一貫性のない議論を見ると頭が痛くなる。
■制約条件
現在タクシー運転手についてはいくつもの制約条件がある。最も大きいのは「第二種免許}を保有していないと出来ないことだろう。自動車自体についても、タクシーメーターは決められた機器でなければならないし、ドアの開閉やビデオレコーダーの設置など多岐にわたると思われる。
第二種免許を取り、地図などに関する試験などを得てタクシー運転手になるというハードルは「安全」を優先するという建前であり、タクシー会社がライドシェアに反対する理由である。
○「素人ドライバーが人命を運ぶ」 ライドシェア4月限定解禁も、まだまだ“危険性”を主張しなければならないワケ
2024.3.30
4月解禁の段階ではタクシー会社の運行に限定されているが、もし6月に全面解禁となれば、タクシードライバーに必要とされる高い運転技術を要する「2種免許」が不要になり、地理試験や研修を受けていない
「素人ドライバーが人命を運送する」
ことになる。また、労働時間の管理も受けないので、アルコールチェックや体調確認をすることなく、過労や睡眠不足でもチェックできない。
さらに、アプリの登録を誰かが代表してやっておけば、オーダーが来たとき、誰が対応するかはわからないため、
・家族や仲間内で免許を持たない人
・飲酒中の人
・体調不良や睡眠不足の人が対応するなんてことも可能になってしまう。
https://merkmal-biz.jp/post/62539
しかし、こうした議論は「俺たちは今までこんなに苦労してきたのに“素人”が簡単に来て稼ぐのは許せない」という心情が見え隠れする。プロとして金をもらうというならプロとしての差別化を図れば良い。
■なし崩しの“素人”ドライバーの採用
何をもって“素人”と言うかは異論があるだろうが、すくなくとも「学生アルバイト」というくくりはダメだろう。しかし、背に腹は代えられないと言うことだろうか、人手不足を賄う切り札と考えている人々もいる。
○タクシー運転手、アルバイト採用開始 運転手不足「学生も担い手に」
2024年5月11日
学生や女性にもタクシー運転手の担い手になってもらい、ドライバーの人数を増やそうと、千葉構内タクシー(千葉市中央区)が運転手のアルバイト採用を始めた。10日、本社前で1期生3人の出発式があり、新人ドライバーを乗せたタクシーが街なかへ駆け出した。
タクシー運転手は完全歩合制だが、アルバイトは時給制なので、収入が安定するメリットもある。千葉構内タクシーの加藤雄三社長は「アルバイトから始めて、稼げると判断してもらったら、正社員に切り替えてもらうことも考えている」と話した。
アルバイトは現在も募集している。勤務は午前6時~午後10時のシフト制で、時給は1350円。
https://www.asahi.com/articles/ASS5B4R2XS5BUDCB00DM.html
いや、「安全性」はどこに消えたんだよ。頭痛い。
(2024/05/17)