書籍案内:「なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則」

書籍案内:「なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則」

書籍名」なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則

出版社:日本BP社

出版日:2018年7月31日 初版 第2刷

このドキュメントは「書籍案内:「なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則」」としているが、内容紹介、あるいは書評とは少し趣が違う。倒産をどの様に考えるべきかを、この本を題材にして整理したものである。かなりの部分に「経営とは」ということについての個人としての主張を散りばめている。

「倒産」などは誰でも嫌なものである。経営者は避けたいと思っているだろうし、従業員や取引先も巻き込まれたくはないだろう。しかし、資料などを見ると年間での倒産件数は1万件に登るという。[1]

こうした倒産を未然に防ぐ手段はなかったのだろうか。これを読み解く試みを行っている。

どんなヒトに役立ててほしいのか。少し自分の周りを見回してほしい。「うちの会社(あるいは取引先)がなにか危ういな」と感じている方は、ぜひこの文書を読んでいただきたい。その上で原本を参照してほしい。

なお、私自身はISO9001に関わっている。その視点からのコメントも付加しているので参考にしてほしい。

◆はじめに

この書籍は1992年にスタートした月刊誌「日経トップリーダー」の連載「破綻の真相」から23社の事例を下記の章立てて個別に解説したものである。

・第1章 急成長には落とし穴がある

・第2章 ビジネスモデルが陳腐化したときの分かれ道

・第3章 リスク管理の甘さはいつでも命取りになる

これらの事例の破綻の経緯を記述することで、その原因を探るという試みである。

ポイントとしてあげているのは「判断」の分岐点での意思決定であろうか。

また、「成功はアートだが、失敗はサイエンス」という表現を使っている。

これ間違っていはいないかもしれなが正しくはない。

経営を「観と経験と度胸」だけで行ってはならない。最初はサイエンスである。最終的な判断に「観と経験と度胸」は仕方ない。こうした視点で建てば、「サイエンス」を無視した経営に成功は望めない。というのが私の考えだ。

したがって、問題は「判断」の分岐点ではない。そこに至るプロセスにこそ破綻の原因を探さなければならない。

実は、答えはそれほど複雑ではない。私自身はISO9001の審査員をしているが、このISO9001:2015の規格の中に品質マネジメントの原則というものがあり、下記が記載されている。

  • 顧客重視
  • リーダーシップ
  • 人々の積極的参加
  • プロセスアプローチ
  • 改善
  • 客観的事実に基づく意思決定
  • 関係性管理

案外これがヒントになる。

◆防げる倒産/防げない倒産の差

この本の全体を俯瞰すると、倒産には「防げる倒産」と「防げない倒産」があることがわかる。防げる倒産は、一言で言えば「当たり前のことをすれば防げる」に尽きる。それは、

・目標を立て実現するための計画をしっかり立てる

・進捗を管理する数字をきちんとモニタリングする

・身の丈にあった活動をする

・すぐに修正できる体制を作る

・会社を支えてくれる従業員を大切にする

・誤魔かさない。誠実である。

などである

これに反して、身の丈に合わない、あるいは本業と関係のない投資や事業展開はリスクが大きいと理解すべきであろう。また、銀行やコンサルタントへの過度な期待も禁物である。特に銀行は「「晴れの日に傘を押し付け、雨の日に傘を取り上げる」という特性がある。

当たり前のことが欠落するとどうなるのか。

「第1章 急成長には落とし穴がある」の最初のエピソードは急拡大させてい他フランチャイズ展開をした企業である。その中には下記の記載がある。

・出店のスピードが早すぎたこと

・数字に無頓着であったこと

・金融機関からの借り入れに頼った強気の出店で運転資金を確保する手法であったこと

・人材育成が追いつかず不採算店が続出したこと

・業績悪化に伴い金融機関からの差し押さえがあり従業員への給与支払いが止まったこと

・人材の流失と閉店が加速したこと

などは、典型的な例であろう。

ただし、この事例に限らず、この書籍で出てくる破綻の事例は複合的な要素も含まれている。その中には、防ぎようのない事例もある。

・リーマンショック、東日本大震災などは消費スタイルなどを激変させる。これは基盤としているビジネスの前提が崩壊しかねない激変になる。

・先代などからの過剰投資のつけなどが累積しており、短期での業績回復は見込めない

・一社依存などの硬直したビジネスを前提にして運営されている

これは容易には避けられず難しい課題であろう。こうしたことへの対処については教科書的な解決策は書かれている。

・他者にない強みを作る事業戦略に加えて、社員の人心掌握技術や数値管理を含めたマネジメントスキルが必要になる。

・経営者は局面を冷静に分析できる相談相手や協力者をそばに置くことも大切だと思う。

と記載されるが、わかっているからといってできるものではない。

わかっていても対応は難しい。しかし、当たり前のこととしてできることもある。

これを少し考えてゆこう。

◆当たり前としてできること

◆◆ 企業理念の明確化

組織論的に言えば、「なし遂げたいなにか」を「なし遂げるため」に人々が集い活動する形態を「組織」という。その成し遂げたいなにかを「企業理念」とよび、どの様に実現するかの方向性を示したものを「経営理念」という。

こうした枠組みがなければ、そこには単なる金儲け、あるいは自己満足だけの活動になる。それは、操舵方法も行先も決まらず漂う船のようなもので、状況への対応力が欠落する。

豆腐をブランドにした企業事例がある。

・最初は自動車整備工場

 車を修理するだけでは、社会に有益な製品を生み出している実感が乏しいと感じて転身

・独自機会の開発による豆腐や納豆事業への転身

 生産設備の独自性で売上を拡大。

・レストランへの拡大と個人依存の運営

 高級路線を目指したがリーマン・ショックで破綻。

 機械メンテナンスが社長しかできない

こうした事象を多角化戦略と呼び、経営者をアイデアマンと呼ぶのは容易い。しかし、この事例でもあるように、何を成し遂げたいのかが共有されていないためにワンマン社長だけが実情を知り「古参幹部も正確な経営状況を把握していなかった」という状況になりかねない。倒産するまでわからないということだ。

思いつきで色々していては周りはついてけ行けない。

企業理念の共有が出発点である。

◆◆ 差別化戦略の位置づけ

主に製造業ではあるが、当社ではなければいけない理由を探さなければならないということは原則ではある。さもなければ「生存意義」がなくなる。

書籍の中でも「正直、この会社の技術でなければできない製品があったかというと疑問が残る。そうなると価格以外の競争力がなくなり経営は厳しくなる。」と指摘される事例がある。

ただし価格戦略がだめということではない。価値は独自性だけではない。卓越したオペレーション能力も差別化戦略になりうる。要は自覚の問題である。これを怠れば戦場を見誤ることになる。

◯植物工場の経営破綻

植物工場という安定供給を下にした、将来の需要を視野に入れたビジネスモデルは良い。しかし「オペレーションが確立しないまま工場2棟を稼働させたために、歩留まりが上がらなかった」ことは戦略的な戦場の選択ができていなかったということだ。

しかし、製造業でない場合、いわゆるサービス業に近いところでの差別化戦略は難しい。

この書籍で取り上げられている企業の多くは

・ニッチな市場、あるいはブームに乗った市場が対象

・ビジネスモデルが時流に乗った

という状況下で、競争に敗れて行き、自社で奪える市場が縮小する中で資金繰りがままならなくなり、打って出た投資が破綻するというパターンが多い。

自社でなければ提供できない製品・サービスでなければ、前提条件となるビジネスの環境(大手の参入がない、ブームは堅調に続く)が変われば、突然競争力を失うことになる。たまごっちに依存舌ビジネスが破綻した事例を思い出してほしい。

こうした戦略に関わる分析手法には「VRIO」などの方法論があるし、考え方としてマイケル・ポーターの「競争優位の戦略」などの考え方がある。かなり成熟した分野なので調べてほしい。

注記:ここではこうした戦略論は扱わない。今やインターネットであふれるほど資料がある。学習するという姿勢になければ生き残れないことも自覚してほしい。

◆◆ 粉飾決算をしない

当たり前の話である。

「法令遵守は当然のこととして」経営が行われなければならない。さもないと「信頼」はなくなり、困ったときにも見捨てられる。

この書籍の中で度々事例として出てくるのだが、業績が悪化したことを「隠したい」という中で、銀行からの借り入れを継続させるために粉飾決算(不適切会計)に手を染めるシーンが出てくる。(DVD販売会社が資金繰りが苦しくなる中で不適切会計をしていた事例)

当然、まともな企業であれば経理担当者は知っているはずだろうし、数値管理をしていれば秘密にするのは難しい。しかし、いわゆるワンマン社長であると、実態が現場にわからないようにしたり、反対をしにくい文化にしていたりする。

こうした粉飾は「余力を残した投資」を阻害することになり。施策の後手後手を招く。当然、関係者からの協力を得られなくなる。信用の消失である。

これを防ぐには、財務や会計の情報を秘匿しないで公開すべきである。機密情報の扱いへの不安はあるかもしれないが、情報の偏在による意思決定の不全のほうが問題である。

◆◆数字を監視すること

これも当たり前の話である。

経営のキーポイントの一つは「健康状態をモニタリングすること」である。

よく経営者の言葉として「私は数字に疎い」という言い方をするが、もしそうなら「疎くならない」努力をするべきであり、「疎くない」ヒトをそばに置くべきである。ただし、それはコンサルタントや金融機関の担当者ではない。できれば「戦友」に近い人にすべきである。

ここで言う数字とは、主に「会計」、「財務」である。BS/PL、キャッシュフロー会計への監視をしなければならない。また原価管理もしなければならない。さもなければ、自社で儲けを出している製品の特定などができない。当然、打ち手の最適化などができるはずもない。

とはいえ、この書籍で出てくる事例のかなりの部分が「数字がわからない」ことに起因する経営破綻だ。

下記の事例が参考になる。

◯ 化粧品の製造販売

資金繰り表の作成など、経営の現状を掴んで改善策を考える体制が脆弱だった。こうしたことから、経営状態が悪化したあとも、劇的に状況を改善するような有効策を見つけ出すことができず、低迷に歯止めがかけられなかった。

◯ 3PLをビジネスモデルの中核にした物流企業の破綻について

・終始管理が甘く、実態は赤字続きだった

・拠点ごとに独自の物流網を確立しており、運賃も拠点ごとにばらつきがありました。これにより拠点間を線で繋がっていない配送ルートとなり、効率(積載率)の悪い個ーヅモ基本的に満額の運賃を支払っているため配送コストが課題となっておりました。」(注:他の物流会社に委託していた)

すなわち数字を使った管理をしていないことがうかがえる。それは経営者の姿勢も問われる。事例の中には「社員は気がついていたかもしれないが「社長は聞く耳を持たない」」の一文があり、機能不全の風土は経営者が作るということも忘れてはならない。この事例には同時に以下の記載がある。

・社長の機嫌取りで粉飾

「売上至上主義の社長に押された営業の担当が、経理社員を巻き込んで各売上を実行したようだ」

 ニデックやビッグモーターを思い出す。

◆◆ 情報開示と協力者の確保

当たり前の話だが、経営活動は一人だけではできない。社員がいて、顧客がいて、ビジネスパートナーがいる。彼らは、会社の「駒」ではない。

いまや、社員は容易に転職してゆく。彼らの信頼を獲得できる様に活動しなければならない。信頼の欠落が経営破綻を加速させた事例も取り上げられている。

◯イベント企画会社の経営は点の事例

リーマン・ショック/東日本大震災により業績が悪化した。コスト削減のために「成果主義の賃金体系にしていた従業員の給与水準を下げた。これに不満を持った一部の従業員が独立して顧客も引き連れていった。」

「成果主義の賃金体系は、丁寧に運用しなければ、業績悪化に伴う給与の減り方が激しく従業員の士気が下がりやすい」

は、近年では常識である。

丁寧な運用とはなにか。それは説明責任を果たすことである。評価基準の透明性と原資に関するデータの公開は必須である。財務データを何ら示さない中での運用はリスクが多くなる。これは、ビジネスパートナーや金融機関にとっても重要な情報になる。情報開示の遅れは外部からの協力を得られにくくする。

こうした「公開性」を阻害する大きな要因に経営者の姿勢もあることを忘れてはならない。

◯呉服事業での経営破綻

「伝統を思んじる創業者のもとでは、遠慮から部下は斬新な提案ができなかったのではないか」

◯大型工作機械

「約15年前、社長の発案で小型の工作機械を開発した。しかし幹部は見向きもしなかった。」

いずれも、お互いの信頼醸成に失敗した事例であろう。

◆ 落とし穴への備え

前項では「当たり前」のことをテーマに整理した。では、こうした当たり前を強化してゆくための考え方のいくつかを例示してゆこう。

◆◆ 引き算の経営

DVD販売をする企業が、だれも目を留めていないコンテンツに着目して事業を拡大したが破綻した事例がある。この中で象徴的な言葉が「市場が拡大すると、そこを狙って大手が参入してきた」ということである。大手との販売力などの差は埋めようがない。いわゆる「ブルーオーシャン」が長続きするわけではない。引き際の戦略も必要になる。これを無視していると、過剰な設備投資などに走り、にっちもさっちもゆかなくなる。

未来は予見は難しいし、急ハンドルは難し。ブレーキすらも難しい。その時に「見切り千両」という言葉が先人の戒めとして効いてくる。

※「見切り千両(みきりせんりょう)」とは、投資で損失が出た際に、含み損が小さいうちに損を確定して撤退(損切り)することには千両(非常に大きな価値)がある、という相場格言です。これは、損失を恐れて未練がましく保有し続けると損失が拡大する(大損につながる)ため、早めに見切りをつけて損失を限定する判断がいかに重要か、ということを教えています。

ここでは単に「撤退戦略」を用意しろという範囲をもっと拡張させることを考えてみよう。

すなわち、

・消費者ニーズの変化:売上高の急激な落ち込み

・市場の変化:市場の成熟度、代替製品の登場

・災害による市場の変化:ブームの終焉、原発依存の転換など

といった経営リスクにおいて、市場が縮小あるいは競争力維持ができなくなってきた時に、身の丈にあった今の80%での活動を考えるのではなく、3割に絞った市場の中で最大化した事業の展開をすることである。

ただし、それは自社の「戦う武器」があってこそであることも忘れてはならない。

「針のナガオカ」がCDの登場により、「レコード針」から撤退したが、精密機械加工の技術で経営を立て直していることは良い事例になるだろう。

◆◆ 小さく産んで大きく育てる

新規事業に展開する時に「逆転ホームラン」、「起死回生」に魅力を感じるかもしれないが、そんな状況に追い込まれる前に試してほしい。

「小さく産んで大きく育てる」経営戦略とは、リーン・スタートアップやスモール・ウィン戦略の考え方を基に、最小限のリソースで事業をスタートし、顧客の反応を見ながら柔軟に改善・拡張していくアプローチで、低リスクで市場のニーズに合致した事業を成長させる戦略になる。一般的には、大企業での新規事業開発や、個人が副業から始める場合にも有効と言われ、初期段階で「スモールウィン(小さな成功)」を積み重ね、信頼とモチベーションを醸成しながら、徐々に事業の規模と影響力を拡大していくのが特徴になる。当然、中小企業であっても有効である。

こうしたアプローチについては、この書籍では扱っていない。「リーンスタートアップ」などの書籍を参考にしてほしい。

◆焦燥感の罠

この書籍に出てくる事例に比較的多いのが、「投資の失敗」だ。

端的に言えば、「投資が回収できない」になる。

思ったより稼働率が上がらない。これは受注がキャンセルされた、思ったより販売量が確保できないなどが起きたことだが、状況を列記すると以下のようになる。

・コンサルタントの言うがままに「本業とかけ離れた投資を繰り返す」あるいは「金融商品(デリバティブ)に手を出し失敗する。

・トップが数字に弱いため過剰な設備投資の是非が判断できないため過剰投資かどうか判断できない

・受注できるかもしれない、売上が期待できるかもしれないといった期待感だけで投資判断をする。感と経験と度胸ですら無い。

・心理的には「次の収益の柱への焦燥感」、「金銭的欲求」に勝てないがある

甘言に惑わされない。身の丈を知ることも必要である。

また、成功体験にも注意が必要である。

「思いがけない売上に恵まれたら、それが実力によるものなのかそれともツキによるものなのか、更にどのくらい続きそうなのかなどを十分見極める必要がある」

◆◆ 複線化の備え

「経営が安定しているうちに、景気の波に左右されない新たなビジネスモデルや収益構造を作らなければ、ピンチへの対応はより難しくなる」

とこの本は言う。それは当然であろう。一社依存の恐ろしさを「卵を一つのカゴに盛るな」で表現される。

「卵を一つのカゴに盛るな」とは、リスク管理の重要性を説く有名な格言で、資産運用やビジネスにおいて「全ての資産やリソースを一つの場所に集中させず、複数のカゴ(投資先、事業など)に分散させるべきだ」という意味で使われる。一つのカゴを落とせば全てが割れてしまうリスクがあるが、分散していれば一部の損失で済む、という考え方で、「分散投資」の基本原則として広く知られている。

この書籍の中でも、精密機械のメーカの事例で取り上げられているが、それほど簡単な話ではない。しかし、特定の顧客、特定の製品に依存していた時に、その前提条件が崩れると破綻を避けられない。

前述の「小さく産んで大きく育てる」を日常の試行錯誤として取り入れるべきである。もっとも複線化は望ましいが簡単ではない。これで焦って身の丈に合わない投資などは避けるべきである。

◆基本はISO9001:2015にある

ここまでに記載した内容は、殆どはISO9001:2015という規格で求められていることを堅実に行えばできる当たり前のことである。

ここでは、個々の規格要求事項の説明はしないが、その理念を想起させる部分を引用する。

品質マネジメントシステムの採用は,パフォーマンス全体を改善し,持続可能な発展への取組みのための安定した基盤を提供するのに役立ち得る,組織の戦略上の決定である。

この規格は,Plan-Do-Check-Act(PDCA)サイクル及びリスクに基づく考え方を組み込んだ,プロセスアプローチを用いている。

組織は,プロセスアプローチによって,組織のプロセス及びそれらの相互作用を計画することができる。

組織は,PDCA サイクルによって,組織のプロセスに適切な資源を与え,マネジメントすることを確実にし,かつ,改善の機会を明確にし,取り組むことを確実にすることができる。

組織は,リスクに基づく考え方によって,自らのプロセス及び品質マネジメントシステムが,計画した結果からかい(乖)離することを引き起こす可能性のある要因を明確にすることができ,また,好ましくない影響を最小限に抑えるための予防的管理を実施することができ,更に機会が生じたときにそれを最大限に利用することができる

この内容を漫然と読むことは望ましくない。

・バリューチェーン

・IDEF0の考え方に基づくプロセス図

・SDCAとPDCAの違い

・変化点管理

といった用語の理解が必要になる。

一度「ISO9001:2015」に触れてみてもらえると、このドキュメントで取り上げたテーマが理解できる。

◆巻き戻せるか

「体力のあるうちに売り方やコスト構造を見直したり、異分野の新規事業に進出して多角化の準備をすると行った対応が必要だ」

これは正論には違いない。しかし、これを実行しようとしても難しい障害は残る。

◯高価格帯のドレス

「中・高価格帯で事業モデルを一度確立したメーカーが低価格戦略にシフトするのは想像以上に難しい。仕入れ、製造工程、販路などの大部分を根本的に見直し、コスト構造を大幅に変える必要がある」

これを笑うことはできない。今までの成功体験を捨て去ることが難しいのはコダックやゼロックス社の衰退を見ていればわかる。ましてや、中書企業。零細企業がその舵取りを変えることなは簡単ではない。

資金調達が難しい、また人手不足が深刻だというのは言われなくてもわかっている。

ではどうするべきかをこの書籍は導いてくれるかといえばそれほど簡単なものではない。

さて、あなたならどうするか。時を2000年に戻したら経営破綻を避けられるのか?

当然未来はわからないとしてね。

問い直してほしい。

参照

[1] 倒産件数、年1万件超す見通し…「資金調達が難しい小・零細企業が押し上げる」 2025年12月14日

>帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が8日発表した11月の倒産件数は、TDBが前年同月比4・6%減の796件、TSRが同7・5%減の778件となった。TSRによると700件台は9カ月ぶりで、2025年では2番目の低い水準となる。だが、TDBによると1―11月の累計は9380件と前年同期を327件(3・6%)上回っており、12年ぶりに年間で1万件を超す見通しとなった。

https://newswitch.jp/p/47783

以上