廃業は理由がある。過剰に助ける必要は無い。
■身も蓋もない云い方だが放っておけば良い
昨年は2024年問題に端を発して人手不足が各産業にインパクトを与え、二進も三進も行かなくなる産業も多かったようである。タクシー業界も例外ではなく苦境に陥ったようだが、不思議なことに、この業界だけは行政もちょっかいを出し、その結果としての「ライドシェア狂想曲」が出てきた。
しかし、ITを活用した事業に展開できた企業は生き残れたがそうでない企業は退場を余儀なくされたのだろう。
○「タクシー業」の倒産・廃業件数が過去最多の82件に 「ドライバー不足」が深刻化
2025.1.8
2024年に発生したタクシー業の倒産(負債1,000万円以上、法的整理)は35件、休廃業・解散は47件判明し、計82件のタクシー業者が市場から退場。23年通年の件数(63件)に比べて19件・30.2%増と急増し、これまで最多だった19年(73件)を上回ったという。
○タクシー業界の倒産・廃業が過去最多、ドライバー不足が直撃、82社が撤退
2025/1/9
2024年、タクシー業界は深刻な危機に直面している。帝国データバンクの調査によると、同年の倒産件数は35件、休廃業・解散は47件を数え、合計82件のタクシー業者が市場から撤退した。これは前年比30.2%増であり、過去最多だった2019年(注:コロナの年)の73件を大きく上回る結果となっている。
しかし、人手不足の問題は突然出てきた話では無いし、経営の難しさも以前からあり、小泉内閣 での規制緩和は徐々にタクシー会社を苦しめてきたのだと思う。ライドシェア問題がタクシー会社を追い詰めていると言うがウソである。地方のターミナル駅などに行けばタクシープールにはタクシーがあふれており、一方でそうでない地域のタクシー事情は少子高齢化に伴い利用者が減っているのでタクシーそのものの台数の需要はない。
大きな市場にアクセスできないタクシー会社が既存の枠組みだけで事業を使用とすれば斜陽化するのは当然である。
■強靭性への取り組み
座して死を待つのがいやならこうした斜陽化への対策が必要である。
ターミナル駅を中心とした中核エリアでは「タクシー・GO」ら「S:RIDE」のペイントのタクシーが走っており、確実にネットでの配車サービスが普及している。
「何かを運ぶ」と言うことに支店を移したビジネス展開も可能かもしれないがどうであろう。すなわち軸足を増やして強靭性を増すというのは一つの選択肢であると考えている。
異なった分野ではあるが面白いと感じる取り組みもある。
○吉野家HD、京都のラーメン店「キラメキノトリ」買収
2024年12月26日
吉野家ホールディングス(HD)は26日、京都府内などで「キラメキノトリ」などのラーメン店を展開するキラメキノ未来(京都市)を買収すると発表した。取得額は非公表。吉野家HDはラーメンを牛丼やうどんに次ぐ成長の柱と位置付けており、買収をてこにラーメン事業の拡大につなげる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC267UP0W4A221C2000000/
ラーメンという文化の普遍性に着目するのであれば選択肢の一つとして面白い。
○吉野家の「ダチョウ丼」反響は? 第4の肉で探る“勝ち筋”を聞いた
茨城県の牧場で飼育
2024年10月21日
同社は、2015年に茨城県にあるダチョウ牧場を買い取って飼育事業を開始。2017年にはダチョウ事業を手掛ける日本オーストリッチファーム社(茨城県石岡市、現:SPEEDIA〈スピーディア〉)を立ち上げた。2024年にダチョウの肉やオイルを活用した新事業を本格化している。
8月28日から限定的にダチョウ肉を使った「オーストリッチ丼~スープ添え~」(1683円)を吉野家で発売したほか、ダチョウのオイルを使用した化粧品も販売した。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2410/17/news192.html
健康という視点もまた面白い。
こうした事業がどうなるかは分からない。吉野家という「牛丼」を扱う店の歴史は「1899年 明治32年 日本最大の魚河岸があった東京・日本橋で吉野家の牛丼は誕生した。」とあるように旧いが、それにこだわる必要も無いだろう。
その文化が必要なくなれば歴史からいなくなるだけである。既存タクシーの苦境は放置すべきである。本当に必要なら生き残る。
個別企業がどうなるのかなどは経営理論などとは関係ない。
生き残る企業は生き残るし、そうでない企業は退場するだけである。
コンサルタントに頼んでなんとかなるなんてのは運次第である。
経営の失敗は経営者自身にある。
ほっとけば良い。
2025/01/14