未来への手がかり:スポーツビジネスの可能性(オリンピックの時代遅れ感)


都市型開催という部分最適ではなく、いつでもどこでもと言う全体最適を模索することが必要である。
オリンピック市場主義を辞めるべきである。

■なにげなニュース

○2038年招致もlゼロベース 札幌市長、冬季五輪厳しく
2023/12/01

国際オリンピック委員会(IOC)は11月29日、パリで理事会を開き、2030年冬季五輪の最優先候補地にフランスのアルプス地域、34年大会は米ユタ州ソルトレークシティーを選んだ。2030年冬季五輪の招致断念に続き、34年開催の可能性も消滅した札幌市の秋元克広市長は30日、焦点となる38年大会もスイスが有力候補となったことについて「かなり衝撃的な決定と受け止めている。ゼロベースで考えて行かざるを得ない」と述べ、極めて厳しい立場に置かれたとの認識を示した。

https://nordot.app/1103126171363984016

この記事は12月1日。すでに札幌へのオリンピック招致は無理だと言われていて、とっくに諦めていたのかと思ったら「ゼロベースで考えて」とまだ諦めていないと云うことに驚いた。

下記の記事を見る限りとっくにあきらめていたのだと思っていた。

○招致断念「また市民の声聞かず」 五輪賛否の住民投票目指す団体
2023/10/11

 札幌五輪・パラリンピック招致の賛否を問う住民投票の実施を求め、署名活動を実施している市民団体「札幌オリパラ住民投票を求める会」の高橋大輔事務局長(62)は11日、2030年大会の招致断念を受け「招致活動に続き、やめる時もまた市民の声を聞かずに判断した。招致を推進していた人にも失礼だ」と非難した。

https://nordot.app/1084787661514474403

行政の長の名誉の為や、一部の利害関係者の利益だけを考えた活動に税金を投入するという感覚は目を覆いたくなる。

直近では「大阪万博」だろうか。今なら引き返せるのだから辞めた方が良いと言うのは「東京」に暮らすからだろうか。

■見捨てられる札幌オリンピック

しかし、地元の盛り上がりが凄いかと云えばそんなことはなさそうだ。

○市民の7割、賛から否へ 機運再醸成は難しく―2030年冬季五輪・しぼむ札幌招致(上)
2023年09月14日

2030年冬季五輪・パラリンピック開催を目指す札幌市の招致活動が停滞している。当初は「本命視」されていたが、21年東京大会を巡る汚職・談合事件が昨年発覚したのを機に、市民や国内の機運はしぼんだ。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023091400450&g=spo

市民から見捨てられたオリンピック招致は意味があるのだろうか。

■IOCからも見限られている

本音と建て前は別としても、クリーンなイメージを保ちたいIOCは日本ともう距離を置きたいのではないだろうか。これほど不祥事が暴露される国はし尿がおけないと判断していないだろうか。

○五輪汚職事件 AOKI前会長ら3人 執行猶予付き有罪判決 東京地裁
2023年4月21日

東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約などをめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事に賄賂を渡した罪に問われた紳士服大手「AOKIホールディングス」の前会長ら元幹部3人に東京地方裁判所は執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230421/k10014044671000.html

○馳知事の機密費発言、自民が苦言 議会後にはパーティー券問題も言及
2023年12月6日

6日の12月石川県議会で、最大勢力の自民党会派が代表質問に立ち、馳浩知事の東京五輪招致に関する「機密費贈答発言」に苦言を呈した。

https://www.asahi.com/articles/ASRD65T47RD6PISC002.html

正直に考えれば、巻き込まれたくないと言うのがIOCの立ち位置であれば、日本でオリンピックが開催されることは無いだろう。もっとも、50年後にどうなっているかは知らない。

■アスリートファーストは間違っている

アスリートを無視して良いと言うことではない。スポーツの振興もイベントの継続性もないがしろにして「開催する」ことだけが目的になっていることが間違っている。「開催」は単なる手段である。目的は「スポーツが市民の生活の一部になること」である。

そのためには、身近な場所でいつでもスポーツの観戦が楽しめる場所を作ることである。わたしがエスコンフィールドを評価するのはそうした意味においてである。

おそらくは、イベントマネジメントやスポーツマネジメントのノウハウは蓄積され始めており、専門の会社も存在するであろう。現在、ボールゲームとしては「野球」「サッカー」「バスケット」「ラグビー」などが徐々にメジャーになりつつあり、「バレー」「バトミントン」が続く。「ゴルフ」や「テニス」なども賞金額が大きくテレビなどでも取り上げられるスポーツになっている。

冬季オリンピックに関連して云えば「アイスショー」などはエンターテイメントの分野になりつつある。

イベントとして「ワールドカップ」などの国際大会も注目を集める。

こうした開催を、自分の収める自治体だけで独占する発想を辞めるべきである。日本中で巡回して「いつでも」なにかのスポーツを楽しめる環境を作るべきである。

オリンピックとは手を切ろう。

(2023/12/08)