ルーブル美術館展

先日、ルーブル美術館展を見に行ってきた。
乃木坂にある国立新美術館。
平日の午後という時間帯やあまり知られていないからかそれほど混雑がなくゆっくり見ることができた。

企画は「肖像芸術」ということで、古代から現代、権力者、女性、家族といったいくつかのテーマごとにまとめられており、100点あまりの展示になっている。

以前、東京都美術館で「プーシキン美術館展」を見て、歴史の中で芸術/美術がどう変遷してきたのかを見ていたので今回も同様な興味を持って眺めてきた。

古代は、故人を偲ぶという意味合いもあり、生前の理想的な姿を描いたり、神話に題材を持ってきたりといったもので写実性よりも空想の世界も含まれていたのではないだろうか。
特に彫刻などはその傾向が強い気がする。

彫刻は、古代のモノだろう。その精緻さには驚かされる。
技法的にはすでに紀元前に確立されていたのだろう。

絵画の世界は、多くは宗教的な意味合いが強い持代が長く続き、肖像画は17世紀前後から発展して気がする。
物の本では、イギリスで最初に発展してきたと聞いている。

最初は、時の権力者がプロパガンダや威容を示すためのモノだったようだ。
ナポレオンなどはその最たるモノらしい。

時の権力者に見合うモノを描かなければいけないのできっと命がけだったろう。
その絵画の見事さは目を見張るモノがある。
技術はこうして発展してきているかもしれない。

18世紀から19世紀にかけては、金持ちや貴族が自分や家族のことを残すために書かせていたと考えられる。宗教画と異なり個人や身内で楽しむためのモノだろう。
一様に、美しい人物像になってゆく。

19世紀後半は印象派が出てくる直前だろう。画家が、自らのために描くということを模索し始めた時代のような気がする。
画家を取り巻く環境も大きく異なる時代背景が出てくる。

藤田が活躍する20世紀初頭への変化が起き始める直前の時代の作品群となっている。
見応えがあるので一度見られることを進める。

Be the first to comment

Leave a Reply