リンガーハットにみる戦略の難しさ

【戦略が正解とは限らない】

この正月に、「事業計画」を作成したのでコメントしてほしいという話があった。
この会社の戦略などは承知していたので、どんなものかと訪問した。
驚いたのは、ほとんどの部門では「前年度の事業の継続。売上げ+3%」といった内容だった。
「御社の○○を実現するという基本理念や、それを実現するための戦略課題の**とどう関係するんですか?」
という問いには答えてもらえなかった。

同じような経験をこの秋にも体験した。
一体これはどういうことなのだろうか?

今年を総括するという意味での徒然として記載する。

(戦略とは何か)

私自身は「日本経営品質賞」のセルフアセッサーなので、経営に関して考えることも多い。
経営に関して一番悩ましいのは戦略だと思う。
ちまたでは様々な戦略の定義があるのだが、「日本経営品質賞」ではどう説明しているのだろう。

戦略とは、組織の将来をどのようにしたいかという構想を定め、それを実現するために進むべき道やとるべき方策を明確にすることです。
(経営品質向上プログラム アセスメントガイドブック 2012年度版 より)

戦略(型思考)というのは定められた前提条件そのものに従う(管理型思考)のではなく、条件そのもをより効果的なモニに変えられないかを考えることです。
(セルフアセッサーの認定研修資料より)

私自身の解釈として
・将来のビジョンがあること
・そのための道筋(ストーリー)があること
・ゲームチェンジャーになること
などが条件になるだろう。

(戦略と主義)

戦略に係わる本を読んでいると、結局は経営資源の調達と分配、その成果に目が向いてしまうが、ストーリー性を前面に出すものは少ない。
「戦略」というよりは、むしろ主義と呼んだ方が良いのかもしれない。
象徴的なのは「ブルーオーシャン戦略」だろう。
競争相手がいない土俵では利益を独り占めできるのは当たり前だろう。
一方で、「レッドオーシャン」で差別化を図り他社を蹴散らすのもありだろう。

そこのあるのは成功を勝ち取るための「何を選択して、何を選択しないのか」の方針でしかない。

私の好きな言葉の一つに
「Not Justice  Only Different」
と言うのがある。
戦略に求められるのは「他社とは違う何か」だろう。
「ブルーオーシャン」は一つの方向性にはなるが戦略そのものにはなり得ない。
「ブルーオーシャン」主義というのがしっくりくる。

(業績至上主義は戦略か)

企業のIR情報などを見ると企業がどのような目標を立てているのがある程度わかるのだが、「我が社の戦略は○○です」という文脈で見ることができる資料がほとんど無い。

一番困るのが、「来期の売上高」を戦略目標に掲げている例だろう。

私自身はことあるごとに「業績や売上げは制約条件であり、目標でも目的でもない」と話をしている。企業理念やビジョンから派生したストーリーでなければ戦略としては認められない。
たとえ、「3年後に○○億円の売上げ」などと云って事業の拡大を謳ったところで独自性や、それがうまく行くための方策も描けなければ戦略ではなく、単なる「宣言」にしか過ぎない。

売上げを口にしたところで、「社員」も「顧客」や「社会」にどんな変革をもたらすのかのコンテキストがなければ「業績目標」は「戦略目標」とは認められない。

(戦略は成功を保証しない)

では、戦略策定は成功を保証するのかといえばそうはならないだろう。

https://toyokeizai.net/articles/-/261590
リンガーハット、値上げでも大幅減益の理由

リンガーハットと云えば「長崎ちゃんぽん」の店舗を中心に「食の提供」をしている会社であり、その経営理念は夏季のように提示されている。

私たちの使命観 「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくるリンガーハットグループ」 は、食の安全・安心・健康づくり、誠実なお客さま対応、人間性尊重と職場環境の改善、自然と環境への配慮、地域社会への貢献という五つの実践訓によって理念を構成しています。

私の記憶なのだが、やはり売上げなどが低迷したときに「女性」と「健康」に焦点を当てた戦略を展開し、一定程度の安定的な業績を確保していたはずだ。

おそらく、経営理念などを見る限り、その戦略の大幅な変更はないだろう。
戦略と呼べるかどうかはともかく、企業の方向性はCSRレポートにも見ることができる。

とはいえ、経営資源の選択や配分をどのようにするのかの選択のフィロソフィーはある程度わかるものの、それ以上のことはわからない。
こうした資料からは、企業の戦略を読み解くことは難しい。

しかし、戦略を明確にしないと株主にとっても社員にとっても未来の予測ができない。
かといって、今年は「これだけ儲けます」と宣言されても、結局は戦略とは関係の無い「今までの実績」に依拠してしまう。

確かに「戦略」を明確にしたからといって成功の十分条件にはならないが、戦略がなければ博打のような場当たり的な経営になる。
そうした意味では「戦略の明確化」は関係者に伝えるべきもので必須であり、必要条件になる。

この必要条件を提示できない組織は「経営革新」に取り組むものとは認められない。

<参考資料>
・https://www.ringerhut.co.jp/corporate/policy/
・https://www.ringerhut.co.jp/csr/csr/

「話し合うは簡単ではない」

先日、経営品質協議会の月例会として「株式会社JR東日本テクノハートTESSEI 訪問研究会」に参加してきた。

https://www.jqac.com/monthlies/detail/2

この会社は、日本サービス大賞の受賞組織でもあり、新幹線の清掃のパフォーマンスがメディアに良く取り上げられた会社でもある。

歴史は古く、1952に年創業と言うから私よりも年上になる。
「清掃業」から「サービス業」にコンセプトを作り直したのは、前社長で10年以上前のようだった。(記憶で申し訳ない)

オペレーションの質を高めるいろいろな仕組みは結果論なのであまり興味がわかない。どうやってそこに至ったのかと言うことの方が気になる。

結論からいえば、「社員とのコミュニケーション」と言うことになる。

思い出すのは、数年前に訪問した自動車ディーラーでのことだ。
県下に多くの支店を持つその会社の経営者は、赴任してから5,6年になったと言う。
取り扱う自動車メーカーは国内の3位、4位に甘んじており必ずしも順調というわけではない。それでもそのディーラーの業績は好調で、その秘訣を探るのも一つの関心事だった。

その社長さんが赴任してきた頃は売上げも低迷し、また社員の定着率も悪かった。
いわゆる「パワーマネジメント」が主であり、「売ってこい!」とは発破をかけるが支店長の役割だったそうだ。

「儲けてこいと言って部下が儲けてくるなら貴方はいらない」というのは今なら普通に言えるが当時はなかなか言えなかったようだ。

社長は「会社が社員をパワーマネジメントする」ではなく、「社員自ら会社をマネジメントする」に変えてきたそうだ。

結果として
・経営理念や行動指針は社員が数年かけて構築した
・会社の設備や店作りは社員がプロジェクトチームを作り実施する
・経営者は朝礼などで売上げの話を一切しない。人を褒めることを社業の中心とする
など特徴的なことを見ることができた。

しかし、こうした状態にするには時間もかかり、スタートラインに着くまでに数年かかったそうだ。その間、ひたすら「社員との対話」に時間を割いたとのことだ。

当時の「社員との対話の会議」のビデを見せていただいたが、「阿鼻叫喚」「怒号の嵐」、ふざけんな馬鹿野郎の声が飛び交う、目を覆いたくなるような惨状が記録されている。

話を聞いてくれるまでに相当の我慢が必要だったことは想像に難くない。

親会社の自動車メーカーの社長が交代したのが2012年だったと思うが、時間軸として同じタイミングだったのは偶然ではないのだろう。

根本的に働き方を変えてゆく地道な活動なのだろう。今で言えば「働き方改革」か。

さて、社員の意識を変えて組織風土を違った物にするというのは口で言うのは簡単だが、結局は「お互いを理解するために地道に話し合いを続けてゆく」我慢強さが経営者に求められるのだろう。

彼らを見ていると、とても真似はできない。
ある意味関心はするが参考にならない。

「相手がそっぽを見ている中で地道に話し合いを続けられる」という自信のある方はどのくらいいるのかな?

リーダーシップは発揮してこそ意味がある

下記の記事が目についた。

https://mainichi.jp/articles/20181212/k00/00m/040/266000c
NTT東、無断契約で返金 フレッツ光代理店

記事自体は、勝手に契約がされているというものであり、詳細は記事以上のことはわからない。

目についたのは、記事の最後の一文。

無断契約が相次いだことを受け、UNは11月、書類を送付後に電話で契約の意思を確認するようマニュアルを改めたという。

こうした事件が起きたときの再発防止策として、「教育」や「手順書」に視点が向かう傾向があるが間違っている。

そもそもコンプライアンス意識のない社員を採用しているのか、手順書がないと何もできないのか。組織能力の担保能力が無いのは会社自身になる。

UNのホームページを見ると「USEN NETWORKSの勧誘方針」としていくつもの項目が挙げられている。

その中には

・販売・勧誘活動にあたっては、お客さまの立場に立って、時間帯や勧誘場所について十分に配慮して参ります。
・お客さまと直接対面しない販売等を行う場合においては、説明方法等に工夫を凝らし、お客さまにご理解いただけるよう常に努力して参ります。

と記載がある。
常識のあるヒトであれば、無理な電話勧誘や勝手な契約はしないだろう。

同じように、トップからのメッセージには
「人が集う店・街を変え」「喜びや感動を増やしたい」

と言うメッセージがある。

コンプライアンス方針もトップメッセージも間違っているわけではない。
しかし、こうした事件事故を見ると、結局はこうした組織の意図は社員の行動規範になっていないのだと感じる。

よく見るのが、いろいろな建前はあるものの、結局事業計画の中核は利益主導であり、現場の行動規範は売上げになっているケースだ。

「顧客重視」と言いながら無意識の「利益主義」に陥っている場合は、組織内に無言のパワハラが蔓延していることがある。
「契約も取れないに帰ってくる!」という会話が発生していないだろうか。

大きな声で理念を叫ぶのがリーダーシップではない。
向かうべき方向に進んでいるのかを監視し、そのためのマネジメントを行えなければ意味が無い

訴訟リスクと社員の自主性をどうバランスさせるか

以前にも見たが、また下記の記事を見た。

TDL着ぐるみ訴訟で運営会社が弁論 「過重労働」「パワハラ」とも争う
https://www.sankei.com/affairs/news/181113/afr1811130008-n1.html

実際に過重労働があったかパワハラがあったかは問題ではない。
問題は、こうした訴えは社員が辞めた後で起きうると言うことだ。

TDLとえば誰もが憧れる職場だったと思う。
社員は自主的によかれと思うことをやっていたかもしれない。
しかし、皆が皆そう思っていないかもしれない。

社員のためによかれと思っていること、社員が自ら良いと思っていることが訴訟リスクになりかねないと感じることがある。

(1)社員旅行や運動会
社員旅行や運動会が盛んだったのは、今から30年以上前だったと思う。
しかし、社員の参加意欲が下がり、企業側も経費節減などで多くの企業で取りやめていった。近年はまた社内の一体感を醸成するものとして復活させる傾向にある。という記事を見たが。
私が最初に在籍していた会社でも盛んだったが、私自身はあまり人と関わるのが上手ではなく、宴会で芸をやらされるのが苦痛だった。

(2)朝礼
元気のある会社と言うことで事例を目にする機会がある。
大体の企業で、朝礼でスピーチさせる、大きな声で各人が今日の目標を叫ぶ。
ハイタッチでみんなと思いを一つにする。など、社員とのコミュニケーションの確保、社員の意識向上を狙っている。
しかし、これもなじめないという社員はやめざるを得ない。
募集要項に「社員同士で積極的に交流できること」と言うことがあるならともかく、人と話をするのが苦手な人は身の置き所に困るだろう。
結局辞めざるを得ないとしたら、これはハラスメントではないのだろうか。

(3)自主的な勉強会
資格取得を会社が求めているときに、社員が自主的に勉強会を開くことがある。
その時間を勤務時間外で行い、残業時間として申告しないというケース。あるいは本来休憩をのための昼休みに勉強会を開催するという事例。
社員の自主性が高いと自慢をするのは軽率だろう。会社が必要としているなら業務命令だろう。
会社を辞め、その資格が不要になるならあまり本人とっては意味は無い。
いやいややっていましたと言われたら労基法上の関わりが出てくるかもしれない。

ここで問題になるのは、その訴えが正当かどうかではない。
訴訟を起こされることで、地域に根付いている企業であればあるほど名誉が毀損されかねないと言うことだ。
直接的な経済損失は少ないかもしれないが、リスクとしては見ておく必要がある。

社会的責任としての雇用の継続

昨日、「経営品質協議会 会員月例研究会 2018年11月」として、藤本隆宏先生の講演を聴いてきた。

題目は「良い設計の良い流れとしての経営品質 強い現場と強い本社の成立を」ということで、経験が豊かな先生らしく多くの話が出ていた。

話は多岐にわたるのだが、その中で「現場の多面性」として
・産業との関わりでは付加価値の創出
・企業にとっては利益貢献
・地域にとっては雇用維持
ということを取り上げていた。

生産性向上を隠れ蓑にリストラを行えば社会的信用を失うという文脈になる。

そういった中で、最近の人員削減の記事は気になると同時に対照的な内容になっていると感じるものがあった。

○ ソフトランディングとしての人員削減

東芝、7千人削減へ 希望退職も、固定費を圧縮
https://www.sankei.com/economy/news/181108/ecn1811080013-n1.html

この数字だけ見ると、少しセンセーショナルに見えるが、企業規模からすると無理ではない数字かと思う。実際に記事の中にも以下のくだりがある。

人員削減は、8日午後に公表する中期経営計画に盛り込む。東芝のグループ従業員数は今年6月末時点で約13万2千人。今後は、毎年1千人前後の退職者が出る見通しとなっている。

仮に定年を60歳として、59歳の人員構成比率を1%と見ても、毎年千人程度自然減になるし、中途退職比率も、2%前後を見れば、この数字は無理のない数字になる。
新卒採用計画も東芝のニュースリリース
https://www.toshiba.co.jp/about/press/2018_03/pr_j2301.htm
でも2018年度に2000人程度であるので、これを半分程度に抑えることで目標は達成されるだろう。

人材の投入場所の工夫は必要だが通常の人材マネジメントの戦略の範囲であり、特段にニュースにするものでもないだろう。

○ 誤解を招きそうな富士通の削減

以前、取り上げたことがあるが、富士通の下記のニュースは気になる。

富士通、事務部門スリムに 5千人異動、営業などに転換
https://www.asahi.com/articles/ASLBV4FXBLBVULFA01Q.html

経験的には、専門能力の必要な部門配置は再教育が必要になり、教育コストが馬鹿にならないことが多い。
例えば、総務を製造現場に配置換えする、経理を研究開発の部門にというのは無理がある。
経験のないものをシステム部門に配置させて自殺者を出した例もきく。

同じIT技術者でも、レガシー技術者をオープン系に配置換えできないのでリストラすることもあった。

さて、上記の記事は、退職の話ではなく再配置の問題だ。
純粋に再配置ならば良いのだが、適性を無視して再配置して、結果として「辞めてくれれば御の字」と言った発想であれば、かつての「追い出し部屋」と変わらない。

社会的責任としての「雇用の維持」どころではない。
犯罪行為になりかねないので注意が必要だ。

何年かたって、配置換えされた人たちに訴訟されないか気にしておこう。

秋田経営品質賞

秋田経営品質賞の授賞式に行ってきた。
今年は、審査員を担っていたために、その縁で呼ばれた。

無事に授賞式も行われた。
これはその時の記事。

社員幸福度 Employee Happiness 社員を幸せにしたら10年連続黒字になりました

■ JQAAセミナー

昨日、JQAAのセミナーが開催された。
表題は「「社員のEH(Employee Happiness)を高める組織活性化活動」~社員幸福度が上がれば行動と成果が変わる~」

日本経営品質賞の活動にかかわっている人なら、ピアズという会社の名前は聞いたことがあるはず。
その、会社を担う吉井さんの講演だ。

非常に面白い話で興味深いが、「それじゃあ、うちの会社でも」といって気軽にできそうもないことのオンパレード。
「赤ちゃんを伴って出社を認める」なんてのは、ケースとしては面白いが、自分の知っている会社の範疇ではまずできない。
そんなことはないというなら「やってみな」と言いたい。口だけならだれでもいえる。

内容が濃く、会社とは何かを考えさせられる意義のあるセミナーだった。

「社員幸福度 Employee Happiness 社員を幸せにしたら10年連続黒字になりました」
という本を上梓しているので、多少はその雰囲気を知ることができるが、やはり吉井さんの話を聞いてもらいたい。

興味のある人は、吉井さんに連絡を取ってみるとよい。
いくらでも話をしてくれると思う。

■ EHとES

『社員幸福度 Employee Happiness』というのはピアズの独特の言葉なのかもしれないが、考え方は実にシンプルだ。
もともと、『社員満足度 Employee Satisfaction』は間違ったと考えている。
”Satisfaction”は言ってしまえば、「約束が守られているか」と単純に考えるべきであり、満点を目指すべきもので客観的に評価できないと困る。

わかりやすい例でいえば、「給料の遅配はないか」「残業代は正しく支払われているか」が満たされることがSatisfactionだろう。
顧客との関係でいえば、QCDが守られているかなどが要素となる。

これに対して、「仕事にやりがいを感じますか」に代表される意識調査はSatisfactionとは一線を画す。
こうした情緒的な質問は、回答者の置かれている環境(仕事の忙しさや、お客様対応のストレス、上司や部下との関係性など)で大きく変わってくる。環境変化に左右される事柄だ。

こうした調査項目をESと称して含めていることに違和感があったのだが、今回の講演を聞いて、ESとEHはやはり分けて考えるべきものだろうと感じる。

ES調査は、組織が従業員に訳した機能面を調べるべきもので、EHは、社員の働き具合を左右する環境に着目して調査すべきだと思う。
前者は、経営資源の取り扱うメカニズムを、後者はどんな働き方をしてもらいたいのかの環境を含めたモデルがベースとなる。

アプローチは全く異なるということに気が付かされた。

■ ESで見るべき機能面

なぜES調査をするのかといえば、組織が期待した成果を創出するために作っているメカニズムが正確に機能しているかの確認になる。
したがって、調査項目は、具体的な行動や状態を対象としなければならない。
もっとも、どうしても情緒的な聞き方を避けることができないことは事実だ。
しかし、聞く対象は具体的である必要がある。
カテゴリーとしては以下があげられる。

(1)HRMの制度に係る事項
成果を創出する中核となる経営資源がヒトであるならば、それを管理するメカニズムが正常に機能しているかを確認する。
現場にニーズに合った採用・調達の妥当性。教育やフォロー、配置、評価、報酬、キャリアアップなどの話題になる。
自社の施策の重点項目を確認する必要がある。

(2)権限と責任
ヒトを束ねる組織には一定の階層構造があり石決定のメカニズムがある。
権限の付与、意思決定のプロセスが意図通りに行われているかがポイントとなる。
また、上位者の意図が階層に確実に伝わっているのかもキーとなる。

(3)コミュニケーション・意思疎通
成果を出し続ける組織として円滑に活動が行われているかを左右することにコミュニケーションがある。
制度として会議体があるかどうかなどを聞いてもあまり意味はない。
この分野は情緒的な聞き方にならざるを得ない。
ただし、聞き方としては「上司は部下の疑問に答えるために時間を割いているか」など具体的な場面を想定した方が良い。
上下関係、同僚、他部署など社内での意思疎通をするルートをカバーすること。

(4)報酬・福利厚生
行った活動の評価や報酬制度、福利厚生などが制度としてあるなら、実際の活動、利用の有無などを行われているかを確認する。
有給休暇などを取得しているかどうかなども明確に答えられるはずである。

(5)コンプライアンス
企業の存続を危うくするリスクについて、実際の発生状況を確認することが望ましい。
セクハラ、パワハラ、情報セキュリティなど多岐にわたる。
何がリスク化を教育を受けているか、意識した行動をしているか、事故が起きているかなどが関心の対象となる。

■ EHで見るべき機能面

ES調査の結果との相関を見る対象としてEHの調査を考えることができる。
一般的に、モチベーションの3要素として、ふさわしい仕事/ふさわしい環境/ふさわしい報酬が言われる。
「ふさわしい仕事」には、単純に仕事の内容だけではなく、仕事を選べる環境や仕事の意義を話し合える環境、社会からの評価なども含まれる。
「ふさわしい環境」は、単純にオフィス環境だけでなく、決定権限など環境を自分で管理できる範囲などもある。
「ふさわしい報酬」は金銭的なことだけではない。他者からの賛辞、仕事を選ぶ権利、いろいろなものがある。
社員の家族も含めて考えることも必要であろう。
また、退職したいという人へのフォローなどもここに含めてもよい。

■ 調査の仕方について

ES調査、EH調査と明確に分ける必要はないかもしれない。
調査の目的を明確にすること。また、回答結果の特性(定性/定量の度合いなど)をしっかり意識しておけばよい。

言葉を選ぶ難しさ-展開と統合-

昨日は渋谷に降り立った。
西口のこの方面は久しぶりになる。
目を向ければ、かつて目にした景色とは全く異なった空間が目に入る。あまりにも昔のことなので、いったいどんな街並みだったかは思い出せないが、もっと低い雑居ビルのようなものが並んでいた気がする。

経営品質の関係で岡本先生の主催するAAPに参加してきた。計4回のセミナーで昨日が最終回となる。
経営品質という枠組みにかかわらず、話し合いを円滑に進めるためにはお互いの使っている言葉の意味をすり合わせておく必要がある。

目標管理制度では「目標」という言葉を使うが、多くは何をもって目標と呼ぶかを定義していないために、単なる仕事の中身や作業を記載する例が見られる。
「月に一度の会議に出席する」などというのはどうやったら目標とできるのか理解に苦しむが、平然と掲げてくる人がいる。

目標と目的は何が違うのかも整理しておく必要があるだろう。

今回のシリーズでは、特に「展開」と「統合」が中心的な話題となった。
展開は、deployment。統合は、Integrate。という英訳が対応するとのこと。
経営革新の取り組みを組織内で浸透させてゆこうとしたときにどのようにしてゆくのかの概念でとらえることができる。
展開は主に横方向、統合は主に縦方向ということになる。

ただし、私の理解ではもう少し異なった視点で見ている。

経営をしっかり運営しようとした時には多くのシステムが必要になる。そのシステムをどのように作っていったのかに対する考え方が「展開」となる。システムや組織の作り方に関する視点となる。一方で、統合とは、そのシステムが妥当性を持ち有効であることを担保するためにどのようにしているのかが視点となる。ある意味では「一貫性」がキーワードとなる。

さて、このAAPの内容。自分だけの中にとどめておくのももったいない。
何かしらの整理をして報告したい。(と思っている)

 

参考

1.目的と目標の違い

目的:原則一つ。なりたい姿あるいは行き先。抽象度が高い
目標:目的達成のためにすべきこと。プロセス。目的のために複数設定される。

2.問題と課題の違い

問題:解決すべき事柄。解が求められる。具体性が必要。
課題:問題を解消するためにすべきこと。

3.能率と効率の違い

能率:時間当たりのアウトプット
効率:投資に対するアウトプット