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○西松建設、大卒初任給30万円 24年問題で10%超賃上げ
2024年10月24日
西松建設は2025年4月に入社する総合職の大卒初任給を3万5000円引き上げ、前年度比約13%高い30万円とする。増額は3年連続。4月から基本給を一律に上げるベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)で平均10%超の賃上げを実施する会社方針も決めた。24年4月から設けられた残業時間の上限規制を受け、深刻化する人手不足の緩和を狙う。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0861I0Y4A001C2000000/
建築現場には現場監督、施工管理の責任者が必要になる。これが充当できなければ仕事の受注ができない。こうした現場管理は有資格者であることが求められ、資格取得には実務経験が必要になる。
しかし、現場管理ができる人材が少なければ受注量が少なくなり経験できるチャンスも減る。人材の育成に時間がかかり、離職が進めばますます人材が不足する。という悪循環に見舞われる。
建設会社が人材を引き留めるために賃金に手を出すのは理解できる。
それでもこの賃金水準は驚きである。
しかし、これは本当に優れた施策となるのだろうか。
■ベーシックインカム
ベーシックインカム(BI)とは、国や自治体が年齢や性別、所得などの条件を問わず、すべての国民に一定額の現金を定期的に支給する制度です。
ベーシックインカムの目的は、国民の最低限の生活を保障し、貧困や経済格差を解消することです。また、社会保障制度を簡素化して行政コストを削減したり、少子化対策に有効とされるなどのメリットも考えられています。(Google 生成AIによる)
こうした制度は国単位で考えているが企業単位で考えられないだろうか。
報酬は以下の三点を満たすべきだと考えている。
①生活の糧である事
②家族を養えること
③明日のための教育投資ができること
これを満たす水準を「基礎給与」と考え、これを保証すること。
感覚的には手取りで25万円程度であろうか。
これを保証するところから議論を始めるべきである。こうした水準を支払えない企業は、顧客から搾取していなくとも社員から搾取している。存在意義がない。
■定期昇給という幻想
常識を覆す勇気は必要である。しかし、それは破格の初任給を用意することではない。
日本の賃金制度を不自由にしている要素を排除すべきである。それは「年齢給」「勤続給」という自動的に昇給するメカニズムであり、「号俸制」という定期昇給メカニズムである。
ベーシックインカムを設定し、それに付加して、職種・役割・習熟度(サポートを受けながら執務ができる~自律的に執務ができる~他者に指導できる)などで、報酬を決めればよい。仕事の付加価値と自分の努力で昇給できる仕組みを作る報がシンプルである。
その上で、得られた業績は労働分配率などを設定し「山分け」すればよい。
こうすれば、中途採用者と新卒採用者との待遇の矛盾などは発生しようもないし、将来設計を描けないなどと言うことはない。
実現できないとしたら経営者の能力不足である。
2024/10/30