島先生はマダガスカルで年越しかな?

http://www.ayeaye-fund.jp/
日本アイアイファンド

今から30年ほど前、生物系シンクタンクで電算室の立ち上げにかかわっていたころの縁で、ニホンザルの権威である島泰三さんと知り合い、その流れで、日本アイアイファンドの名ばかり理事としてお付き合いをさせていただいている。

純粋に寄付だけでの活動なので、いつも資金難に悩まされている。少額でもよいので上記にサイトで寄付をお願いしたい。

さて、とはいえいったい何をしているのだろうと思われので、最近の島先生からのメールを転載する。相変わらず精力的だなぁと感心させられる。

妨害の出会いもあった様子。
私の世代では、バックパック担いであちこち放浪するなんてことは身近にいたものだが、今でもいるんだと感心する。世の中はそんなに変わらないということか。

■先生からのメールです。

《20191129 まだスカルへ出発です》
アイアイファンドの皆さまへ

昨日まで、全日空機内誌の取材で鹿児島でした。明日からエチオピア経由でマダガスカルです。新型ボーイングが墜落したことでも知られるエチオピア航空ですが、トランプも大丈夫だと言っているし、信用でき、・・・

今年は、私が現地入りする前からの準備をうるさく伝えています。ラミーはとうぜんですが第一は一昨年から植林を始めて現地で「売れるか!?」と期待が高まっているカシューナッツです。これは苗をあらかじめ集めてもらっています。2000ですから、半端ではありません。が、「すでに集めた(!)」とのこと。また、今年からはパパイヤを本格的に植林しようと、まず1000本を集めるように指示したところ、なんと、「手付金をうって集めた」との連絡。カシューは3年ですが、パパイヤは半年で結実するので、植える者にも張り合いがあると見えます。

今年も現地の人々と協力し、現地小学校と植林域を拡大していこうと計画しています。これまでの植林地ももっと整備しなくてはいけません。調査基地も補修しなくてはならないし、・・・(仕事あるなあ!)また、ブルノーに参加してもらって、来年から計画している動物相調査の予備調査を開始します。まずは、分かりやすい鳥類と霊長類からです。

今年、出会った有力者は、来年から大学に行くことを早々に決めた18歳の若者です。彼はマダガスカル育ちで、マダガスカルに違和感がなく、「サラリーくれ」とか生意気言っていますが、「行きたい」らしいし、両親も「鍛えなおしてやってください」と積極的なので、彼の活動場所ができるといいなあ、と思っています。我が孫?ああ、こっちはどうなるか分かりません。期待するのみ。遠藤研究室の若手、30代の研究者も「手伝います」と言うし、写真家も「ドローン使って撮影したい」と言っていますので、どこかで資金をかき集めて、少し盛大にやれるといいなあ、と。

1998年の一斉調査以降、動物植物を網羅した調査は行われていないので、そろそろやるべき時期に来ています。ずいぶん植生が変わってきているのです。「それなら、莫大な印税を使えばいいじゃん」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、大調査をバックアップするほどには、『ヒト、犬に会う』は重版したと言っても、なかなか(というか「決して」というか)至りつきません。現地でカシューとパパイヤを売って資金源にするほうが、まだてっとり早いかも(トホ)。

現地が自活できる手立てをつくり、アイアイたちは安心して暮らすことができ、こちらも安心して本来の調査ができるようになる、という王道を目指し、『魚食の人類史』完成と次回大作の書き始めを決意して、では、では、行ってまいります。

1998年12月に発芽したラミー15本に、アイアイが食べられる果実の結実していることを祈って。

島 泰三 2019年11月28日

《20191209 マダガスカル報告》
只今アンジアマンギラーナです。
日本人青年が世界一周のついでに飛び入りです。ちょっと楽しいなあ!!
今日は基地の修理、苗畑の確認、新規植林地の視察、学校敷地での植樹準備、
マナサムディ山での整地、植林指導と炎天下、目一杯やって、クタクタです。
日本人青年はブルノと森へ、アイアイが見つかったら私も行くことにしています。
夕焼けに雨の気配です。風が出てきて、火照った頭が少し冷えてきました。
もう少しゆっくりやる方法もあるでしょうが、これが性分です。
皆々様、こちらはマンゴー食べ放題です。
(島泰三)

《20191216 マダガスカルから》
日本アイアイファンドの皆さまへ

雨季のマダガスカルでも高地のアンタナナリヴは、涼しい風です。首都とマジュンガでの苗の調達がうまくいって、相当な量の苗を植えることができるようになりました。

マナサムディ山地での5ヘクタールに加えて、村の周辺での植樹、ファナンブタナ学校での植樹と多様な植樹活動ができました。カシューに加えて、パパイヤの苗が好評で、前村長もぜひ植えたい、ということで、村内に果樹園ができそうです。しかし、これを植林活動と言っていいのか、どうか。

この村内の植樹地域だけで合計1ヘクタール強です。また、森林監視員のクラニの苗畑は、川沿いですが、ここで2010年のラミーがちょっとした林を作っているのを今回初めてみて感動しました。川沿いはラミーの適地なのです。そこで、ラフィアヤシがちょうど莫大な果実を付けているので、これを収穫し、川沿いにラミーとラフィアとマンゴーの林を作るように植林を始めました。これは当面500メートルを両岸25メートル程度として約1ヘクタール分、植林することにしました。

考えてみると、2010年のラミー苗とアカシア植林が決定的だったのだと、つくづく思います。通信条件が悪いので、写真などは帰国してからです。アンタナナリヴでも苗畑を作り始めています。技術革新できそうです。取り急ぎ。電池がきれそうなので。
(島泰三)

Be the first to comment

Leave a Reply