■ロボットアニメの不思議
こどもの頃見ていた「鉄人28号」は、棒が二本だけついたリモコンで複雑な動きをコントロールしていた。「ジャイアントロボ」は「行けジャイアントロボ」と云うだけで敵と戦っていた。ガンダムですら、ペダルと操縦桿だけで複雑な動きをしていた。
考えてみれば不思議である。
最も、「ゼルダの伝説」を遊ぶと、二本の上スティックと、方向ボタンだけでほとんどの操作が自動で行なわれる。おそらくは、状況に応じて最適な動作がプログラミングされており、操作者は示された行動からボタンで選択するのだろう。
こうしてみると、ロボットとAIと適切な操作者がいれば、上記のような「行けジャイアントロボ」は夢ではないだろう。
今すぐできるわけではないが、時代の趨勢はそちらに向かっているような気がする。
■先行する建設・土木・交通分野
「2024年問題」とこれによる「人手不足」は、単純労働者だけでなく技能者自体の不足も引き起こし、特に3Kの要素が含まれる業務の従事者に事欠く事態になっている。これに対応するために「DX化」「ロボット化」は否が応でも進まざるを得ず、そうした取り組み加速していると思われる。
○「涼しいオフィスで重機を操作」建設業界=3Kは過去 人手不足解消の切り札に?
2023/09/05
高齢化や人手不足が深刻化する建設業界を「重機の遠隔操作」で救おうとしている企業がある。
兵庫県神戸市のとある企業の敷地内で動いている重機。しかし、操縦席に人の姿はない。なんと、神戸から遠く離れた東京から遠隔操作しているという。
「実際に乗って操作するのと同じ状況を再現しているので、(重機に)普段乗る方であれば普段通り操作可能」(以下、コベルコ建機・新事業推進部 佐伯誠司部長)
https://times.abema.tv/articles/-/10094033
○タワークレーンをロボットで遠隔操作 建設業界の人材不足など課題解決へ
2023/09/28
東京・千代田区にある東京国際フォーラムで100社以上の企業や団体によるデジタル技術の展示会が開かれました。
なかでも注目を集めていたのは、ビル建設などで使われるタワークレーンを遠隔で操作できる「TawaRemo」というロボットで、建設業界の人材の減少や安全性の確保などの課題解決に導いてくれるということです。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000317729.html
○JR各社の「保守革命」、作業ロボット開発の現在地
人型ロボは実用化目前、リニア新幹線向けも
2024/01/08
労働力人口が減少する時代において、人間の手で行う鉄道の保守作業をロボットが行う日がいよいよ近づいている。
鉄道各社が開発にしのぎを削る中、人型というインパクトのあるロボットを開発するのがJR西日本だ。ロボットベンチャーの人機一体、大手鉄道信号メーカーの日本信号と共同で、鉄道工事用車両に人型重機ロボットを融合させた多機能鉄道重機の実用化を目指す。
https://toyokeizai.net/articles/-/725933
○NECとNXHDがフォークリフトの自動化「後付け」で実現。2024年物流問題を見越し、人手不足解消狙う
Aug. 28, 2023
フォークリフトを操作する人が複数拠点に対応できるようになり、稼働効率が上がることが期待できる。また、そもそも倉庫内は労働環境が過酷だ。夏は密閉された空間でクーラーも効きにくく、中には倉庫自体が冷凍庫のように寒いこともある。フォークリフト操作者の労働環境を改善する上でもメリットがある。
https://www.businessinsider.jp/post-274474
■日常への浸透
「アイ・ロボット」という映画が作られたのは2004年、いまから20年前である。人が行なう多くの活動を代わりにロボットが行なう党世界であり、鉄腕アトムの「プルート」の一シーンで出てくる火事ロボットと重なる。
こうした人ができることをロボットで代替する動きは少しづつ浸透して行く。それがヒトがすべきかという議論とともに。
○人か、ロボットか 「餃子の王将」と「大阪王将」が異なる一手 厨房で起きている見過ごせない変化
2023年09月12日
餃子をメインとする代表的な中華チェーンの「大阪王将」と「餃子の王将」で今後、調理の過程が大きく異なっていく可能性が高まっている。大阪王将では、人力に頼っていた調理を代行する、TechMagic(東京都江東区)が開発した調理ロボット「I-Robo」の導入が決まった。一方、餃子の王将では、あくまで人力による調理を追求。店員の調理スキルを磨くべく「王将調理道場」を開設している。機械化によってプロと遜色ない調理を目指す大阪王将に対して、餃子の王将は職人の養成に重きを置いている格好だ。
人手不足に悩む飲食業界では、日本語がおぼつかず、業務遂行も未熟な外国人に店舗運営を任せざるを得ないケースも目立ってきている。限られた人員で、どうすれば安定した料理を提供し続けられるのか。各社で取り組みが始まっているのだ。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2309/12/news085.html
しかし、この流れは今後も続くであろう。要素技術の開発は確実に進んでいる。
○社食に「調理ロボット」登場 深刻な“人手不足”に食品メーカーが対策
2023年9月5日
キユーピーの社食に登場したのは、サラダの自動盛り付けロボットです。レタスやクルトンなどおよそ10種類の材料をロボットが自動で計量。次々とサラダボールにのせていきます。
食品工場ではこれまでのロボットでは調味料などの計量をグラム単位で誤差無く行うのは難しく、人の手で行っていました。キユーピーは将来的にこうした新たなロボットを工場などに導入し、人手不足を補いたい考えです。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/703061?display=1
■あらたなビジネスチャンス
こどもの頃見ていたアニメの世界は実現可能かもしれないと思わせるほどこの50年の技術の進歩は驚く。新たなビジネスを創造するのに垣根を作ることは避けた方が良いか。
○未知の環境に最初のインフラを作る…土木と宇宙をつなぐロボット技術の今
2023年09月09日
宇宙開発も運べる重量が限られる。小型ロボが連携して不確実な環境で施工する。そのために必要になるのが動的協働システムだ。東大の淺間一教授らはロボットがチーム編成し直す自律分散システムを開発した。バックホーがリーダーとなり、複数のダンプを従えるチームを作る。施工が計画よりも遅れたら、他のチームと交渉してダンプを分けてもらい、施工能力を上げる。人間は個々のロボやチーム、それぞれの単位で指示管理する。
これは一人称視点のアクションゲームのように建設ロボを操縦してきた業務を、建設現場のシミュレーションゲームに変えるようなインパクトがある。永谷特任教授は「機体やチームの階層を行き来しながら状況に対応できる」と説明する。
「宇宙の時代」が絵空事でない時代が狭って来ているのかもしれない。
(2024/01/11)