戦略人事:人材を使い捨てるツケ(スシローのゼロ回答を憂う)


戦略人事:人材を使い捨てるツケ(スシローのゼロ回答を憂う)

★ChatGTPで調べた結果も併記する。

■人という経営資源を考える

無人の工場や倉庫、フロアスタッフがいない飲食店や小売り販売店。こうしたkとは近未来では実現されるかもしれない。それでも、あなたの会社が維持できるためには「ヒト」が介在される必要があるだろう。たとえその役割が変ろうともである。そうした世界では、今までのような画一的な価値観で人と接することは会社の未来を危うくする多くのリスクが内在する。注意が必要である。

■人手不足の潮流

2022年には寧ろ正社員の抑制などを行ない寺院のコントロールをしていたものが一転して2924年には人手不足が問題化し、2025年には賃金アップの流れができた。しかし、こうした賃金アップは大企業の一部に限られており、中小企業との格差が生じているという報道もある。これは、中堅企業以下の人手不足感を加速させ、経営の不安定化につながっている。

○ 「従業員退職」に起因する倒産、2024年は過去最多に 最も深刻な業種は? 2025年03月21日

業種別に見ると、最多は「サービス業」(31件)。2019年以来、5年ぶりに最多となった。中でも多いのがソフトウェア開発などIT産業や、人材派遣会社、美容室、老人福祉施設などだ。いずれも人材の定着率が他産業と比べて課題とされる。

業種別の2位は「建設業」(18件)。設計者や施工監理者など、業務に不可欠な資格を持つ従業員が退職し、事業運営が困難になった企業が目立った。この他「製造業」と「運輸・通信業」(各12件)が初めて年間10件を超え、工場作業員やドライバーの退職で事業がままならなくなったケースも相次いだ。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2503/21/news051.html

建築土木では、現場監督などを担うには資格が必要であり、これが確保できなければ受注ができない。同様に運送業も普通免許ではその業務に就けない以上人手不足は経営難に直結する。しかし、サービス業にはどのようなことが起きているのだろうか。

■離職率の偏在

人員不足はもちろん「人を採用できない」と言うことも一因ではあるが、一方で「離職」も無視できない。マクロ的には3年内離職率は変化がないという。では、産業別にはどうか。新卒には何か傾向が見られるかをChatGTPに調べてもらった。

入社3年以内の離職率や全体的な離職率に関する情報をお伝えいたします。

新規学卒者の3年以内離職率(令和2年3月卒業者):
・宿泊業・飲食サービス業: 51.4%​
・生活関連サービス業・娯楽業: 48.0%​
・電気・ガス・熱供給・水道業: 10.5%​
これらのデータから、特にサービス業において新卒者の早期離職率が高い傾向が見られます。 ​

2021年の産業別離職率:
・宿泊業・飲食サービス業: 25.6%​
・生活関連サービス業・娯楽業: 22.3%​
・製造業: 9.7%​
・建設業: 9.3%​

これらの数値は全体の離職率であり、入社1年以内の離職率を直接示すものではありませんが、業界ごとの傾向を把握する参考になります。 ​

雇用形態別の離職率(2022年):
・正規社員(一般): 11.8%​
・非正規社員(パート): 23.1%​

正規社員と非正規社員では、離職率に約2倍の差が見られます。

(ここまで)

上記のデータを見ると、いわゆるサービス業での離職率が飛び抜けて多いことが分かる。
これほど定着率が悪いには何か理由があるのだろうか。これもChatGTPに調べてもらった。

(質問)
上記でいわゆるサービス業の定着率が悪い理由は何だろう。

(回答)
サービス業の定着率が悪い理由はいくつか考えられます。主に以下のような要因が挙げられます。

1. 労働環境の厳しさ
長時間労働: 飲食業や宿泊業は、営業時間が長く、シフト制のために不規則な労働時間になりやすい。体力的負担: 立ち仕事が多く、体力的にきつい業務が多い。
休日が少ない: 繁忙期には連休を取りづらく、ワークライフバランスが崩れやすい。

2. 低賃金
初任給が低い: サービス業は基本給が低めであり、昇給率も他業種に比べて低い傾向がある。
チップ文化のない日本: 海外のようにチップで補填される仕組みがないため、給与水準が抑えられがち。

3. 精神的ストレス
顧客対応の負担: クレーム対応や、理不尽な要求に応じることが多く、精神的なストレスが大きい。
人間関係のトラブル: チームワークが求められる職場が多く、人間関係が原因で退職するケースも多い。

4. キャリアアップの難しさ
スキルの専門性が低いとみなされる: 飲食業や小売業では、他業種に転職する際にスキルの汎用性が低いと見られがち。
昇進の機会が限られる: 大手チェーン以外では、管理職に昇進する機会が少なく、将来のキャリアが見えにくい。

5. 非正規雇用の多さ
非正規雇用が中心: サービス業はアルバイトや契約社員が多く、安定した雇用が得られにくい。
待遇の格差: 正社員と非正規社員で待遇が大きく異なり、モチベーションを維持しにくい。

6. コロナ禍の影響
業界の不安定さ: コロナ禍でサービス業は大打撃を受け、多くの人が離職した。その結果、業界自体の安定性に不安を感じる人が増えている。

まとめ
サービス業の離職率が高いのは、「労働環境が厳しい」「賃金が低い」「精神的ストレスが大きい」「キャリアの見通しが立ちにくい」などの要因が絡み合っているためだと考えられます。

(ここまで)

確かに離職が生まれる理由ではあるが理由としてはありきたりであり、多かれ少なかれ多くの企業が抱えている課題ではある。しかし、疑問もわく。「なぜ改善されないのか」

■人材の流動化:彼らはどこに行った

上記の課題はあるとしても、こうしたことが遠因で離職が進み、それにより経営が不安定化していることが自明であるならば、それの改善が進む企業が生き残り、それをできない企業が淘汰されるはずであり、その結果「離職率」は安定的なところに終息されるはずである。そのような企業の淘汰が進んでいるようには見えない。仮に倒産する起業があっても同じような課題を積み残したような企業が増えるだけのように見える。これについてChatGTPに訊ねてみた。

自然淘汰が起こりにくい理由
① 供給過多による価格競争
・サービス業、特に飲食・小売・宿泊業は市場にプレイヤーが多すぎるため、競争が激しい。
・価格を下げてでも顧客を集める必要があり、そのしわ寄せが従業員の待遇に行く。
・結果として「安い労働力」を前提としたビジネスモデルが存続し続ける。

② 代替手段がない(あるいは変化が遅い)
・「労働環境の悪い企業が淘汰される」ためには、労働者が他の産業に移ることが前提になる。
・しかし、サービス業から他の産業に移るにはスキルの壁があり、簡単には転職できない。
・結果として、多少環境が悪くても別の同業他社に流れ、業界全体としてはあまり変化しない。

③ 非正規雇用が多く、個々の企業が労働力を使い捨てる
・サービス業は非正規雇用が多いため、企業は「人が辞めること」を前提に運営している。
・つまり、辞めた人の代わりをすぐに補充できる限り、環境改善のインセンティブが働きにくい。

(ここまで)

しかし、これは問題解決が行なわれていないことを示す。この結果、離職したヒトの動向については下記の特徴も指摘される。

① 別のサービス業へ移動
・例えば「飲食を辞めて、コンビニやコールセンターへ」というように、別のサービス業へ転職するケースが多い。理由は、スキルが転用しやすく、すぐに仕事が見つかるため。

② 製造業・物流業などのブルーカラー職へ移動
・最近は、物流業(倉庫作業、配送)への転職が増えている。これは、サービス業に比べて労働時間が管理されていることや、最低賃金の引き上げにより給与水準が上がっているため。

③ フリーランス・ギグワークへ移行
Uber Eatsやメルカリ、YouTubeなど「個人で稼ぐ」選択肢が増えた。サービス業を辞めて、フリーランス的な働き方に移る人も一定数いる。

④ そもそも働くのを辞める
特に若年層の場合、貯金を切り崩しながら次の仕事を探したり、実家に戻ったりするケースもある。すぐに再就職せず、数ヶ月から数年単位で「無職期間」を過ごす人もいる。

(ここまでChatGTPで調べた)

■使い捨ての向かう先

こうしたことは「サービス業」自体の衰退を招きかねない。
改善に向けて行動を起こす企業は生き残るだろうがそうでない企業は「ヒトの劣化」という課題を内在したままになる。

どうせ人手不足が発生しても一時的なことだろうし、社員でまかなえるという不遜な態度が何をもたらすかを考えるべきである。

○ スシロー非正規春闘、妥結せず…ユニオン「ゼロ回答」に反発、再交渉予定も「GW中のスト辞さない」 2025年03月25日

非正規従業員のストライキに揺れる人気回転寿司チェーン「スシロー」で3月25日、パート従業員やアルバイトが加盟する労働組合「回転寿司ユニオン」と運営会社が、3回目の労使交渉をおこなった。

会社側はストを決行した6店舗中5店舗に対して、時給を上げない「ゼロ回答」をおこなった。一方、ユニオン側は「ありえない」と反発。妥結には至らなかった。

https://www.bengo4.com/c_18/n_18609/

DX化が進もうが何しようが、サービスの提供の最前線はヒトである。
こうしたヒトをないがしろにする政策は「今は」通じても、長期的にはしっぺ返しを食らう可能性が高い。

下記を念頭に置くべきである。

・サービス業の人手不足は加速する → これまでは「代わりはいくらでもいた」が、人口減少&少子高齢化でそうはいかなくなる。
・求職者の選択肢が増えている → ギグワーク・物流・製造業などの選択肢が広がり、サービス業が「最後の選択肢」になりかねない。
・待遇改善を進めた企業との差が開く → 例えば、同じ外食でも「ちょっとマシな店」に人材が流れやすくなる。
・ブランドイメージが低下する → 「ストを辞さない」という状況がニュースになれば、企業のイメージも悪くなり、客足に影響する可能性も。

スシローだけではない、多くのサービス業がヒトによる付加価値を高めるという選択肢をするべきである。さもなければ差別化はできないだろうし、長期的には生き残れない。多くのサービス業が映画盛衰を繰り返している。安定を考えるならこうした報道が意味するところを考えて欲しい。

2025/04/03