戦略人事を考える


 

「戦略人事」という言葉はここ数年で突然表れた言葉ではなく、1990年代にはすでに使われていたと聞く。

戦略人事の語源は経営学における「戦略的人的資源管理論(Strategic Human Resource Management)」といわれています。戦略的人的資源管理論は1980年代から発展した経営学の1つの研究分野で、様々なことが議論されていました。
https://www.works-hi.co.jp/businesscolumn/personnel_strategy

Googleの生成AIによれば

戦略人事という言葉は、1990年代後半頃に使われ始めました。アメリカのミシガンビジネススクール教授であるデーブ・ウルリッチ氏の著書「MBAの人材戦略」の中で、経営における人事部門の重要性が説かれたことがきっかけです。

と表記される。

いずれにしろ、人事部門が採用・教育・配置、評価・報酬、制度設計といった業務の遂行部門ではなく、経営戦略の遂行に寄与し無くてはならないと言う論は古くからあったことになる。

では現在はどうなっているのだろう。
人事部門の人間的な側面(労働環境)ばかりを見ていても全体を理解することはできない。
このカテゴリー(人事部を取り巻く環境)では、人事部が要請されるミッションを理解するためにその政治的・経済的な環境を中心に整理するものである。

そうした議論の軸として「伊藤レポート」を題材の中心として投稿を行なう。
もちろんその他の資料も参照する。
主たる資料を下記に示す。(随時更新)

○「MBAの人材戦略」 デーブ・ウルリッチ
○「伊藤レポート」
「持続的成長への競争力とインセンティブ ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト
平成26年8月
○「伊藤レポート 2.0」
持続的成長に向けた長期投資 (ESG・無形資産投資) 研究会報告書
2017年10月26日
○人材版伊藤レポート
持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書
令和2年9月
○人材版伊藤レポート2.0
人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書
令和4年5月


注記;私自身
 私自身は、人事の専門家でもなく財務の専門家でもない。それでも、多くの企業の活動を見てきた経験がある。前提を儲けないで人事部門を見ることができる。そうした立場で、感じることをここに整理する。

注記:人的資本という言葉
 個人的には経営資源としての「人材」という言葉も「人的資本」という言葉も好きではない。ヒトは交換可能な部品でもないし、減価償却されるようなものでもない。純粋に経営のビジネスパートナーであると言う言葉がないのかと悩む。それでも、経営者からすれば企業価値を生み出すためのピースであることは確かであり、それをコントロールする概念としてJHRMがあることは仕方ないと割り切っている。