世間に転がる意味不明:報われないエッセンシャルワーカー・医療従事者の待遇改善(無視できない経営改善)
■エッセンシャルワーカーの苦境
新型コロナの頃、その医療にいる最前線の人々、衣食住などの維持の最前線にいて活躍した人々。彼らをエッセンシャルワーカーと呼び賞賛の対象としてはいるが彼らの低賃金に置かれている状況は改善されることはないことが下記の報道で浮き彫りにされた。
○ 春闘明暗 医療、介護の組合は賃上げなしのゼロ回答続出 全国でスト
2025/3/13
2025年春闘は山場の12日、大企業を中心に満額回答が相次いだが、同日に交渉した医療や介護労働者の組合では賃上げなしのゼロ回答が続出し明暗が分かれ、13日には各地で医療労働者などがストライキに入った。東京都内では国立病院機構の東京医療センター(目黒区)などで指名ストに入り、医療労働者の産別組合の医労連によると、労組の支部によるスト決議は1000を超え、多くの支部がストに入ったという。
https://mainichi.jp/articles/20250313/k00/00m/040/058000c
経営者はこれを放置すべきではない。ない袖を振れとは言わない。しかし、こうした賃金アップができないと言うことは人財の雇用にリスクがあることを認識すべきである。
1. 人材流出のリスク増大
賃金が上がらないことで、従業員がより高い報酬を求めて他社・他組織へ転職する可能性が高まる。特に、他社が賃上げを実施している場合、その傾向が強まる。
2. 人手不足の深刻化
賃金水準が低いと、新たな人材の確保が難しくなり、人手不足が深刻化する可能性がある。これは、生産性やサービス品質の低下を招く要因となりえる。
3. 従業員のモチベーション低下
賃金が上がらないことで、従業員の仕事に対する意欲や満足度が低下し、生産性や業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
4. 企業の競争力低下
優秀な人材を維持・獲得できないことで、組織の競争力が低下し、市場での相対的地位が脅かされる可能性があります。(信用の低下など)
彼らの待遇を「スト」という範疇で考えるべきではない。
■油断できない転職サイト
医療従事者向けの転職サイトはいくつか存在する。以下に主要なサイトをは下記の通り。
● マイナビコメディカル
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師など、医療従事者向けの求人情報を提供する転職サイト。
●ジョブメドレー
医療介護従事経験者が運営する就職・復職・転職のための求人サイトで、全国の医療介護職の求人情報を掲載。
●コメディカルドットコム
看護師、医療技術職、リハビリ職、介護福祉職のための転職サイトで、掲載されている求人に直接応募が可能。
●医療転職ドットコム
医療業界に特化した転職サイトで、医療機器メーカーや製薬会社などの求人を専門的に扱っている。
●リクルートエージェント
医療従事者・医療技術者向けの公開求人や非公開求人を取り扱う転職エージェント。
医療従事者といってもいろいろな職種があるが、この中でも看護師は174万人いると言われており、彼らが医療の現場での中核である。サービスの品質を担保するのが彼ら彼女ならば、その永続的な雇用はもっと真剣に考える必要がある。
これまで、医療従事者の転職理由としては
・労働環境や勤務条件の改善:長時間労働や夜勤など、過酷な勤務条件
・人間関係や職場の雰囲気:職場内の人間関係のトラブルや、ハラスメント
・キャリアアップやスキル向上:専門分野への挑戦やスキルアップを目指す
・家庭の事情やライフスタイルの変化:結婚、出産、育児、介護などのライフイベント
・健康上の理由:身体的・精神的な健康問題
が挙げられており、転職者の50%が上記の転職サイトを利用しているというデータもあるようだ。
これに加え「賃金」という問題が関わるとすれば、病院経営者もこれに真摯に向き合うべきである。
○ 「春闘ゼロ回答」受け病院でストライキ「物価上昇に見合った賃上げ」要求 長時間労働の窮状も
2025年3月13日
春闘での賃上げ要求に大手企業の満額回答が相次ぐ中、ゼロ回答だったとして13日、県内の病院で組合がストライキを行いました。
労働組合の全国組織、全日赤を通じて、病院を運営する日本赤十字社に一律3万3000円のベースアップを求めましたが、「収支は厳しい」として、ゼロ回答だったということです。
長野赤十字病院労働組合 藤本航喜 執行委員長
「物価上昇に見合った賃金の上昇は得られていません。医療従事者が患者さんのためにより良い医療を提供するためにもやっぱり賃金の方上げていただきたい」このほか13日ストライキを行ったのは、県医労連に加盟する8つの病院の労働組合で、ベースアップのほか、離職の原因となる長時間労働の窮状を訴えました。
https://news.ntv.co.jp/n/tsb/category/society/ts5c4b27e8a37348a79cf330bcf8d1cc09
「ない袖は振れない」と何の対策もとらないゼロ回答はいずれ自分たちの首を絞める。
2025/03/20