世間に転がる意味不明:2024年問題は解決したのか(3.ライドシェアと自動運転バスの違い)


世間に転がる意味不明:2024年問題は解決したのか(3.ライドシェアと自動運転バスの違い)

注記:今回は生成AIからの引用が主になる。

■はじめに

2024年当初の人手不足問題がクロースアップされ、その中でバス運転手やタクシードライバーの不足の問題があった。バズの運転手不足の問題は金剛バスの廃止などが契機になり自動運転などの取り組みが進められた。タクシーに関しては、特にオーバーツーリズムの問題と併せてライドシェアの展開として話題に上った。
しかし、最近ではこうした問題に関しての報道をみなくなった。はたして2024年問題は解決したのだろうか。こうした視点で、現時点(2025/06/01)で整理できる範囲でまとめてみたい。論点は数多くあるので、連作とする。「2024年問題は解決したのか(n.***)で表記する。
なお、文章作成にあっては生成AIとの質問と回答の繰り返しで得た情報を利用している。
ここに書かれていることを鵜呑みにせず、自分でも調べてほしい。

■所感

前2回において、ライドシェアと自動運転バスの置かれている状況を見てみた。
ライドシェアは民間ビジネスであり収益性を挙げなければ維持は難しく課題がありそうであり、今後の伸長も難しいと感じる。一方、自動運転バスは本格的な商用ベースに乗せるにはまだ解題が多いものの、長期的な支援が見込まれるために今後に期待できる。

しかし、ライドシェアも自動運転バスも国や自治体が大きく関わっている。にもかかわらず施策の方向性が異なるのはなぜなのか。

これについては、しっかりと調査をしていないしよりどころとなる資料も分からない。
多分に安易ではあるが、生成AI(Gemini)を頼りに調べてみた。
下記に引用する。

▶「ライドシェア」に対する国の姿勢と施策

1.自家用車活用事業」(いわゆる「日本版ライドシェア」)について

原則禁止からの部分的な解禁: 2024年4月から、タクシーが不足している地域・時期・時間帯に限定し、タクシー事業者の管理の下で、自家用車と一般ドライバーを活用した有償運送サービス(自家用車活用事業)が開始された。これは、これまでの「白タク」行為として原則禁止されてきた状況からの大きな転換点になった。

タクシー業界保護との両立: 国は、タクシー業界の安全・サービス水準維持と、運転手不足による移動手段の確保という二律背反の課題を両立させようとしている。そのため、「タクシー事業者の管理下」という条件を設け、安全確保(ドライバーの教育、運行管理、車両整備管理)や運送責任をタクシー事業者に負わせています。運賃もタクシー運賃と同額が原則。

「交通空白」解消の喫緊の課題への対応: 政府は、タクシー不足が喫緊の社会課題であると認識しており、この「日本版ライドシェア」をその解決策の一つとして位置づけている。
財政的な支援:

自動運転のような大規模な研究開発や車両購入への直接的な補助とは異なり、「日本版ライドシェア」自体への直接的な大規模な財政支援は明確には公表されていない。しかし、自治体によっては、ドライバー確保に要する費用などの補助を実施している例もある(例:福井県越前市での取り組み)。これは、地域公共交通の維持・活性化という広範な枠組みの中で、間接的に支援が行われていると見なせるかもしれない。
また、国土交通省の「交通空白」解消本部が、各地での日本版ライドシェアの導入状況やマッチング率の改善状況をモニタリングし、制度の運用改善(利用可能時間帯の拡大、台数制限の緩和など)を不断に行うことで、事実上の支援を行っている。
バス・鉄道事業者による日本版ライドシェア参入の検討も進められており、2025年度には一部規制緩和によって先行トライアルが開始される予定。これは、既存の公共交通事業者が効率的にこの制度を活用できるよう、制度面からの支援と言える。

2.「公共ライドシェア」(自家用有償旅客運送)について

これは以前から存在していた制度で、バス・タクシー事業が成り立たない地域における輸送手段の確保が必要な場合に、市町村やNPO法人などが自家用車を用いて提供する有償運送サービスです。「交通空白地有償運送」と「福祉有償運送」の2種類がある。
住民の「足」確保のための重要な手段として位置づけられている。

財政的な支援:
地方公共団体が実施する自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)に対しては、地域公共交通確保維持改善事業費補助金の一環として補助対象となる場合があります。これは、地域公共交通全体を支援する枠組みの中に含まれている。

(中野の所感)
議論の中核は、既存の枠組みの中での交通問題の解決のアプローチになる。その中核の文脈には、「タクシー業界」という利益団体があり、そことの調整ごとのように見える。こうしたアプローチにおいては、既存の条件が手足を縛るようになり、本来の目的(地域住民の脚をどう確保するのか)は後回しになる恐れがあり、実際そうなっている。

▶ 自動運転との政策的な位置づけの違い

《自動運転(レベル4)》

国家的戦略、技術革新、未来への投資としての位置づけが強い。
長期的な社会課題の抜本的解決を目指し、交通事故削減、ドライバー不足の根本解決、新たな産業創出といった高い目標を掲げている。そのため、法制度の先行的な整備、SIPのような大規模な研究開発予算、高額な実証実験への直接補助など、国が積極的に資金とリソースを投じて推進している。

《ライドシェア(特に「日本版ライドシェア」)》

喫緊のタクシー不足問題への「対症療法」的側面が強い。
既存のタクシー産業の枠組みを大きく変えずに、限定的な形で供給不足を補うというアプローチ。法制度の改正も、既存の法律(道路運送法)の運用改善や、特定の条件を付加する形で行われ、新たな法整備には慎重な姿勢が見られる。
財政支援も、直接的な技術開発補助というよりは、既存の公共交通維持のための補助金の一部として、または運用改善のための支援という形が中心。

タクシー運転手不足の深刻化に伴い、特に「日本版ライドシェア」については、国(国土交通省、デジタル庁など)が主導して制度設計・運用改善を進め、実質的な支援を行っている。 その目的は、自動運転が実用化されるまでの間、あるいは自動運転が導入されない地域において、国民の「移動の足」を確保するという、より現実的かつ喫緊の課題への対応に重きを置いていると言える。したがって、自動運転のような「未来への大規模投資」とは異なるアプローチですが、国が積極的に関与していることは間違い無いと言える。

▶ 「ライドシェア」が対処療法的に見える理由

《政策目的の「短期性」と「限定性」》

ライドシェア(特に日本版ライドシェア)の導入目的:
主に、タクシー不足という喫緊の課題への対応です。特に、外国人観光客の増加や、地方での過疎化・高齢化によるタクシー運転手不足で生じた「交通空白」を埋めることが最優先。

対処療法の意味合い:
これは、即効性のある供給力増強策であり、根本的な原因(例:運転手の労働条件の魅力不足、業界全体の構造問題)を抜本的に解決するというよりは、目先の「移動できない」という問題を解消する側面が強い。運行地域、時間帯、時期、そしてタクシー事業者の管理下という制限が設けられているのも、あくまで不足を補うための限定的な措置であることを示している。

《既存産業(タクシー業界)との調整》

強い既得権益と規制の歴史:
日本のタクシー業界は、長年にわたり手厚い規制(需給調整、運賃規制など)によって守られてきた。これは、国民の安全確保やサービスの質維持を名目としていたが、同時に新規参入を抑制し、既存事業者の経営を守る側面も持っていた。

「白タク」規制の存在:
道路運送法で、自家用車による有償運送は原則として「白タク」として禁止されてきた。この法的・歴史的な背景から、ライドシェアの全面的な解禁には、タクシー業界からの強い反対があり、政治的な調整が極めて困難だった。

対処療法の意味合い:
今回の「日本版ライドシェア」は、タクシー業界の理解を得るために、「タクシー事業者の管理下」という枠組みを設け、業界の既得権益に配慮しつつ、部分的に導入するという妥協点として出発した。これは、抜本的な自由化ではなく、あくまで既存の枠組みの中で問題を解決しようとするアプローチであり、この点でも「対処療法」的に見えることになる。

《安全・品質管理への懸念》

海外のライドシェアサービス(Uberなど)で問題となった、一般ドライバーの質、事故時の責任、犯罪リスクなどに対する懸念が根強くある。

対処療法の意味合い:
「タクシー事業者の管理下」とすることで、タクシー業界が持つ安全管理や運転手教育のノウハウを活用し、これらの懸念を払拭しようとしている。これは、ゼロから新しい安全基準を構築するのではなく、既存の仕組みを利用してリスクを管理するアプローチであり、これもまた対処療法的に映る理由の一つ。

▶「交通問題」という点での違い

自動運転(レベル4)とライドシェアは、同じ「交通問題」を扱うものの、その根本的な解決目標とアプローチが異なる。

1.目指す「社会」のビジョン:

《自動運転》
・長期的な「未来のモビリティ社会」の創造を目指す。究極的には、交通事故ゼロ、渋滞ゼロ、環境負荷ゼロ、そして「モビリティディバイド(移動格差)ゼロ」といった、社会全体のあり方を変える壮大なビジョンが背景にある。
・技術革新によるゲームチェンジ: AIやセンサー技術の進化が、交通システム全体を根本から変革し、人間の運転ミスや労働力不足という問題自体を無効化することを目指している。

国家戦略: 産業競争力の強化、新たなビジネスモデル創出、都市・地方の活性化など、経済成長戦略の柱として位置づけられている。

《ライドシェア》
・既存の交通システムを補完・強化することを目指す。目指すのは、「すぐに移動できない」という現状の不便さの解消であり、交通システム全体を抜本的に変えるというよりは、穴埋めや効率化の側面が強い。
・既存リソースの活用:  未活用である自家用車や一般ドライバーという「リソース」を、既存のタクシー業界の枠組みの中で活用することに主眼が置かれている。
・労働力不足への短期的な手当て: 主に、タクシー運転手不足という労働力不足問題に対し、迅速な解決策を提供することを目的。

2.課題解決のスケールと持続可能性:

《自動運転》
スケーラビリティの可能性: 一度技術が確立されれば、理論上は広範囲に、そして恒常的に導入が可能で、長期的にはコストも大幅に削減される可能性がある。人件費という根本的な課題を解消できるため、持続可能な交通手段となり得る。
普及には時間がかかる: 技術開発、法整備、社会受容性の醸成、インフラ整備など、社会全体での導入にはまだ時間と巨額の投資が必要。

《ライドシェア》
即効性はあるが、スケーラビリティに限界: 短期的な供給力増強には寄与しますが、ドライバーの確保、運行管理の複雑さ、既存業界との調整など、大規模かつ恒常的なシステムとして運用するには、現在の日本版ライドシェアの制度では限界がある。

「人」に依存する構造: 根本的なドライバー不足の解決にはならず、一般ドライバーの供給に依存するため、根本的な労働力不足問題の解決にはつながりにくいという側面がある。

このように、「ライドシェア」が対処療法的に見えるのは、政府の政策目標が「喫緊の足の確保」に絞られ、既存業界への配慮を最優先した結果、抜本的な自由化や未来志向の変革よりも、現状の課題を限定的な手段で解決しようとしているからだと言える。一方で自動運転は、より長期的な視点で、社会全体の変革を目指す国家戦略として位置づけられてる。

■ふたたび 所感

生成AIに対し、連続して様々な視点で問い掛けると、その内容が正しいかどうかはともかく、問題の焦点が見えてくる。上記については、その裏付けとなるデータや資料を確認しているわけではない。それでも、なるほどと感じるのは、ライドシェアはタクシーの利用者や地域の特性などよりも「タクシー会社の都合を優先している」用に見える背景を説明できる内容であると言うこと、そして「自動運転バス」は、空苦はこれからの潮流になってゆくだろうと言うことである。

片方は、「人の手」を中核に据え、もう片方は「無人」を中核に据えていることは象徴的である。

2025/06/03