コンビニの無人化の目的は会社側の自己都合ではうまく行かない

しばらく前に、コンビニの無人化と云うことをとりあげたことがある。
・ゲートをくぐると自動的に決済用カードなどを識別する
・商品にはタグがあり、ゲートを出るときには自動的に決済される
という、今の技術ではすぐにはできないことや運用上の問題はあるものの、「冷蔵庫を開けて冷たいものを飲む」と云った手軽さが実現できたら面白いのにと思ったのが背景にある。

いわゆる「人手不足」などは副次的なことで考えていたが、企業側としてはそうも行かないのだろう。
生産性向上と人手不足解消の発想でいるのだと思う。

あちこちのサイトを眺めるのを習慣としていると、へーと思うような記事に出くわすことがある。一年ぐらい前の記事で、以下のような文節を見つけた。

「中国でもアリババやテンセントのほか「ビンゴボックス」などの無人コンビニが急増中だ。アマゾン・ゴーと違い、買い物客が自分で商品のバーコードをスキャンし、「アリペイ」などのQRコードで代金をスマホ決済する仕組みを採用している。」

そういえば、「アマゾン・ゴー」ってあったなと思うが、あまり日本で普及したという話を聞かない。
無人店舗などは、それが必然で無い限り普及はしないだろうなと思ったら、同じ考え方の記事を見つけた。

2018.9.26
中国で「無人コンビニ」急拡大も日本では簡単に普及しない理由
https://diamond.jp/articles/-/180518

結構身も蓋もない結論だが、以下が要諦になるだろう。

「中国の無人コンビニのサプライチェーンがどうなっているかは詳しいところまでは分からないが、おそらく発注は人が巡回して点検を行い、補充や廃棄という店舗運営に関わる大部分の作業も配送員などの人がやっているとみられる。決済だけを効率化しても全体最適にはならない。」

「商品だって消費期限の長い商品やナショナルブランドばかり置いていては他の店舗に対し差別化にもならないし、利幅も少ない。だからこそ、日本のコンビニは“独自商品の開発”を競っている。」

「中国の無人コンビニでは、近くに有人の管理された、独自の商品がしっかりとそろっているコンビニができたら、一発で駆逐されてしまうであろう。」

「有人コンビニはレジが空いていなければ「待つ」という煩わしさはある。だが、品ぞろえが豊富であり、魅力的な独自商品がある有人コンビニが選ばれるのは間違いない。つまり、今のところ無人コンビニの競争力はないに等しい。」

最近、スーパーなどで無人レジが導入されているところもあるが、少なくとも私の家族からは不評だ。
本来店にやってもらってほしいこと(一つ一つの商品の金額の確認、レジ袋の判断など)を押しつけられていると感じているのだと思う。
”なぜ店の都合を押しつけるのか?”と言う発想が出てくると困る。
”私たちの困りごと”を解決するという発想がないと普及しないのではないか?

私のよく行くスーパーでは、高齢者が多いせいだろうか
・ばら売りの野菜などのむき出しのものはレジ打ちと同時に袋に入れる
・財布からお金を出す時間がかかるので、その間にいくつかの商品を袋に入れてくれる
・ひとりフリーの店員さんがおり、商品の入っているかごをレジ横の棚に運んでくれる
と言うことをやっている。
こうしたことはいきなりではなく、少しずつ進化しているように見える。

さて、自分でATMもどきの機械に対処し、自分で商品をレジ袋に入れると言う店と、人間が対峙してくれる店はどう共存してゆくのだろう。

そうそう、コンビニかスーパーかの選択基準は商品の種類だ。決済の利便性ではない。

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