■安全対策
近年の異常気象の中、夏場の暑さ対策は命に関わるために多くの企業は自主的に対応している。特に屋外作業や、空調のおけない工場内などは従業員にとっては死活問題であろう。
建築現場などでは、十分な安全対策を施さなければ暑さでの判断の間違いや、行動自体が不安定になりかねない。そうでなくとも高所作業は危険であり、事故は絶えない。
○ 東京・台東区のマンション新築工事現場で男性作業員(70代)が転落し死亡
2025年3月7日
午前7時30分ごろ、台東区清川のマンションの新築工事現場で、「作業員の男性が足場から落下した」と近くにいた男性から119番通報がありました。
警視庁によりますと、70代の男性作業員が作業していた6階部分から1階部分へと転落したということです。男性はその場で死亡が確認されました。
男性は当時、9階建てマンションの新築工事現場の6階部分で、ひとりで作業していたということです。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1775925?display=1
「死んだ人間は生き返らない」事を理解していない経営者は働く人の健康と安全を守る義務があると言うことを忘れているのではないかと危惧する。
劣悪な労働環境への忌避や、会社が健康をないがしろにしているという労働者の不信感は結局のところ社員の離脱や人員確保の困難さをもたらすことになるだろう。
健康と安全をないがしろにして良い話ではない。
■踏み込んだ記事
下記の記事を見ると、熱中症対策に踏み込んだ法令であり、気候変動による気温上昇や熱波の頻発など、環境要因の変化が無視できなくなったのだと思う。
○ 企業の熱中症対策、厚生労働省が罰則付きで義務化へ…初期症状の放置で重症化と判断
2025/03/12
職場での熱中症の重症化を防ごうと、厚生労働省は12日、企業に環境整備などの対策を罰則付きで義務づける方針を決めた。熱中症による労働災害の深刻化が背景にあり、症状が出た労働者を早期に発見し、適切な対処を促す狙い。同省は労働安全衛生法の省令を改正し、6月には義務化を始めたい考えだ。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20250312-OYT1T50159/
関連記事などからは以下の記述も見られる。
「労働安全衛生規則の改正で熱中症対策が義務化された背景には、労働者の健康と安全を守る必要性が高まっていることが挙げられます。」
実際の法令で罰則規定がどうなる釜ではまだ分からない。
しかし、近年の人手不足と言うことに真摯に対応するならば、彼らが快適で安全に働く環境を整備することは必須であろう。
まずは下記の要件があると言うことを理解しておいた方が良い。
・熱中症の自覚症状がある作業者や、熱中症の恐れがある作業者を見つけた者が、その旨を報告するための体制(連絡先や担当者)を事業場ごとに定め、関係作業者に周知すること。
・作業からの離脱、身体の冷却、必要に応じて医師の診察や処置を受けさせること、緊急連絡網や緊急搬送先の連絡先および所在地等の手順を事前に作成し、関係作業者に周知すること。
働く人は、経ることはあっても増えることはない。と言うことが常態化していることを理解すべきであろう。
2025/03/22