戦略人事:AI・ロボティクスとリストラ(1.「知力」という新たな能力)

戦略人事:AI・ロボティクスとリストラ(1.「知力」という新たな能力)

※少し断片的な記事になるので思いついたまま記載。同じテーマで少し長い連作になる。

■ AIの利用の拡大

ここ1,2年でのAIの進化は目を見張るものがある。それはかつて「エキスパートシステム」と呼ばれていた時代では限られた分野での適用だったものが、意思決定に関わる多くの分野にまで拡張されてkている。

○三菱UFJ、中期経営計画たたき台に生成AI 世界の競合を分析
2025年7月7日

三菱UFJフィナンシャル・グループは中期経営計画の策定で人工知能(AI)を活用する。経営環境の分析やライバルの動向に関する情報収集など膨大な作業を自動化し、業務の効率化につなげる。経営の方向性や大枠は経営陣が議論して決める。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB24AUV0U5A620C2000000/

中期経営計画は、企業の戦略と対になるもであり、経営トップの関わりは重要
である。しかし、組織を取り巻く状況を整理し、リスクを判断し、具体的な数値目標に落とし込む作業は経営企画室などの専門部隊が行なうことが多いだろう。

こうした、情報収集や戦略の文脈づくりをAIが行なうとしたら、生産性は向上するだろう。こうした分野へのAIの適用は必然である。

■ 新たな「能力」への要請

しかし生成AIが出力するものは、推論なども混在し、「正解」ではないばかりではなく、「誤謬」もまざるリスクがある。こうしたアウトプットに対し適切な判断をする為には、知識と言うよりは、「常に疑う」コトも必要である、それは「知力」世呼ばれるものではないのかと感じている。

クリティカルシンキングに近いのだが、以下のような行動をとれる資質が求められる。

・情報を受け取ってもすぐには信じない(即時反応を避ける)
・出典・前提・文脈を検証する
・一見もっともらしい論理の「ほころび」を見つける
・逆の視点・仮説を立てて、検証する
・判断を一時保留する「未定性」に耐える

こうした事は、確かに「知識」や「経験」が生かされる場面ではあるがそれだけではない。いわゆる「知能」ではなく「知力」と呼ぶスキルであると信じている。それは

・自ら問いを立てる力
・観察と内省の継続する力
・複数の可能性に気がつく知性
・感情や立場に左右されない判断力

なども求められる。
しかし、こうした「知力」を測る手段もなければ、当然向上させるための「研修プログラム」もない。「クリティカルシンキング」の研修を受けたとしても、その効果は測定できない。

しかし、企業は社員に思考方法を変えることを促すことはできるし、そのための環境も作れる。3Mの15%ルールではないが、社員に常に問い直す習慣を付ける環境を整備することは可能であろう。下記のトレーニングを毎日続けることには意味がある。

① 「問い」を持ち込む
AIが出したアウトプットに「なぜ?」「本当に?」「他に可能性は?」と問いを立てる
例:「この分析は、誰の立場から見た“正しさ”なのか?」

② 「反対仮説」を仮定してみる
わざと逆の立場に立って、矛盾点や盲点を洗い出す
例:「この戦略が失敗するとすれば、どこで破綻する?」

③ 「誰の目線か」を切り替える
顧客・株主・競合・新卒社員など、視点を変えると判断軸が揺らぐ
AIの出した答えが、どの立場に偏っているかが浮き彫りに

④ 「未確定・グレーゾーン」を意図的に探す
はっきり「Yes」「No」で答えていない部分に知的作業の余地がある
例:「この“世界の競合”とは誰を指す? どの市場か?」

⑤ 「時間軸」を伸ばしてみる
目先の分析だけでなく、3年後・5年後にどうなるかを想像する
長期的視点は知力の象徴的な働き方(即物的欲求と切り離す)

考えてみて欲しい。

2025/07/23