世間に転がる意味不明:メガバンクと地銀の戦略のポートフォリオ(赤の女王仮説は必然か)
少し感じたことをまとめます。自己学習です。
■モノを知らないのでAIに聞いてみた
○転換するメガバンクのリテール戦略
2025.08.04~
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2025年5月、個人向けの新たな金融サービスブランド「エムット」を立ち上げた。MUFGの視線の先には「Olive」で先行する三井住友フィナンシャルグループの姿がある。みずほフィナンシャルグループは楽天グループとの連携に、りそなホールディングスはデジタルを軸にした地方銀行との緩やかな連合づくりにそれぞれ活路を見いだす。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/03283/
かつての銀行は、個人から資金を集め企業に貸し出し金利差を得るというビジネスモデルであった都記憶している。いわゆる「リテール」と言われる戦略だと思う。これが低金利になるとこのビジネスモデルだけでは立ちゆかなくなり様々な事業モデルを生み出したと思う。その全体像はどのようなモノなのか。特にメガバンクなどは収益の安定性のためにどのような戦略を採っているのかの類型はどう捉えれば良いか。
これを調べる術もないのでAIに訊ねてみた。下記が回答である。
●メガバンクの収益モデルの全体像
大きく分けると、以下の6本柱。分野、主な内容、狙いを整理する
① リテール金融(個人向け)
預金・住宅ローン・投資信託販売・保険販売(銀行窓販)
利ざや縮小を手数料ビジネスで補完
② ホールセール金融(法人向け)
企業融資、M&A助言、為替取引、海外進出支援
手数料と付随業務での収益確保
③ 投資銀行業務
株式・債券引受、IPO支援、ストラクチャードファイナンス
高単価の案件収益で利益変動を平準化
④ 海外事業展開
海外銀行の買収(MUFGによる米ユニオンバンク、SMBCのアジア展開など)、新興国融資
日本の低金利環境から脱却し、成長地域で利ざやを確保
⑤ マーケット関連業務
債券・株式トレーディング、デリバティブ取引
金利・為替変動時に収益源
⑥ ノンバンク・異業種領域
リース、カード事業、フィンテック投資、不動産ビジネス
金融以外の安定収益の確保
すなわち
・収益の地域分散(国内・海外)
・収益の業態分散(金利差依存から手数料・運用益へ)
・デジタル化・コスト削減(支店統廃合、オンライン化)
・異業種協業(LINE・楽天・フィンテック企業との提携)
・資本市場対応(グリーンボンド、サステナブル金融への参入)
と言う施策をミックスさせ、国内外・金融非金融をまたいだポートフォリオ経営で収益の安定性を図っていることが分かる。
最初の記事は、金利政策の変化を受けて、そのポートフォリオを組み直す動きなのだと思う。
⑥については、下記の記事が関連するだろう。
○みずほ、中古ビルの省エネで総額2000億円投資 環境性能高めて売却
2025年8月9日
みずほフィナンシャルグループ(FG)は中古ビルなど不動産の省エネ投資を手掛ける複数のファンドを立ち上げる。2025年度以降の5年間で総額2000億円規模を投じ、空調や照明設備を刷新することで投資先の価値を高める。建設費が高騰するなか、既存ビルの環境性能を高めた上で売却し利益につなげる。
空調などを手掛ける省エネ関連の技術を持つ事業会社や、省エネ投資に関心を持つ企業などから資金を集める。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB073X50X00C25A8000000/
■処方箋
とはいえ、こうした事が成功を約束するものでもなく、簡単にできることでもない。
(1)選択基準の明確化
戦略が複線化していたとしても、どの戦略に軸足を置くかで成果が異なる。例えば、上記の戦略の線炊き基準は、下記の状況を正しく認識することが求められる。
1.金利環境の変化
金利上昇局面では「貸出利ざや拡大」を狙い、金利依存型モデルに寄せる。
低金利継続なら「手数料型ビジネス」や海外展開を強化。
2.規制・資本要件の変更
バーゼル規制や国内の銀行規制強化でリスク資産を圧縮、保険・資産運用にシフトする動き。
3.テクノロジー革新
フィンテックやデジタル通貨の普及で、決済・送金ビジネスを刷新。
4.地政学・為替要因
為替変動や国際情勢によって海外拠点の投資方針を調整。
5.国内市場の人口減少・高齢化
リテール収益源が縮小するため、海外や法人向け事業へシフト。
(2)戦略の実行力
メガバンクに対して地銀は、戦略のポートフォリオが貧弱である。例えば、下記が指摘されている。
・地銀の収益は依然として「貸出」に依存し、地域経済の衰退と人口減少という構造的課題に直面している。一方、2024年度は金利正常化の流れにより「資金運用利益」が増加し、コア業務純益も前年比約20%改善した銀行もあります。ただし、規模の小さい地銀では回復が限定的。
こうした問題意識は政府も持っており、下記が報道されている。
○地方銀行で再編 金融庁長官 “銀行の戦略を後押しする考え”
2025年8月12日
地方銀行をめぐっては、ことし4月に新潟県の第四北越フィナンシャルグループと群馬県の群馬銀行が経営統合することで基本合意したほか、千葉銀行と千葉興業銀行も経営統合する方向で調整していることが明らかになるなど再編の動きが活発になっています。
こうした地方銀行をはじめ金融機関を監督している金融庁の伊藤長官は今月、NHKのインタビューに応じ、最近の地方銀行の再編の動きについて「預金の獲得だけでなく、広い意味での金融サービスを提供するためにどういう経営主体が最適かという判断をしていると思う」と述べました。
また、伊藤長官はこれからの地方銀行には、ネットワークを使って大学やNPO、それに企業の連携を促したり、経験豊富な経営人材を企業に紹介したりするなど貸し出し以外にも多様なサービスが求められていると指摘しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250812/k10014891981000.html
生き残りのために、複数の戦略を持ち、それぞれが機能することが求められる。
■今の場所にとどまってはいられない
「その場にとどまるためには全力で走り続けなければならない」とは、不思議の国のアリスでハートの女王が語る一節である。赤の女王仮説と呼ばれ、進化論の中での雌雄の分離や軍拡競争の意味づけなどを説明される際に使われる。
それは「昨日と同じことを、今日やっていては、明日を迎えることはできない」と言うことにもつながる。もちろん、今の事業を多角化することが正解とは限らないとしても、自身の会社の強みや提供する価値の見直しが有効である事は、多くの経営の教科書には示されている。
とはいえ、戦略が未来を扱うモノである以上、そこに正解はなく、ポートフォリオをどう組み直すのかが課題の一つなるだろう。
■おまけ
○グンゼ、インナーウェア製造の国内4工場を閉鎖へ アパレル不振で
2025年8月6日
下着大手のグンゼは6日、兵庫、山形、秋田県にある同社と生産子会社の計4カ所の工場を2026年中に閉鎖すると発表した。アパレル事業の不振を理由にした構造改革で、物流拠点2カ所も閉鎖するほか、希望退職も実施する。
同社の梁瀬工場(兵庫県朝来市)と「養父アパレル」(同)は26年3月末、「東北グンゼ」(山形県寒河江市)と「矢島通商」(秋田県由利本荘市)は同12月末をめどに操業を停止する。下着の国内生産は宮津工場(京都府宮津市)に集約することになる。
https://www.asahi.com/articles/AST863T3BT86PLFA007M.html
業績が悪化している以上、事業の再編は当然のことなのだが少し意外な気がした。というのは、たまたま、今期の決算報告書を見る機会があり、公開されている資料を見る限り、総合の成績が悪いわけではない。市場の寸評などを見ると、
・グンゼは*中期経営計画「VISION 2030」において、メディカル事業を新たな成長の柱として明確に位置づけており、2023年にはメディカル事業を独立セグメント化、また綾部工場で約17億円の増産・設備投資を進め、生産効率の向上と海外展開を図っている。
・さらに、2025年3月期の決算では、メディカル部門が売上・営業利益ともに二ケタの増収増益で牽引役を担い、実質成長に寄与したことも確認されている。
にもかかわらず、株価には目に見えるポジティブな反応が見られ無かったことはおそらく、アパレル構造改革に伴う損失や不透明感が強調されたためと考えられる。その延長線上での工場閉鎖であると考えられる。
これは、戦略のポートフォリオの組み替えは、組織の構造改革を伴うことを意味しており、これに柔軟な対応ができなければ、市場からは評価されないことを意味する。
かなり厄介なことなのだと感じた。
2025/08/12