フィジカルネットワーク

フィジカルネットワーク
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00211/

フィジカルインターネットとは、物流施設やトラックなどの物理的な機能を利用して、インターネット上で情報が動くのと同じように、効率的にモノを運ぶ物流を指します。

大量の荷物を小口に分け、それぞれの荷物をその時々で空いている倉庫やトラックを使いながら運ぶイメージとなる。

今の物流の問題は、それぞれの企業が社内に倉庫やトラックを抱えていることです。こうした施設や設備をもっとオープンにして、あらゆる事業者や利用者がシェアリング(共有)し、コネクト(連携)させることが重要になります。このオープンシェアリングと連携が、フィジカルインターネット実現のカギになります。

(以上 本文から引用)

■聞きなれない言葉
フィジカルネットワークというのは聞きなれないが、「大量の荷物を小口に分け、それぞれの荷物をその時々で空いている倉庫やトラックを使いながら運ぶイメージとなる。」とはパケット通信を思い出す。
だが、こうしたことは大なり小なり行ってきているはずなので、取り立てて「名前」を付けるというのは、相変わらずの業界だ。
また、効率性という側面では、みなが手をこまねいているわけではない。
今もそういうサービスをしているのかわからないが、数年前にトラック運送をしている会社が、帰りには空になるトラックに荷物を積まそうとして、インターネットで「空」の時間帯と「出発地」「到着地」を公開して、サービス向上を狙っていたことを思い出す。
また近年AIを活用して、タクシーの空き時間の削減に努めていという記事を見たことがある。いずれも、無駄の発生をなくすための取り組みだ。

■ハブアンドスポークの限界
ハブアンドスポーク的な物流システムは今に始まったことではない。
かつての飛脚のシステムも「集荷所」があり、集荷所と集荷所を結ぶネットワークだったはずだ。また前島密が作った郵便システムは日本をくまなくカバーするシステムで、これは網の目のようなものだろう。
ヤマト運輸が始めた宅配システムもハブアンドポークの形態と考えられる。
問題なのは、ネットワークを実際に担う運送業者が固定化されてしまうことと、時間に縛られた運航スケジュールだろう。
どこかでゆがみが出ることは想定されていただろうから、このドキュメントの指摘は間違いではない。

■どんなビジネスモデルが描けるだろう
今あるものが最適というわけではないことで考えると、新たなサービスは興味深い。
ウーバーや車や自転車のシェアリングサービスなどが脚光を浴び、エアーB&Bなどの専門業者以外のサービス提供のしやすい環境の構築など、およそ昔では考えられないサービスが立ち上がる。
ギグワークスなども新しい形態になるだろう。
高速通信、GPS、いろいろなセンサー、コミュニケーションツールとしての、スマホやスマートウオッチ、スマートグラス、等々。新しい技術が目白押しだ。

シェアードサービスを有効に使った物流システムが可能になると、今まで大量輸送が前提だったいろいろなことが変わってくるかもしれない。例えば、現在食材などは市場など大量に展示されているところが前提だろうし、農協やスーパーなどは規格品が前提であり、市場に出るチャンスのないものも多い。当然、自分の目で見てという楽しみもあるが、ネット販売などのビジネスチャンスも増えてくるだろう。

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