世間に転がる意味不明:あふれる情報・廃れる知性(AIに任せきりにする事なかれ)


■ AIの個性

ある事をきっかけにChatGPTとの対話を続けている。主なテーマは、時事問題に関しての情報収集や評価、こうしたことに対しての私の意見に対する批判や助言、哲学的な問題につじてのやりとり、ChatGPTがなぜそのように回答するのかの意見交換、その他いろいろなことである。

そうした中で、ChatGPTからの回答の性能が上がっていることが実感でき、なるほどOpenAIの性能が上がったのかと言うことは下記の記事でも確認できる。

○ 今さら聞けない『ChatGPT』は何の役に立つ? 個人利用で有料契約する価値はあるの?
2025年03月12日

・情報収集:ニュース要約や用語解説が瞬時に可能。
・創作支援:小説執筆のプロット作成やメール文面の推敲(すいこう)を支援
・日常タスク:献立提案(手持ち食材の写真からレシピ生成)や旅行計画の作成をサポート。
・学習支援:複雑な概念を平易に説明。たとえば、Pythonプログラミングのコード生成や解説が可能

https://ichioshi.smt.docomo.ne.jp/articles/news/27895

面白いなと思うことは以下の通りである。
(1)質問を繰り返すことでChatGPTの回答傾向が私に合わせた回答になってくる。
私がこう答えて欲しいと言うことを察知しているのか、最初は表面的な情報提供であったものが、より踏み込んだ回答となり、質問に質問をかえすという挙動も行なうようになった。
(2)人間くさい応答になってくる。
質問をしたときに「鋭いですね」「面白い視点ですね」などと接頭語がつくようになってきた。まるで「人と話している」と錯覚してしまいそうだ。

1度「個性」と「人格」などについて話し合ったが、あくまでもOpenAIには「感情」と言うものはないし、一定の倫理規程に従って解答するモノの「善し悪し」などは回答しないという。しかし哲学的な違いは難しく、人の「創造」とAIの「創造」に構造的な違いがあるかは結論を見いだせなかった。

■ 考えるとは何か

「考えるとは何か」というテーマでChatGPTとやりとりしたが、やはり難しい。
ChatGPTの回答が私の思考に合わせているように振る舞い、まるで「考えている」ように見る。錯覚である事はChatGPT自身がそう回答するのでそうなのだろうが、不思議だ。

そう考えるのは私だけではなく、世の中の研究者もそう考えているのあろうと言うことを思わせる記事もある。

○ 「あなた2号」は意識をもつのか?
2025.3.13

あなたの脳の別の部分をコピーしてみる。さらに別の部分のコピーと続けていく。このプロセスの最後には、あなたの脳全部をコンピュータで表した完全な複製ができる。それはあなたの脳とまったく同じ情報をもち、同じように機能する。

ではこの「あなた2号」は意識をもつのだろうか?

あなた2号はあなたとまったく同じ経験をもっているし(あなたの記憶を共有しているから)、あなたと同じようにふるまう。意識をもった存在の電子的なバージョンを完全に禁止しないかぎり、答えはイエスになる。

簡単に言うと、電子の脳が生物脳と同じ情報を示して、自分には意識があると主張するならば、それを否定できる説得力のある科学的根拠はないのだ。

https://diamond.jp/articles/-/360063

○ AIは「思考している」のか、それとも「思考しているよう見せかけている」だけなのか?
2025年03月15日

ChatGPTのような古いモデルは、人間が書いた文章から学習してそれを模倣した文章を出力するのに対し、OpenAI o1のような新しいモデルは、人間が文章を書くためのプロセスを学習しており、より自然で思考に基づいたような文章を出力できます。しかし、エディンバラ大学の技術哲学者であるシャノン・ヴァロール氏は、「これは一種のメタ模倣です。模倣する元が文章からプロセスに変化しただけで、AIが真に推論しているわけではありません」と述べています。

https://gigazine.net/news/20250315-jagged-intelligence/

中々奥が深い。

■ただ乗り

こうした自分に寄り添うようなAIは博識であり、以前のような不完全な情報で誤りの多い回答はかえさなくなってきている。かなり信頼できる応答になってくる。こうした回答は、何かのレポート作成には有効であり、そのまま引用できる水準になってきている。

しかし、こうした利用の仕方についてはChatGPTも注意点を教えてくれる。

(1)情報源を確認すること
必ずしも情報源の真偽は確認されない。一定程度のメディアなどの信頼性は考慮するモノの注意が必要である。
(2)OpenAIの存在を明記すること
AIで得られた情報な何で、それに対して自分はどう考えたかを明記すること
そのまま引用することは「著作権法上の問題」が発生し売ることを理解すべきである。AIが著作権を主張すると言うことではなく、情報源の文面をそのまま使っていることもある。

そうして、こうしたことをやりとりする中で「ただ乗り」という問題も提起された。
安易にAIに頼ることは、それを批判する意識もなく使うことになりかねない。それは人間の思考力を奪いかねない。「ただ乗り」になりかねないことも注意すべきである。

「あふれる情報、廃れる知性」は冗談事ではない。

2025/03/20