リアル書店は倒れるのみか 文教堂、ADR申請へ

[リアル書店は倒れるのみか 文教堂、ADR申請へ]
と言う記事を見かけた。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/070200502/

記事の内容は、「書店」というのハードウエアを前提としたビジネスモデルと「ライフスタイルとして本に接する」というソフトウエアのビジネスモデルの狭間での付加価値創造の難しさを示している。

次の一文が要約と言えるだろう。

「買う」に特化したネット書店と、「買う」以外の付加価値で戦う大型書店。この二極化のはざまで、郊外や地方都市に中規模のチェーン店を出すという文教堂のモデルは力を失っていった。

しかし、では現在うまくいっている書店ビジネスが成功を続けられるかというとこれはこれで心許ない。

書店の数と1店舗あたりの坪数を示す数字をみたいと思ってサイトを探すと例えば下記のようなものがある。

http://www.garbagenews.net/archives/1985414.html
書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(最新) 2018/10/10 05:10

ここからわかることは、書店数が毎年減少しているとともに、1店舗あたりの坪数も下がっていると云うことだ。

これは書店の持つ特徴を阻害しかねない。

書店に行く楽しみというのは、ネットとは異なる「本との接点」にある。実際に手に取って「あぁこんな本もあるのだ」というのは私個人としてはもっと大切にしたい。

秋葉原のヨドバシの7Fに有隣堂がある。かつて1フロアの大部分を占めていたのだが、今ではその4分の1ぐらいになっているのではないだろうか。

書店の坪数の減少は、特定の分野の本を主体に置かないと豊富な品揃えを確保できないことになる。魅力をどう維持するかは難しいのだと思う。

もう一つ、総務省統計局のホームページ(https://www.stat.go.jp/data/nihon/26.html)から「書籍の出版点数と平均値」というデータを取得できる。

出版不況という中で、確かに出版点数は毎年5%前後の減少になっており、特に社会科学分野、技術、芸術などの学際的なものは減少が顕著になっている。

単純に「本というものを売る」というビジネスモデルが立ちゆかないと云うことを統計で見る限り、すでに何年も前から(場合によっては10年以上前から)予測できたことだろう。

いつも思うことなのだが、早く手を打てないというのはどういった組織文化なのだろうと思う。都合の悪いデータに目をつむっているのだろうか?

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