《組織能力向上に向けての投資戦略》
イノベーションを起こすための投資が真剣に考えられているのか、本気でオープンイノベーションに取り組む気があるのだろうか。と言うことを考えさせられる記事を見た。
ホンダ、研究所を大幅縮小 四輪の開発機能を本社に統合
https://www.asahi.com/articles/ASN2J66YQN2JULFA003.html
取り上げているのは朝日新聞だけのようだ。基の情報を確認していないので詳しいコメントは出せないが、内容としては縮小は伴うものの再編というのが色合いとしては濃いようだ。とはいえ、イノベーションの投資を縮小しているように見える。
いったい企業は儲けたお金をどこに投資をしているのだろうか。
経営がゴーイングコンサーンを使命としているなら経営資源の循環と言うことにも目を配ってほしい。
研究開発投資を考えるためにはどんな資料があるのかを探ってみた。
◇平成28年度産業技術調査事業
研究開発投資効率の指標の在り方に関する調査(フェーズⅡ)最終報告書
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000779.pdf
この中に下記の指摘がある。
『日本企業の研究開発費は、従来から先進国の中でも最も高い水準を保っており、2020年でのGDP600兆円達成のためにも、研究開発投資の重要性が高まっている』
一方で研究開発効率は低異ことが指摘され、企業別でみると海外、例えばフォルクスワーゲンの95億ユーロに対し、トヨタがかろうじて70億ユーロとなっているが、本田技研などは50億ユーロと半分程度になっている。アマゾンなどの研究投資などは230億ドル(約250億ユーロ)と桁違いであり、おそらく、ファーウエイやFaceBookなども近い水準だろう。
研究開発投資額の大きい企業と企業価値評価にはギャップがある現状もが指摘されている。
では日本企業はどのような方向性で行くべきか。
いわゆる伊藤レポートを見てみる。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kigyoukaikei/pdf/itoreport.pdf
「持続的に成長している企業とはどのような企業か。その競争力の源泉は何か。」という課題に対し
『長期的な研究・技術開発によって蓄積された社内のリソースを、社外の知識・技術と
戦略的に融合させ、結合させるオープンイノベーションが、持続的なイノベーション
を起こすための方策として有効である。そのためには、日本企業はこれまでの自前主
義から脱却して企業連携、産学官連携をさらに積極的に推進する企業風土を醸成すべ
きである。』
と提言されている。方法論も含めて積極的な投資が求められていると理解している。当然、規模を大きくすれば良いというものではないが、かといって再編と縮小をむやみに縮小しても意味はない。
巨大な投資が必要になるが、投資を怠れば競争力もなくなってしまう。こういったときにこそリーダーシップが必要なのだと感じた。
Leave a Reply
コメントを投稿するにはログインしてください。