仕事/ふさわしい環境/ふさわしい報酬が言われる。
「ふさわしい仕事」には、単純に仕事の内容だけではなく、仕事を選べる環境や仕事の意義を話し合える環境、社会からの評価なども含まれる。
「ふさわしい環境」は、単純にオフィス環境だけでなく、決定権限など環境を自分で管理できる範囲などもある。
「ふさわしい報酬」は金銭的なことだけではない。他者からの賛辞、仕事を選ぶ権利、いろいろなものがある。
社員の家族も含めて考えることも必要であろう。
また、退職したいという人へのフォローなどもここに含めてもよい。

■ 調査の仕方について

ES調査、EH調査と明確に分ける必要はないかもしれない。
調査の目的を明確にすること。また、回答結果の特性(定性/定量の度合いなど)をしっかり意識しておけばよい。

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