世間に転がる意味不明:2024年問題は解決したのか(6.結局解決したのか)


世間に転がる意味不明:2024年問題は解決したのか(6.結局解決したのか)

■はじめに

2024年当初の人手不足問題がクロースアップされ、その中でバス運転手やタクシードライバーの不足の問題があった。バズの運転手不足の問題は金剛バスの廃止などが契機になり自動運転などの取り組みが進められた。タクシーに関しては、特にオーバーツーリズムの問題と併せてライドシェアの展開として話題に上った。
しかし、最近ではこうした問題に関しての報道をみなくなった。はたして2024年問題は解決したのだろうか。こうした視点で、現時点(2025/06/01)で整理できる範囲でまとめてみたい。論点は数多くあるので、連作とする。「2024年問題は解決したのか(n.***)で表記する。
なお、文章作成にあっては生成AIとの質問と回答の繰り返しで得た情報を利用している。
ここに書かれていることを鵜呑みにせず、自分でも調べてほしい。

■供給側の問題は解決されていない

2024年問題としてのタクシー運転手の不足の問題やバス運転手の不足に伴う減便問題は解決したのだろうか。

○タクシー業界:人手不足は依然として深刻
下記が指摘されている。
タクシー業界では、ドライバーの高齢化や若年層の採用難が続いており、人手不足が深刻な状況。特に地方都市では、公共交通機関の代替手段としての役割が大きく、ドライバー不足が地域の移動手段に影響を及ぼしている。業界では、労働条件の改善や女性・若年層の採用促進、デジタル技術の導入などの取り組みが進められているが、抜本的な解決には至っていない。
ただし、スマホアプリ配車の普及、キャッシュレス決済、車外&車内ドライブレコーダーの設置、運行管理システムのDX(デジタルトランスフォーメーション)化などにより、働きやすさは改善してきており女性ドライバーも増えているという指摘もある。

○バス業界:応募者減少と高齢化による人手不足
下記が指摘されている。
バス業界でも、運転手の高齢化と新規応募者の減少が問題となっている。特に地方路線では、採算性の低さから運行本数の削減や路線の廃止が進んでおり、地域住民の移動手段確保が課題となっている。労働環境の改善や待遇の見直しが求められているが、即効性のある解決策は見出されていないのが現状。
自動運転の高度化は、多くの操作をコンピュータで代替し、これを監視することを人間がするという役割分担を促すものであり、運転手という専門技術が無くても従事できることは関わる人の裾野を広げることになり、解決の糸口になるかもしれない。

各業界でさまざまな対策が講じられているものの、2025年6月時点で人手不足の問題は解決されているとはいえない。労働環境の改善や待遇の見直し、デジタル技術の導入などが進められているが、業界全体の構造的な課題が根強く残っている。今後も、持続可能な人材確保と労働環境の整備が求められる状況が続くと考えられる。

こうしたトラフィックの専門技術者の不足は関連団体全体での問題となる。

○長距離輸送業界:2024年問題の影響と対策
2024年4月に施行された「働き方改革関連法」により、トラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に制限された。これにより、長距離輸送の運行回数が制限され、ドライバー不足が一層深刻化している。業界では、労働環境の改善や教育体制の整備、荷役作業の機械化、モーダルシフトの導入など、さまざまな対策が講じられているが、根本的な人手不足の解消には至っていない。

■忘れられがちな交通弱者

さて、元々のタクシードライバー不足やバスの減便の根本の原因は、「利用者の減少」である。あるいは利用者の安定供給である。確かに、有名な観光地では永続的にタクシー利用者はいるかもしれないが、そうでない地域では利用者時間によって偏在する。

先日訪れた地方都市では、訪れたのが昼間と言うこともあるだろうが、利用者もおらず駅のタクシープールで所在なげに佇んでいるタクシードライバーが見受けられた。私が住むこの地域も日中はタクシーが余っている。

早朝などの特定の時間帯に利用者がいてもタクシーを遊ばせておかざるを得なければ経営は立ちゆかなくなる。地方の電車が廃線の聞きにあるのも同じ理由だろう。

ライドシェアやバスの自動運転の誤論では「交通弱者」の話があまり前面に出ない。
交通弱者とは何か。
個人の属性として言えば、自家用車(免許)を持たない/持てない人々、あるいは、ハンディキャップ(視覚障害者、車椅子利用者、妊婦など)を持つ人々などが挙げられる。
また、地域特性としては

①過疎地域・中山間地域:
・公共交通機関の衰退/不在: 利用者減少による路線廃止や便数削減で、移動手段が自家用車に限られがち。
・地理的制約: 坂道、雪深い地域、入り組んだ地形などが移動を困難にする。
・生活圏の分散: 病院、商店、役場などが遠隔地に分散し、移動距離が長くなる。
②地方都市の郊外:
・中心部から離れると公共交通機関が手薄になり、自家用車がないと生活が成り立ちにくい「クルマ社会」型の構造。
③都市部(一部のエリア):
・交通機関が発達している一方で、駅やバス停までの距離が遠い、細い路地が多く移動しにくい、バリアフリーが不十分な場所があるなど、特定の地域特性による移動困難。

などが上げられる。
既存の法律や枠組みだけで解決策を考えていても解決できない。
バスを走らせることしか考えていない、あるいはタクシー運転手の不足しか考えていないと、「解決」への視座が間違う恐れがある。

何のための交通政策なのかを問い直す必要がある。

2025/06/09