昨年の流れの中での外食産業のニュースだろう。
https://www.sankei.com/economy/news/200106/ecn2001060037-n1.html
幸楽苑が51店舗を閉店へ 全店舗の1割
閉店という話題であれば、「いきなりステーキ」が現在展開している国内489店舗(2019年11月時点)のうち、2020年春までに44店舗を閉店する方針をすでに発表している。
https://toyokeizai.net/articles/-/322315
この前後の記事などを合わせて読むと、単純に来店客数の減少があり、提供するサービスに対する評価が相対的に下がったことが原因ではないかと思う。そうした意味では、今後、サービスが変わらなければ浮上する理由は見つからない。
一方で、幸楽苑は事情が異なるのかもしれない。
会社のIR情報を見てみる。
https://hd.kourakuen.co.jp/storage/ir/attachment/%E6%8A%9C%E6%9C%AC%E7%9A%84%E6%A7%8B%E9%80%A0%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%81%AB%E4%BC%B4%E3%81%86%E4%BD%8E%E5%8F%8E%E7%9B%8A%E5%BA%97%E8%88%97%E9%96%89%E5%BA%97%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B_v3.pdf
抜本的構造改革に伴う低収益店舗閉店のお知らせ
この中での記載を抜粋すると以下のようになる。
2019 年5月 24 日公表の中期経営計画の目標を達成するため、低収益店舗の閉店や業態転換を通して、「収益重視型経営」(プロフィット・ドリブン)へ加速度的にシフトし、
●サプライチェーンの脆弱性への対処
台風19号の水害により、郡山工場が操業停止し、約250店舗への食材供給がストップ。
●人手不足
人手不足という業界を超えた課題へのひとつのソリューションとして位置付け
●構造改革
カニバリゼーションの解消による全体収益率の向上、物流網の見直しによるトータルコストの圧縮等、当社の抜本的構造改革の足がかりとなる施策
幸楽苑で提供するサービスに変化はなく、また急激な採算悪化ということは台風19号での影響を除けば見られない。一方で、「収益重視型経営」は個店ごとの収益性を見るということになるので、むやみな出店は避けるという戦略の切り替えだろう。
ただし、では従来はドミナント戦略をとっていたのかといえばそんな意識はないのではないだろうか。単に拡大路線をとっていたのかもしれない。
商圏を定めて収益性を計算するというのはマーケティングの基本になる。
いきなりステークは製品サービスの価値の再検討が必要なのに対し、幸楽苑はマネジメント戦略の見直しがキーになるだろう。さて、半年後くらいにどうなっているのか。
2020/01/07
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