世間に転がる意味不明:問題を混ぜるな(タクシー会社の経営とライドシェア)


■ライドシェア問題の本質

○ウーバー、ロンドンタクシーとの提携を発表 かつては激しい反発に遭遇
2023.11.29

新たな提携により、ブラックキャブの運転手はウーバーの配車サービスに参加できるようになる。

ウーバーのアプリ上にはブラックキャブをリクエストするボタンが表示され、タッチすれば料金の見積もりも確認できる。

タクシー業界との提携は昨年、米ニューヨークでも合意が成立していた。今ではパリやローマなど世界数十カ所の主要都市で、タクシー運転手がウーバーのサービスに参加している。

https://www.cnn.co.jp/business/35212115.html

問題はタクシー業界との対立といった経済的なことに焦点を当てていることが。
ライドシェアの問題の本質は

「IT技術による効率化とサービスの向上」

である。したがって、ライドシェアを最も推進すべきはタクシー業界である。
自らの会社の経営をライドシェを前提としたマネジメントの会社にするべきである。社員は会社に出社するに及ばず。(打ち合せなどの定期的な集まりは必要かもしれないが)、業務用の車両は有料で貸し出す。といった今とは異なる業態も可能であろう。

■まぜこぜの議論

ライドシェアに関して「タクシー事業の効率化」という視点を無視して、運転手不足、公共交通機関の維持の困難性、オーバーツーリズム問題、タクシー事業の規制、安全性などをまぜこぜに議論がされている。

○【国土交通省】「ライドシェア」解禁議論 タクシー業界は強く反発
2023-11-15

「地域交通の担い手不足や移動の足の不足といった深刻な社会問題に対応しつつ、ライドシェアの課題に取り組む」。岸田文雄首相は先月23日の所信表明演説で、ライドシェア解禁検討を表明した。

ライドシェアは、海外で米ウーバーなどのアプリを使ったサービスの普及例があるが、日本では「白タク」行為と呼ばれ道路運送法で原則禁止されている。ただ、コロナ禍で国内のタクシー運転手の約2割が離職。その状況下でインバウンド(訪日客)需要が急回復し、タクシー不足が各地で顕在化してきたことで、解禁を求める動きが広がった。

一方、全国ハイヤー・タクシー連合会は9月下旬の事業者大会で、「解禁を全力で阻止する」と決議。国の規制の下で多大なコストをかけて安全管理の責任を負うタクシー事業者が競争上不利になる事態を警戒し、「タクシー事業の根幹を揺るがす」と反発している。

https://www.zaikai.jp/articles/detail/3367

ウーバータクシーは
①あらかじめ目的地を設定する
②支払いは乗車前に済ませる
と言う特性があり、運転手も乗客も情報が明示される。公開されるかどうかはともかく、誰が、誰を、どこから、どこまで送る課と云うことが管理されれば、犯罪抑止につながる。

アルコールの呼気検査はいずれ義務化されるであろうし、自動車の整備については昔ならいざ知らず、現代では起こりにくい。「国の規制の下で多大なコストをかけて安全管理の責任を負う」自体が時代遅れだ。

■印象操作

よく、「犯罪」の問題が俎上に上がる。しかしこれは間違っている。
アメリカの犯罪率が問題視されるが、それがウーバーに依拠するという根拠はない。
日本国内で、白タクが犯罪の温床になっているという根拠もない。

「誰が誰を」ということが明らかであり、支払いが事前のクレジットで行なわれるのであれば、そうしたことが原因の犯罪は起こりえない。それでも犯罪が起きるとしたら「人の資質」の問題であり、ライドシェアの問題ではない。

規制が問題だというなら、それ改めれば良い。変化を嫌う人々に未来はない。

(2023/12/03)