「話し合うは簡単ではない」

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先日、経営品質協議会の月例会として「株式会社JR東日本テクノハートTESSEI 訪問研究会」に参加してきた。

https://www.jqac.com/monthlies/detail/2

この会社は、日本サービス大賞の受賞組織でもあり、新幹線の清掃のパフォーマンスがメディアに良く取り上げられた会社でもある。

歴史は古く、1952に年創業と言うから私よりも年上になる。
「清掃業」から「サービス業」にコンセプトを作り直したのは、前社長で10年以上前のようだった。(記憶で申し訳ない)

オペレーションの質を高めるいろいろな仕組みは結果論なのであまり興味がわかない。どうやってそこに至ったのかと言うことの方が気になる。

結論からいえば、「社員とのコミュニケーション」と言うことになる。

思い出すのは、数年前に訪問した自動車ディーラーでのことだ。
県下に多くの支店を持つその会社の経営者は、赴任してから5,6年になったと言う。
取り扱う自動車メーカーは国内の3位、4位に甘んじており必ずしも順調というわけではない。それでもそのディーラーの業績は好調で、その秘訣を探るのも一つの関心事だった。

その社長さんが赴任してきた頃は売上げも低迷し、また社員の定着率も悪かった。
いわゆる「パワーマネジメント」が主であり、「売ってこい!」とは発破をかけるが支店長の役割だったそうだ。

「儲けてこいと言って部下が儲けてくるなら貴方はいらない」というのは今なら普通に言えるが当時はなかなか言えなかったようだ。

社長は「会社が社員をパワーマネジメントする」ではなく、「社員自ら会社をマネジメントする」に変えてきたそうだ。

結果として
・経営理念や行動指針は社員が数年かけて構築した
・会社の設備や店作りは社員がプロジェクトチームを作り実施する
・経営者は朝礼などで売上げの話を一切しない。人を褒めることを社業の中心とする
など特徴的なことを見ることができた。

しかし、こうした状態にするには時間もかかり、スタートラインに着くまでに数年かかったそうだ。その間、ひたすら「社員との対話」に時間を割いたとのことだ。

当時の「社員との対話の会議」のビデを見せていただいたが、「阿鼻叫喚」「怒号の嵐」、ふざけんな馬鹿野郎の声が飛び交う、目を覆いたくなるような惨状が記録されている。

話を聞いてくれるまでに相当の我慢が必要だったことは想像に難くない。

親会社の自動車メーカーの社長が交代したのが2012年だったと思うが、時間軸として同じタイミングだったのは偶然ではないのだろう。

根本的に働き方を変えてゆく地道な活動なのだろう。今で言えば「働き方改革」か。

さて、社員の意識を変えて組織風土を違った物にするというのは口で言うのは簡単だが、結局は「お互いを理解するために地道に話し合いを続けてゆく」我慢強さが経営者に求められるのだろう。

彼らを見ていると、とても真似はできない。
ある意味関心はするが参考にならない。

「相手がそっぽを見ている中で地道に話し合いを続けられる」という自信のある方はどのくらいいるのかな?

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