世間に転がる意味不明:現実は低賃金、低成長である(岸田内閣の支持率が上がらないのが不思議だという発言が不思議な件)


■不思議な発言

○「なぜ岸田内閣の支持率が上向かないのか不思議」 経団連・十倉雅和会長は政策を評価
2023年11月20日

 経団連の十倉雅和会長は20日の会見で、岸田内閣の支持率が20%台と低迷する理由を問われたのに対し「一つ一つの施策はいいことをやっている。防衛、GX(脱炭素化)、原子力、デフレからの完全脱却など、きちっとした政策だと私たちは思っている」と述べ、極めて低い支持率に疑問を呈した。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/291223

経団連は、企業の利益団体であり企業の収益が好調である限りには政権を支持するだろう。それは政策の妥当性とは関係ない。
この記事の中にあるように「グランドデザイン」がないためにどこに向かうかも分からないし評価軸もない。従って結果は偶然が支配するものであり、岸田内閣が有能だからではない。

■数字で見る労働者の境遇

内閣府が発行する「令和4年度 年次経済財政報告」にある一人当たり名目賃金・実質賃金の推移を見ると、日本は1991年を100として2020年は100.1であり、最近の報道では、これがさらに下がっているという。欧米などが180から250であるのと雲泥の差である。

https://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je22/h06_hz020105.html

経済成長率も芳しくない。

○23年度成長率、1.3%に下方修正 低成長と物価高共存
2023年7月20日

2023年度の日本経済は低成長とインフレが併存するとの見方が強まっている。
GDPの過半を占める個人消費は物価高を受けて0.6ポイント下方修正し、前年度比1.6%増とした。設備投資も半導体市場の悪化を反映し、3.0%増と2.0ポイント下げた。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA196910Z10C23A7000000

いわゆる庶民の生活が豊かになった実感など享受できるはずもなく、岸田内閣の無策が表に出ている以上支持率が高くなるとは思えない。

■経団連のとんちんかん

「一つ一つの施策はいいことをやっている」といっているが、それはどんな施策なのだろう。少なくとも、「貧困対策」「少子化対策」が有効になっていないからこその結果ではないのだろうか。

経団連も「その使命は、総合経済団体として、企業と企業を支える個人や地域の活力を引き出し、日本経済の自律的な発展と国民生活の向上に寄与することにあります。」といっているが、その構成要素が企業である限り、「貧困対策」「少子化対策」は興味が無いのに違いない。
https://www.keidanren.or.jp/profile/pro001.html

それでは「支持率」が低いことを理解はできないだろう。

(2023/11/27)