■気になるニュース
○東京・麹町のビル新築現場で鉄筋落下 20代男性作業員が巻き込まれ、心肺停止
2024/7/30
警視庁麴町署と東京消防庁によると、ビルは地上12階地下2階建て。屋上でクレーンを使い、鉄筋を吊り上げる作業を行っていたところ、鉄筋が落下した。男性は鉄筋とともに11階まで落下した。同ビル工事を担当する清水建設によると、男性は床の鉄筋を組む作業を担当していたという。
https://www.sankei.com/article/20240730-N6SO4QLSL5L7RACMUXKLOVO2MU/
昨年来、気にしているせいであろうか、建設現場のでの死亡事故の記事が目にとまる。
死んだ人間は生き返らない以上、それを防ぐのは企業の責任であり、再発防止もまた企業の責任である。
しかし、こうした建設現場での事故は労働災害として届けられ、被害者に対しては保証されるであろうし、過失を問われることもあるだろう。しかし、再発防止にどう取り組むのかの記事を見ることはない。
上記にしても清水建設のホームページには事故自体のニュースもない。
■いったい何がどうなったのだろう
ISO9001:2015という規格には「リスク」という概念での取り組みを求める要求事項がある。
リスクへの対峙の仕方には「リスクへの取組みの選択肢には,リスクを回避すること,ある機会を追求するためにそのリスクを取ること,リスク源を除去すること,起こりやすさ若しくは結果を変えること,リスクを共有すること,又は情報に基づいた意思決定によってリスクを保有することが含まれ得る。」と記載されている。
リスクとは、「不確かさの影響」となっており、誤解を招きやすい表現となっている。わたしは「未来を左右する何か」と表現するようにしている。
たとえば建設現場では「人間が作業をする」、上記で云えば「作業員が高所で鉄筋を機械で扱う」になるだろう。「機械を使うことでおよそ人手はできなことができる」は“リスクに基づく影響”であり、「事故の可能性」は“リスクがもたらす負の影響”と読める。
したがって、リスクに正確に対峙するためには、プロセスの明確化と事故を未然に防ぐ対策などがセットになる。
管理の仕方や管理の方法などは、すでに長い事業経験がある以上、そこに欠陥はないのかもしれない。しかし、実際に事故が起きていると云うことは、管理面でカバーできないことがあったと言うことであろう。
それは何なのか。
情報が公開されなければ、再発防止策がとられたかも分からない。
なんとも不完全燃焼になるニュースである。
2024/08/06