気になった記事:株価低迷はリスクになり得るか

気になった記事:株価低迷はリスクになり得るか

野村證券のサイトを見るとオープニングコメントとして以下がある。

◇東証寄り付き 下げ幅200円超、米株安嫌気 ソフトバンク大幅安
20日前場寄り付きの東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日に比べ230円ほど安い2万0700円台半ばで推移している。下げ幅は一時、260円を超えた。19日の米ダウ工業株20種平均が約1年1カ月ぶりの安値で終え、投資家心理が悪化。値がさ株のほか電機、機械など景気敏感株に幅広く売りが先行した。JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続落して始まった。

19日に新規上昇したSBGの国内通信子会社ソフトバンク(SB)は売り気配で始まった後、大幅安で寄り付いた。

コメントを見る限り出だしは不調のようです。
さて、経営を担う方にとって株価低迷はどのようなリスクとして考えるべきでしょう。
まずは、資金調達のリスクが考えられます。

企業の資金調達の方法は、
①内部留保の活用
②銀行の融資と債券の発行
③株式の発行
と一般に言われている。

株価の低迷は、市場がその会社の行く末に疑問をいだいていると判断した結果になる。
こうした場合に、新たな事業を行うに当たって資金を市場から調達しようとして債券を発行しても利率が高くなり収益の確保が難しくなります。また株式の発行も思うような金額が調達できなくなることもあります。

企業が新たな資金調達を考える際のリスクになるでしょう。

もう一つは財務上のリスクになります。

株式の保有は、どんなカタチであれ財務諸表に反映されますので、株価低迷はそれを保有する企業の価値を毀損する恐れもあります。

さて、株式投資の基本としてハイリスク・ハイリターンの債券とローリスク・ローリターンの債券をバランスさせるポートフォリオが望ましいという考え方があります。

ソフトバンクはどうでしょう。
さすがにIPOで出したばかりでなんとも言えませんが、なかなか船出は怪しいですね。

下記のような情報を株式上場の後に出してくると言うことは誠実さに欠けます。

○ ソフトバンク、通信障害で1万件の解約 宮川副社長「非常時にキャリア同士で支え合う構造を検討する時期に入った」 12月20日
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1812/20/news060.html

 同社の宮川潤一副社長は、今回の通信障害がスマートフォンを使ったチケット発券サービスなどにも影響を与えたことに触れながら、「通信が社会インフラの重要なポジションにいることを認識した」とコメント。さらに災害や大規模障害の発生に備え、通信事業者間で通信回線を間借りするローミング接続の導入を検討する時期に入ったのではないかと話した。

「欧州では事業者間のローミングが当たり前になっている。日本のモバイル業界は競争政策によって進んできたが、社会的意義を考えると事業者間で支え合う構造(ローミング)を検討する時期に入ったのではないか」(宮川副社長)

ソフトバンクが技術的に成熟していなくても「安い」を重視して単一製品に依存すること自体は戦略なので善し悪しは言えません。フットワークの良さは当社の強みでしょう。
しかし、上記の解約の情報を上場前に公開せずに、初値も1500円の変更をしないのは誠実さに欠けるでしょう。

ソフトバンクの海のものとも山のものとも言えないものへの投資判断は、当社の意思決定の早さの強みになるかもしれませんが、その姿勢は「ハイリスク・ハイリターン」だと思います。

○「PayPayの認知、利用意向はダントツ」 ソフトバンク宮内社長 12月19日
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1812/19/news130.html

 「PayPayの名称認知、サービス理解、利用意向はダントツで1番」――ソフトバンクの宮内謙社長は12月19日に開いた上場会見で、QRコード決済サービス「PayPay」についてそう話した。同社の調査によれば、12月4日から展開した「100億円あげちゃうキャンペーン」の効果で、他社の決済サービスと比べて名称の認知率などが大きく上がったという。

これも当社の田のサービスと一緒で、一気にユーザーを増やして行き、そこで発生する問題は後で解決するというやり方を象徴しています。
QR決済については、世界の潮流になるという判断とそれに追随して行く早さはさすがと言えますが、PayPayでは、不正の請求もあったとの報道もあり、セキュリティは万全ではないでしょう。

経営の立場から言えば、「ハイリスク・ハイリターン」の他に、何かしらの「ローリスク・ローリターン」の事業を混合した事業のポートフォリオが必要です。
さて通信会社の「ソフトバンク」は、ソフトバンクグループにとってどちらなのでしょうか。

投資をする皆さんも考えたはどうでしょう。

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