未来への手がかり:人材派遣業とロボット派遣業(ヒト型ロボットのもたらす世界)
■ヒト型ロボットの開発
ホンダがアシモを開発したのが2000年からであるから、ヒト型ロボットの開発すでに25年がたっている。その間、コミュニケーションロボットなどへの展開などもあり、現在はこぞっての開発競争が進んでいるように感じる。
○中国で人型ロボットのスポーツ大会 今後の課題も 2025年8月17日
中国では国を挙げて開発に力を入れている人型ロボットのスポーツ大会が17日まで4日間開かれました。
大会では人型ロボットが人間さながらの動きを見せた一方、突然、制御不能になる一幕も見られ、今後の課題も見えた形です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250817/k10014896121000.html
技術が平和利用されるとは限らないのは、核兵器、無人機での攻撃などを見れば明らかであり不安が先行する。それでも、ヒトの生活を豊にしてくれる可能性もあり、期待はしたい。
■家事からの開放
すでにお掃除は「ルンバ」にお願いしているという知人を知っている。
洗濯機は、ほぼほぼ自動であるし、料理なども一食分がまるまる「冷凍」で済ませているヒトもいる。細々としたことは、だんだんロボットにお願いする時代が来るかもしれない。
○タオルを畳むロボットの動画公開、人間とどちらが速いか試した結果 2025年08月18日
AIとロボット工学の進歩によって家事の自動化は現実味を帯びているが、まだ実現はしていない。筆者は自分の洗濯物を畳む速さをFigure 02ロボットと比べてみることにした。最新のデモ映像を見ると、Figure 02は1枚あたり約22秒のペースで6枚のタオルを畳んでいる。筆者は自宅で同じ作業を試し、どちらが速いかを確認した(大ざっぱな比較ではあるが、筆者は速さでロボットを上回ることができた)。
https://japan.cnet.com/article/35236790/
これも早いか遅いかが問題ではない。正確か不正確かも問題ではない。人の補助の有益性に着目すると、こうした家事を「女性に押しつけている」状況を変えられるかもしれない。
■ロボットが支援することの多様性
産業用ロボットは、正確性・高速性など人間ができないことへの代替として存在する。ヒト型ロボットはどうなるだろう。
危険な場所での作業ということでは、トンネルなど、危険が伴う箇所での作業。災害時での、ヒトが行くのが困難な場所への移動、医療器具の運搬、火災現場での消火活動、事故が発生したときの命の危険がある箇所での作業支援があるだろう。
単純な作業、たとえば道路誘導員、交通整理、ビルの中の警備の巡回など様々な場面である。
ヒト型ロボットを「秘書」代わりに使うことなども考えられる。資料の収集、整理、レポート作成などもいくらでもできる気がする。
介護施設での利用などもその内できそうだ。
多種多様な活用の可能性がある。
■ロボット派遣業という選択肢
どのような機械であれ、維持管理が必要である。定期的な性能の確認、故障の予防、劣化部分の交換、場合に寄っては回収や廃棄などは避けられない。
現在は、おそらくは産業用機械のほとんどは買い取り(リースであろうと)であり、所有することが前提になる。しかし、ヒト型ロボットがハードウエアとソフトウエアのハイブリッドである以上、そのメンテナンスは非常に複雑になる。新たな発想が必要になるだろう。
一点目は、所有ではなく「サブスク」の対象となることだ。機械を借りるのではない。ヒト型ロボットに何をさせるかという視点でのサブスクになる。つまり、ロボットを「モノ」という視点ではなく、「サービス提供」に注目した利用の仕方になる。
二点目は、関係性を前提とした利用だろう。すでに、コミュニケーションロボットやペット型ロボットなどでも指摘されているが、感情移入の問題である。ヒト型ロボットになり、かつヒトの問いに応える関係性は、相手を「仲間」と見る事も考えるべきである。さらに言えば、会話と通して「サービス」の質が変容することもありえる。アルゴリズムの自動アップデートだ。
こうした状況下では企業側すなわちロボットを受け入れる側も発想を変えるべきであろう。例えば
1.補完ではなく共創
- 人間が苦手な部分をロボットが担い、ロボットができない部分を人間が担う
- 「役割分担」ではなく「一緒に成果を作る」関係性
2.仕事を奪うのではなく、広げる
- ロボットが基本的な作業をこなすことで、人間は「より創造的な仕事」に時間を使える
- 「ゼロサムの奪い合い」から「プラスサムの広がり」へ
3.人格的な関わり
- 長期間一緒に働くうちに、「相棒」「チームメイト」として認識される
- これが労働意欲や心理的安心感にも寄与する
単なる道具からの発想転換だ。
企業は、所有ではなくサービスを受けるという視点では、似たようなメタファでは人材派遣業が想起される。すなわち、ヒト型ロボットの派遣事業という視点での新たなビジネスモデルも考えられる。
こうした派遣事業においては、ロボットの能力の調整(学習データの事前投入)や故障対応を含めた維持管理、事故時の保険業務や、場合に寄っては「ヒトとロボットの同時派遣」も視野に入れる必要がある。
顧客の事業プロセスの改善というコンサルティング事業とのコラボレーションも考えられる。
2025/08/31