藤田嗣治

この春に訪れた秋田県立美術館を訪れるまでは正直あまり知らなかった。
直にその絵を見ると、息吹を感じられるような現実世界を切り取った迫力があるのに驚かされた。

家内は、こうした分野には造詣があり、すぐに藤田の乳白色の裸婦像や猫の絵、戦争画のことなどを話してくれた。
義父も、絵をたしなむ人で藤田についてもその画風に興味があり本などを収集していたようだ。
秋田県立美術館で藤田の絵を見たといったら、下記の本を貸してくれた。

上記は新書版ということもあり、手に取って読むには重厚かもしれない。
同じ本は文庫本でもあるので、そちらの方がよいだろう。

藤田が活躍した年代は、1910年頃を中心にパリでの活躍になる。ダリやルソーなど名だたる画家が活躍した時代だ。
そのなかで藤田の名声が確立してゆく過程は、その他の日本人画家にはない異彩を放っている。
結局藤田は「画家」であり、それ以外の何者でもない気がする。
そうした「画家」に対して日本人・日本社会がいかにさもしい態度をとってきていたのかを見せつけられる。

藤田の人間性を含めて好きになる。
藤田の絵を再び見てみたいと思う。

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