世間に転がる意味不明:地域交通の問題点:自動運転で解決できる範囲(広域はまだ無理かもしれないが)
注意:引用記事が多いよ
■映画で見た風景
何の映画だったか覚えていないが、高速道路を走る主人公のクルマの横のレーンには物流用のトラックが自動運転で走るという風景があった。同様に、自動タクシーで都市の中を移動するシーンなどもSF映画で見ることがある。
自動運転は2024年問題の課題の一つであるトラックドライバーの負担軽減につながる試みかもしれない。
こうした未来像を、単なる妄想ではなく確実に技術を積み上げてゆく報道がある。
○マクニカ、自動運転レベル4対応車両による世界最長の公道走行実証を実施
2024/4/16
北陸新幹線加賀温泉駅から山代温泉までEVOによる世界最長10km(往復)の公道走行を加賀市とともに行う。実証期間は、4月17日から4月23日までの予定だ。
マクニカは実証実験において、山代温泉、山中温泉や片山津温泉といった3つの温泉地の回遊等にモビリティを活用。それにより、モビリティと他事業のデータ基盤の構築・運用によって新たなサービス創出につなげる。また、自動運転を始めとした次世代モビリティと都市OSを用いたスマートシティの実現を目指す。
自動運転の実装の程度によってレベルが定義されている。
SAEにおいては自動運転化レベルの0〜5まで、「名称」「主体」「走行領域」に関して以下のように定義されている。
段階 名称 主体・走行領域
レベル0 運転自動化なし 人・限定なし
レベル1 運転支援 人・限定的
レベル2 部分運転自動化 人・限定的
レベル3 条件付き運転自動化 車・限定的
レベル4 高度運転自動化 車・限定的
レベル5 完全運転自動化 車・限定的
https://jidounten-lab.com/autonomous-level
国土交通省のロードマップ
https://www.mlit.go.jp/common/001226541.pdf
を見るとレベル4については
・限定地域での無人自動運転移動サービス 2020年まで
・高速道路での完全自動運転 2025年めど
と記載があり、まずはレベル4(高度運転自動化)がターゲットになるようだ。
○自動運転レベル4、27年度開始 物流人手不足に対応―いすゞ中計
2024年04月03日
いすゞ自動車は3日、2030年度までの中期経営計画を発表した。物流業界の人手不足問題に対応し、特定条件下で運転手が不要になる自動運転「レベル4」のトラック・バス事業を27年度にも始めると明記。30年度には全体の売上高を現状の2倍弱の6兆円に引き上げる方針だ。
https://www.hero-wars.com/?nx_source=group_posting&gift_id=cmCcgBoDor
■進む実証実験
おそらくは行政側からの支援・圧力などを含んだ政策決定があるのだろう。各自治体では実証実験が盛んである。備忘録的に列記する。(長いよ)
○BRT自動運転を認可 宮城、JR気仙沼線
2024年3月23日
国土交通省東北運輸局は、JR東日本が気仙沼線で運行するバス高速輸送システム(BRT)の車両に関し、ハンドル操作や加減速をシステムが担う「レベル4」の自動運転を一部区間で認可した。22日付。JR東は営業運転の実現を目指す。
JR東は、2011年の東日本大震災で被災した線路跡をBRTの専用道に転換。自動運転のテストを重ねていた。当面は運転手も乗車して運行する方針だ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/316837
○自動運転「レベル4」対応の新型EVバス「EVO」が、常陸太田市で国内初の定常運行を開始 みつばコミュニティがオペレーター業務を担当
2024.03.19
運行期間:2024年2月16日から定常運行
自動運転車両:自動運転EVバス「EVO」
「EVO」…EV(電気自動車)仕様、自動運転システム搭載、特定環境下において完全無人運転「レベル4」対応の新型シャトルバス。実際の走行は当面の間「レベル2」で行う。
運行速度は18キロ。乗車人数は10人で、オペレーターが1人乗車。
走行ルート:市役所や東部地区の商業施設を結ぶルート近年、運転手の高齢化や2024年問題により、全国的にバス運転手不足が深刻化しており、この解決の手段として自動運転に期待が寄せられています。私たちは、これまで培ってきた運行管理サービスでのノウハウを自動運転業務にも活かし、地域の移動を支え、持続可能な社会づくりに貢献していきたいと考えています。
https://car-me.jp/news/articles/41549
○相鉄バスが自動運転実験を実施—運転制御をより高度化
2024年3月28日
相鉄バス、先進モビリティ、株式会社、横浜市経済局の4事業者は共同で、3月29日と4月1~5日の6日間、横浜市旭区のよこはま動物園(ズーラシア)周辺で、小型バスを用いた自動運転の実証実験を実施する。この実験は横浜市経済局の産業振興支援の一環。
相鉄バスは2019年から2021年にかけて大型バスでの自動運転実証実験を5回実施しており、今回は車両を先進モビリティが保有する小型バス(日野『ポンチョ』ベース)に変更する。実験では、GNSS、3次元点群地図を用いたスキャンマッチング、UWB無線を活用し、バスの運転制御を高度化させる。
https://response.jp/article/2024/03/28/380695.html
○自動運転、次は東北で「なんちゃってレベル4」認可 汎用性に課題感
大型バスで時速60キロは優秀、しかし専用道限定
2024年3月29日
今回の自動運転のポイントは、走行速度と車両サイズだ。大型バスを時速60キロで無人走行させることに成功した点は非常に大きい。一方、走行路線は専用道で、磁気マーカーを併用したシステムのため、汎用性・普遍性の点では「なんちゃってレベル4」と言える。
○日本モビリティ「自動運転バス」乗れます 「群馬発」レベル4、公道走行
2024.04.15
Magicarは自動運転レベル4(=完全自動運転)に対応した車両で、4月9日から前橋みなみモールの外周道路を使い公道での実証実験を行っている。一般人を乗せての実証実験は今回が初。
車両は全長3820mm、全幅1800mm、全高2630mm、車重1730kg。最高速度は時速19km/時、定員は10人。ハンドル・アクセルペダル・ブレーキペダルなし。当日は保守員としてドライバーが乗車する。1周約10分、1回4人。9日~11日の3日間で54人が参加した。
https://takasaki.keizai.biz/headline/4713/
■技術課題への取り組み
企業側も要素技術などの検証を進めている事がうかがえる。
○高速道、「AIカメラ」で落下物検知へ 自動運転実現に向け
2024年4月15日
自動運転実現に向けたインフラ支援としては、管制センターによる遠隔監視や自動運転車の本選合流を支援する情報提供、全区間をカバーする5G(V2N)やスポット的な路車間通信(V2X)を可能にする通信設備、自動運転の有人・無人を切り替える施設、AIカメラや車両データを活用した落下物の早期自動検知など、先読み情報の収集・提供、専用通行帯や優先通行帯などの通行帯規制の法定標示や周知などが考えられている。
○2025年には自動運転車にお客として乗れる! 日産が自動運転の新たなステージに進んだ
2024年3月11日
最終的には「自動運転レベル4」という規格を目指すという。「レベル4」は、簡単にいうと、限定された条件下において、システムが運転操作のすべて実施し、ドライバーが運転席を離れることができる領域を指す。なので、スマートフォンやPCの操作、映像の視聴も可能だ。
https://www.webcartop.jp/2024/03/1305185/
○東海理化、遠隔監視システム 他 横浜市立よこはま動物園「ズーラシア」で実施する自動運転バスの実証実験に参画
2024.03.26
株式会社東海理化 (本社:愛知県丹羽郡大口町 代表取締役社長:二之夕 裕美)は、横浜市が「路線バス自動運転プロジェクト」の一環として横浜市立よこはま動物園「ズーラシア」で実施する、自動運転バスの実証実験に参画します。
(実証実験の概要は、別添資料『3月29日(金)と4月1日(月)~5日(金)の6日間 小型バスを用いた自動運転の実証実験を実施』をご参照ください。)
<当社の担当内容>
○遠隔監視システム
車両外に取り付けた複数台のカメラの映像を合成処理し、映像品質を維持したままリアルタイムに遠隔監視センターへ伝送することができ、運行中の複数車両の走行状況や車内外の状況を1台のパソコンで一括監視することのできる、監視者の負担が少ない、安心・安全なシステム
〇乗客検知システム
画像認識技術により、乗客の不安全姿勢を検知する安全を支援するシステム
○カメラシステム
1台のカメラで「車内遠隔監視」と「乗客検知」を同時に対応できるシステム
当社はこれからも、地域交通への取り組みを通じて、自動運転車の社会実装実現を技術面で支えます。
https://car-me.jp/news/articles/41997
■課題と可能性
もちろん、自動運転が無条件なバラ色の未来を約束してくれるわけでもなく、無事故の保証もされない。人であれば臨機応変なことが機械で代用できるのかという不安もある。
○自動運転バス、「危険感じた」14% 福島県田村市が実証結果を公表
危険を感じたシーン「停車時」が29.3%が最多
2024年2月12日
福島県田村市の公道で2023年12月に自動運転バスの実証運行が実施され、乗車後のアンケート結果が公表された。乗車後に「危険を感じた」と回答した人は13.9%で、危険を感じたシーンとしては「停車時」が29.3%、「右左折時」が22.0%の順に多かった。
全体の86.1%は危険を感じていないものの、自動運転移動サービスを社会で広く普及させるためには、危険を感じる人がほぼいない状況にする必要がある。そういう意味では、「危険を感じた」と回答した人が13.9%に上るということには、懸念もある。
それでも、自動運転が遠隔操作でもできるようになり、これがAIのサポートを受けられるようになれば、一人の要員で複数の車両のコントロールができる様になり、仮にいざというときに同乗者が必要だとしても、二種免許が不要になり負担感も減るだろう。人手不足の解決の方向性になるはずである。
かつてのバスで運転手はおらず車掌だけがいるシーンを想像してみて欲しい。
2024/08/07