「安どと不満の声 英語民間試験延期 教育現場から」を見て

英語の思いで

■英語の民間試験の延期

安どと不満の声 英語民間試験延期 教育現場から
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191101/k10012160221000.html

昨日から、テレビやメディアでの取り扱いが多い。
すでの息子も就職し大学入試などは他人事になってしまっているのであまり関心が高くない。申し訳ない。

とはいえ、以前から感じていたことは、数学や物理・化学、歴史や政治経済などは知識として蓄積すべきことだろうが、英語は”技術”なのではないのかと感じている。技術であれば訓練(反復練習など)磨くことはできるが、だからといって英語の文学が読めるわけでも立派なスピーチができるわけではない。
そんな技術は一時のものなので、英語の文献を普通に読めれば良くて試験はどうなんだろうと思っている。

■グローバル人材はまずは日本語をしっかりできること

「グローバル人材には英語が必要」という声を聞く。
数年前なのだが、ある雑誌に「グローバル人材」に関連する経営者のインタビュー記事が連載された。比較的マイナーな雑誌なのであまり購読数は期待できないが、それでもしっかりした記事構成で、このインタビュー記事も2年以上続いたのではないか。

当時、テキストマイニングの試行錯誤をしていろ、このインタビュー記事の分析も行った。
結論としては以下の2点だった。

① やれそうな人、意欲のあるヒトにやらせて、うまくいったら褒める。
山本五十六の
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
を引用した経営者が何人かいた。

②英語は後からついてくる。まずは教養に裏打ちされた会話ができること
日本語でもかまわない。まずは自分の国の文化について語れること。相手の国の文化を理解して話ができること。「夏目漱石」や「枕草子」について聞かれ「読んだことがありません」では話はできないし、(西洋)絵画やワインについて「知りません」では会話にもならない。と言うことらしい。

■使う場面がなければ身につかない

最初の会社に入社したときに、会社の先輩から「これを読んで勉強しておけ」といって、見たことのない英語の教材を渡された。たしかTOEICの本だったと思う。
アメリカに転勤したり出張したりすることがあるので用意するようにと云うことだろう。
その先輩はカーネギーメロン大学に留学していったので、英語が必須というのは肌で感じた。

結局勉強レベルにとどまったが、結構な期間英語の勉強をした。
しかし、海外に行くチャンスもあるわけではなく、英語力は極端に下がった。

とはいえ、次の職場は生物系シンクタンクなので論文が全部英語という世界だった。
ペラペラというわけには行かないが、かろうじて読める程度には維持できた。

今はと言えば、BBCニュースを原文で見ているが、かなり心許ない。

結局必要なければ廃れて行く。
数学などは今でも知識として残っているが、技術としての英語は使わなければさび付いて行く。

大学入試のための受験勉強に意味があったのか疑問だ。
それより、歴史をしっかり教えてくれる高校でのカリキュラムの見直しをしてほしい・

■試験を丸投げにするつもりなのか

英語民間試験延期が大学入試改革に与える影響
https://toyokeizai.net/articles/-/312089

大学入試全体を俯瞰する記事になっている。
改めて知ったのが、英語だけでなく国語や数学も民間試験に委ねるつもりであること。業者ごとの採点基準をあわせることが難しいこと。記述式の問題が増えたとしても採点者がアルバイトに頼らざるを得ないために、採点結果が不安定になること。かな。

組織の中でも昇格試験で論文試験を行うところがある。何度か採点をお手伝いしたのだが、その時に感じたこと。
・採点基準があったとしても、問題の解釈は個人ごとに異なるので判断がばらつく
・採点者がどこをピックアップするのかがばらつく
・そのため、一度採点してから、採点者同士で意見交換を行い、スーパーバイザーが調整する。

対象者が1000人ぐらいならなんとかなるが、10万人だ20万人だと云ったら対応できるとは思えない。

大学入試の改訂は、私の知る限り40年以上前から試行錯誤をしている。
無駄な努力しか思えないので、そもそも行きたい大学に行かせたらと思う。

同じ場所に集まらないと教育できないわけでもない。
ICTを活用して、必要科目を受講させ、きちんとした課題対応ができなければ単位をあげなければ良い。

受講内容のレベル分けで大学のランクを付ければ良いのでは。
もうやっている国があると思うのだが。

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