記事:新人を幹部候補に 民間版「キャリア組」育成制度 を読んで

新人を幹部候補に 民間版「キャリア組」育成制度
https://www.nikkei.com/article/DGXNZO65088780Z00C14A1XX1000/

日本たばこ産業(JT)は少数選抜の若手幹部登用制度を作り、ソフトバンクも新人抜てき制度を設けた。グローバル競争が激化する中、早期に有能な幹部候補を養成する。君は民間版の「キャリア組」になれるか。

で始まるこの記事は、2014年のものなので少し古いが、書かれていることは現在の問題にも当てはまる。

■企業経営者としての悩み
以前、経営者インタビューの分析をしたときに、共通の悩み事にグローバル人材と後継者問題が多かったと記憶している。企業がグローバル化する中で幹部育成が中々進まないことへの危機感が背景にあった。それはおそらく今も同じなのだろうと推測される。
2014年に遡っても、こうした問題意識はあり、昨今の経営者インタビューの記事でもあまり変わらない。ということは、この問題は、相変わらず解決されていないのだろう。

さて、当時のことを思い出すとグローバルレベルでの人材の買い負けがあったはずだ。要するに、当たり前の一括採用をしていると優秀な人材であっても高い給与設定ができない。これを解決するためには「幹部」という枠組みで高額にするという手段になるのだが、さて、これについてはあまり聴かない。あいかわらず金太郎飴のような初任給制度にしがみついているのだろうか。

■内定者にとっては
「貴方のやりたいことは何ですか?」などと間抜けな質問を今でも人事担当者しているんだろうか。二十歳そこそこの若造にそんなことが分かるはずはない。とりあえず「思いついたこと」をやらせれば良い。「貴方は幹部候補生になりたいですか?」と聴かれれば、「NO」とは云わないかも知れない。しかし適正までは分からないだろう。

将棋の奨励会の規定には「年齢制限 満21歳(2002年度以前の奨励会試験合格者においては満23歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となる。 」とある。

以前にとある番組で、この退会になった人の対談があったが、一様に「抜け殻」になると云うことを話していた。特定の目的を達成するために他を犠牲にしてきたツケだ。

自分を奮い立たせることが能力というならそうだが、経営者の向き不向きは別要素で決まる。対象は全員にして、順次チャンスを与えて行けばよい。と考える。

■人事にとっては
幹部候補生に対しそれなりの教育プログラムやキャリア支援をすることになるだろう。しかし、自分たちは幹部候補生でもなく、それを育てたことがない人に支援などができるのだろうか。ここでも試行錯誤が必要になる。経営者がここを理解していないと悲惨だ。

等と云うことをつらつらと。

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