未来への手がかり:「そうだ、星を売ろう」の想起(ローソンの車中泊サービス)


■旅の姿

○ 「ホテル高いな…そうだ、ローソンに泊まろう!」 コンビニの「車中泊施設」参入が”納得”の理由と、乗り越えるべき2つの重大課題
2025/07/19

コンビニ大手「ローソン」に、泊まれるようになった。といってもホテルを始めるわけではなく、駐車場の空きスペースを、車中泊施設(RVパーク)として転用するというものだ。

諸々のデータを見る限り、車中泊のニーズはコロナ禍を境に激増している。

車中泊に向いたキャンピングカーは2016年の10万台程度から2024年には16.5万台まで増加し、道の駅や公園などのRVパークにクルマを停めて宿泊できる「車泊サービス(RVパーク)」(トラストパーク株式会社が展開)は、利用者がコロナ禍前の12倍(1071件→1万3234件)まで激増しているという。

https://toyokeizai.net/articles/-/891574

高度成長期。お金など無い身としては、電車で移動であれば無人駅で野宿をしたり、車を持っていれば、どこかで車中泊などは当たり前であった、風呂などは、けっこう人が集まる所には銭湯があり、農家を少し手伝えば食べ物ももらえた。

しかし、今はそういう時代ではない。
コンビニでの車中泊は、トイレや食べ物などは心配しなくても良く、オートキャンプより利便性・安全性が高いかもしれない。

■事業の評価

このローソンの「車中泊事業」の評価はどのようなものなのかと調べたら、

・ローソンは2025年7月14日から、千葉県内の6店舗で「RVパーク」の実証実験を開始しました。日本RV協会やグローリーと連携し、店舗駐車場を車中泊スペースとして提供する取り組みです。(Impress Watch、東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/891574

7月14日時点での反響は予想以上に好調で、開始から約3週間で120組を超える予約を獲得。週末の稼働率はほぼ100%に達しているとのことです。(おトクらし https://otokurashi.jp/convenience-store-car-camping-lawson-rv-park-guide-2025-july/

という情報があった。滑り出しは順調なのだろう。

当時の記事などを見ると、ローソン側の思惑としては下記あると言われている。

1. 新たな収益源の創出
 車中泊スペースの利用料(1泊2,500〜3,000円程度)。
 電源利用料やオプションサービス料。
 コンビニは粗利率が低く「売上=消耗戦」になりがちなので、宿泊系の利用料収入は貴重。
2. 来店頻度・客単価アップ
 宿泊客は 夜・朝・深夜と複数回 店舗を利用する。
 食事、飲料、軽食、アイスやアルコール、日用品など。
 特に「キャンピングカー客」は購買力が高く、単価増が期待できる。
 記事でも「飲み物や食料の追加購入が想定以上にあった」とされている。
3. 差別化とブランドイメージ向上
 「ローソン=旅の拠点」という新しいブランドポジションを獲得。
 キャンピングカー・車中泊愛好者とのコミュニティ形成。
 地方の観光や防災拠点としての存在感アップ。

また、利用者からの評価も、上記に「おトクらし」などの評価でも高く下記の声が記載されている。

・「はっきり言って最高です。24時間トイレ、電源が借りられ、コンビニで買い物もできて本当に便利」 — 40代男性・キャンピングカー利用者
・「愛犬と一緒に利用しました。ペット可のRVパークは少ないので助かります。スタッフの対応も丁寧で、安心して過ごせました」 — 30代女性・ペット同伴
・「合理的なサービスだと思います。料金も手頃で、何より安全面での安心感が違います。今後全国展開されることを期待しています」 — 50代夫婦・軽キャンパー
・「電源が使えるのが最高です。スマホやノートPCの充電ができて、仕事しながらの旅にも最適。もう少し早い時間からチェックインできるとありがたいですが」 — 20代男性・バンライフ

また別の記事でも
・利便性:24時間営業、コンビニ併設、トイレ・電源完備が高評価。
・安全・安心:有人店舗の安心感や防犯性の高さが好評。
・多様なニーズ対応:ペット連れ、バンライフ(モバイル作業)、快適重視といった多様なスタイルに対応。
・価格にも満足:1泊2,500〜3,000円という価格設定が「合理的」と広く評価されています。

という声もあり、将来性が期待できる。

■再生事業への道

こうした事業に対しては、もう少し視点を広げることもしてみたい。
それは旅の拠点の確保と言う事業である。

昔(今から50年ほど前)には国道沿いに「ドライブイン」があり、同じような機能を持っていた気がする。昔は気ままな旅を楽しむ風潮もあり、夜通し田舎道などをあるき、誰もいない海での夜明けを楽しんだり、霧に沈む村落の景色を楽しんでいたりしていた。こうした旅の姿も懐かしい。

最も今では「ドライブイン」は死語になっているかもしれない。主要な拠点には「道の駅」が整備され、高速道路にはSA/PAが快適な施設に変貌している。

・交通の要所という位置(峠道、中間地点、観光道路沿いなどライバルが少ない場所)
・地元特有の名物メニューや特色ある味を守り、リピーターの獲得。
・ノスタルジーや昭和の空気を残す“体験型”施設。

と言った特徴に対抗するのは難しいだろう。
しかし、旅を求めるのはそれ以外もある。かつて「そうだ星を売ろう」という書籍があり、これをヒントにすると
・日本海の朝日を独り占めする
・山奥で満天の星を眺める
・湖畔で朝靄に包まれる
と言う楽しみ方もある。

こうした視点で見ると、現在、JRの地方路線で廃線になり、そこで閉鎖される駅舎の再利用、あるいは廃校の再利用という側面が見えてくる。元々これらの施設には電気や水道などのインフラがある。もちろん”清潔。安心”などへの整備も必要だが、「何もない」ことを価値にするビジネスモデルもあり得る。

こうした事業は
1. 遊休資産の収益化
 廃駅舎や不要な駅施設を 「管理コストの負債」から「収益施設」へ転換できる。
 土地・建物を活用することで固定資産税負担を緩和しつつ、観光施設や宿泊事業で新しい収益を生む。
2. 旅客減少に対応した「非運賃収入」
 鉄道会社はどこも「切符収入の減少」に苦しんでいる。
 不動産開発(マンションや商業施設)が難しい地方において、駅舎を活かした観光サービスは「地方版の非運賃事業」として有効。
3. ブランド価値の向上
 鉄道文化の保存・再利用は、鉄道ファンや観光客を惹きつけやすい。
 「泊まれる駅舎」「星空を見るための駅ステイ」などは話題性があり、会社イメージの向上につながる。

というメリットが想起される。
もっとも、こうした事業を鉄道会社や行政が前面に出て主導権を握るのは無理だろう。
できているならば、とっくにやっているはずだ。

■NPOという選択肢

レジャーとしての「ひとり旅需要」としては
・ソロキャンプの延長線として、女性や若年層でも安心して利用できる選択肢になる。
・「人混みを避けて自分だけの景色を楽しむ」ニーズは高まっている。
・廃校・旧駅舎・漁港などを「安全な車中泊スポット」として開放すれば、観光資源化できる。
・これまで宿泊地として価値が低かった地域が「景色を味わう拠点」として生まれ変わる。
・「ここで一夜を過ごすと、明朝に〇〇の絶景が待っている」といった物語性を観光サービスに組み込める。
が考えられ、宿泊ではなく「体験型パッケージ」として商品化が可能であろう。

上記の様に、リソースを持っている鉄道会社、行政では、戦略策定の人的資源も用意できない。下記の様な棲み分けが求められる。

1. 鉄道会社=「資産提供者」
廃駅・遊休駅舎を 低コストで貸与。
保有コスト(管理費・税負担)の軽減が主なメリット。
経営リスクを背負わず「協力者」として関わる。

2. ベンチャー・地域団体=「事業主体」
スタートアップや地元NPOが、観光・宿泊・体験サービスを設計。
利用料や会費モデルで収益を確保。
クラウドファンディングで資金を集めやすいテーマ(地域活性・鉄道保存)。

3. 自治体=「後ろ盾」
観光振興・空き施設活用の観点から補助金や規制緩和を支援。
防災拠点や観光案内所としての機能を認めやすい。

どうだろう
妄想などと言わずやってみる気はないかな?

2025/09/03