ある程度の業績の低下は予想していたが、マイナス98.5%という数字は衝撃的だろう。
https://newsroom.nissan-global.com/releases/190725-01-j?lang=ja-JP
2019年度第1四半期の連結売上高は2兆3,724億円、連結営業利益は16億円、売上高営業利益率は0.1%となり、また当期純利益注1は、前年同期比94.5%減の64億円となりました。
(上記記事より)
これに合わせて、
2022年度までにグローバル生産能力を10%削減し、稼働率を高めます。同時に、生産能力の適正化にあわせ12,500名規模の人員削減を実施する予定です。
として、人員削減にも触れている。
日産のグローバルでの要員数は14万人程度でありおよそ1割減となる。
この辺の事情は、日経ビジネスでも取り上げられており、下記を参照してほしい。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/072500567/?i_cid=nbpnb_toc
40年ほど前の私自身が学生の時には、大手の会社(私は建築関係だったのでゼネコンになる)に就職すれば安泰という風潮もあり、両親もご多分に漏れず同じ志向だった。
当時はまだ黎明期であった情報処理分野の会社に就職を決めた時には、その会社の知名度もなく「なぜそんな会社に!」と泣かれたことを覚えている。
大手であっても、うかうかするとリストラされるという時代を予見していたらどうしていただろう。
それをさかのぼること数年前の高校生であったころ。将来を見据えて最も良い就職先は「銀行」と言われており、ある種の幻想を持っていた。
さて、銀行についてもここ最近はリストラの話題に事欠かない。
・三菱UFJフィナンシャル・グループは9500人分の業務量削減
・三井住友フィナンシャルグループは4000人分の業務量削減
・みずほフィナンシャルグループは1万9000人の人員削減
業務量の削減というのは聞こえはよいものの、今までやったことのない仕事をさせるということで、多くは退職を余儀なくさせられると思う。
ITについて一定の造詣があるものとしては、人でなければいけない仕事はどんどん減ってきており、その仕事自体も減っていると多々感じる。
鉄道の交通機関を見れば、券売機の数は減り、改札には人などまずいない。
近くのATMなどは現金を扱わない機器も出始め、人がメンテナンスする(現金の補充)必要もなくなる。
投資アドバイスなどもAIなどが対応してくれる。
日常業務などもRPAなどで自動化されてゆく。
こうしたことが背景なのだろうか、銀行員が少なくなっているというニュースを見た。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190728/k10012011531000.html
消える銀行員 デジタル技術で省力化 全国で大幅減少
民間の調査会社東京商工リサーチが全国81の大手銀行と地方銀行を調べたところ、ことし3月末時点の銀行員の数は合わせて22万3778人で、前の年の同じ時期より3629人減っていました。
また、銀行員を減らした銀行は全体のおよそ8割にあたる62行に上りました。
という内容なので、減少率といっても2%にもゆかないのでそれほど衝撃的ではない。
むしろ、ずっと増加傾向にあったのが、少子高齢化や採用抑制などで調整されている程度と考えられる。
問題なのは、銀行業務は人に頼る部分が今後ますます減ってゆくことになるだろうということだ。したがって、組織能力は人数という量に比例することはなくなり、人的質の能力の高さで決まるということだろう。
単に就職したからと言って将来が決定される要素にはならない。
むしろ、ポータビリティの高い能力を開発し続けなければ、そもそも組織にいられなくなる。
40年前の幻想はすでに崩壊している。
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