記事:新人を幹部候補に 民間版「キャリア組」育成制度 を読んで

新人を幹部候補に 民間版「キャリア組」育成制度
https://www.nikkei.com/article/DGXNZO65088780Z00C14A1XX1000/

日本たばこ産業(JT)は少数選抜の若手幹部登用制度を作り、ソフトバンクも新人抜てき制度を設けた。グローバル競争が激化する中、早期に有能な幹部候補を養成する。君は民間版の「キャリア組」になれるか。

で始まるこの記事は、2014年のものなので少し古いが、書かれていることは現在の問題にも当てはまる。

■企業経営者としての悩み
以前、経営者インタビューの分析をしたときに、共通の悩み事にグローバル人材と後継者問題が多かったと記憶している。企業がグローバル化する中で幹部育成が中々進まないことへの危機感が背景にあった。それはおそらく今も同じなのだろうと推測される。
2014年に遡っても、こうした問題意識はあり、昨今の経営者インタビューの記事でもあまり変わらない。ということは、この問題は、相変わらず解決されていないのだろう。

さて、当時のことを思い出すとグローバルレベルでの人材の買い負けがあったはずだ。要するに、当たり前の一括採用をしていると優秀な人材であっても高い給与設定ができない。これを解決するためには「幹部」という枠組みで高額にするという手段になるのだが、さて、これについてはあまり聴かない。あいかわらず金太郎飴のような初任給制度にしがみついているのだろうか。

■内定者にとっては
「貴方のやりたいことは何ですか?」などと間抜けな質問を今でも人事担当者しているんだろうか。二十歳そこそこの若造にそんなことが分かるはずはない。とりあえず「思いついたこと」をやらせれば良い。「貴方は幹部候補生になりたいですか?」と聴かれれば、「NO」とは云わないかも知れない。しかし適正までは分からないだろう。

将棋の奨励会の規定には「年齢制限 満21歳(2002年度以前の奨励会試験合格者においては満23歳)の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇段できなかった者は退会となる。 」とある。

以前にとある番組で、この退会になった人の対談があったが、一様に「抜け殻」になると云うことを話していた。特定の目的を達成するために他を犠牲にしてきたツケだ。

自分を奮い立たせることが能力というならそうだが、経営者の向き不向きは別要素で決まる。対象は全員にして、順次チャンスを与えて行けばよい。と考える。

■人事にとっては
幹部候補生に対しそれなりの教育プログラムやキャリア支援をすることになるだろう。しかし、自分たちは幹部候補生でもなく、それを育てたことがない人に支援などができるのだろうか。ここでも試行錯誤が必要になる。経営者がここを理解していないと悲惨だ。

等と云うことをつらつらと。

《AIを使えるかどうかが鍵になるかもしれない》

『倉庫業務が物流コスト全体に占める比率は推定約20%であり、倉庫関連コストの65%が商品かを棚から取り出すピッキング作業にまつわるものである。ほとんどの倉庫では今なお、紙のリストを基に取り出すべき商品を把握して、現物を探している。これでは時間がかかり、間違いも起きやすい。』
(テクノロジー経営の教科書 ダイアモンド社 より)

楽天/「送料込み」法令上の問題はない
https://www.ryutsuu.biz/government/m030245.html

で見る一連の騒動は送料を誰に負担させるのかと言うことでの法令上の問題と楽天がライバル視するアマゾンへの対抗という視点が交叉していることが混在していることがあげられる。

しかし、いったん倉庫に集めて配送するアマゾンのビジネスモデルと店舗の軒先を貸しているだけの楽天のビジネスモデルでは決定的な差がある。
たしかにアマゾンの倉庫にはブラックな面があり批判の対象となっているが、今後、AIやAR、ロボティクスが進行すると、物流コストに圧倒的な差が出てくる。

楽天が各店舗でのピッキングを行い配送するというコスト面のハンディキャップを解消できない以上、物流面での効率化や生産性向上は見込めない。いくら配送料を無料にしますと行っても、自腹で負担する気のない楽天のビジネスモデルには未来を感じない。

《BCPはどうなっているのだろう》

東日本大震災の時にサプライチェーンが寸断されたことは経験していたのではないのだろうか?

新型コロナで日本を襲うサプライチェーン危機、中国リスクとは?
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00030/

BCPが話題になったのは、いわゆる2000年問題のあたりからで、本格的には2005年頃だろうか。そんな誰でも想定できるされるリスクでは不十分だったことは東日本大震災で明らかになった。
だからサプライチェーンを海外にも広げたのだろう。もちろんコストの問題もあるだろうが、それに対してリスクは想定していないかったのだろうか?

上記の記事の冒頭に下記の記載がある。

『問題は4つある。まず、地方政府が工場再開の許可を出すのが遅れていること。続いて、春節で故郷に帰っている人など従業員全員が復帰するまでに時間がかかっていること。工場を動かそうにも生産に使う部品や材料の調達が十分にできていないことも問題だ。そして、上海港から物を持ち出せないなど物流が止まっている問題もある。中国の報道によると、地域差はあるものの、稼働率は約40%という。』

いやいやそうではなくて、「慌ててしまう程度のBCPしか作ってこなかった」企業の方が問題なのではないのか。また、政府も、こうした企業に大きな影響が出てきたときの対応が法制度も含めてしてこなかったのが問題なのではないのかと感じてしまう。

そのため、政府の対策の実効性に疑問を感じてしまうこともある。

新型コロナで休業 雇用調整助成金、支給対象を拡大
日経新聞 2020/2/28
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56166690Y0A220C2MM0000/

助成金は返却が必要なく、補助金などとも似ています。新たに何かをしたいと云うときには補助金、意図せぬ出来事への対応は助成金と行った所でしょう。注意なければならないのは、いずれも「使った後でしかもらえない」場合が多いことと審査の時間がかかることでしょう。

仮に上記のように給与の一部を負担してもらうとしても、それまでは給与を支払う体力が企業に求められる。その間のつなぎは結局のところ融資しかなくなる。金融機関への融資枠の拡大などをセットにしないと実効性はない。

潰れてしまったらそもそも申請できないだろうと突っ込みを入れたくなる。

《テレワークを支える技術》

リモートデスクトップを初めて試験をしたのは、今から30年以上前だった気がする。当時の通信環境は、ISDNが普及し始めであり、64Kぐらいの通信速度だった。自宅の電話回線で事務所のサーバーにログインし、画像を転送して作業をするのだが、とても使えるレベルではなく諦めたと言う記憶がある。

今では通信速度も上がりセキュリティもしっかりしているのでリモートデスクトップもリアリティのある話になっているだろう。VPNなども一般的になりつつあり、テレワークなども移行しやすいのではないかと思う。

https://jp.reuters.com/article/honda-coronavirus-work-idJPKCN20L3D5
ホンダ、東京地区の全従業員約2000人が在宅勤務 新型ウイルス対策
2020年2月28日

こうしたテレワーク以降の記事には枚挙にいとまがなく、延べ人数でいえば数万人規模での普及なのだと思う。

一方で、ITインフラ整備の体力格差・技術力格差が企業の競争力を左右する懸念もある。
クラウド環境が一般的になってきており、例えば「Office365」などを使えば、仕事の場所を選ばない働き方も可能だろうが、ソフトウエア資産への投資や通信環境の整備に積極的な投資ができる企業に限られるだろう。

自宅で仕事をすると云っても、すべての家庭で自力でひかり回線を引き、パソコン環境を自前で要求するというのは無理がある。かといって、企業がすべてを負担するというのはテレワークが「公私混同」を招きやすい環境では無理があり、補助もしくは手当という形にせざるを得ないだろう。法整備が追いついていない気がする。

職種の問題も大きいだろう。身近な例で云えば、「ソフトウエアの開発」と云うものがある。WEBシステムの開発などはクラウド環境での開発も可能だが、組み込みソフトや機器制御のシステムなどはオンプレミスでの開発しかできない場合が多い。

ハードウエアに依存するシステム開発はソフトウエアシミュレータでの開発が可能になる必要があるし、開発環境自体がクラウド型になる必要がある。

残念ながら、実際の開発環境からは遠ざかっているので実態は分からない。
新型コロナウイルスは良いきっかけではないが、働き方でのテレワークが普通になってほしい。

《景気の悪化でとれる戦略 フローからストックへ》

昨年からこっち、景気が改善しないと感じる記事が多い。
例えば下記の記事などは、景気の悪化は昨年来から始まっており、それは労働者の賃金への反映されていない実情と一致する。

大企業製造業景況感、4期連続悪化 日銀短観のDIゼロ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53303360T11C19A2MM0000/
2019/12/13 日本経済新聞

昨年の平均月給、6年ぶり減少 厚労省の毎月勤労統計
https://www.asahi.com/articles/ASN27350YN26ULFA03W.html
2020年2月7日 朝日新聞

ここに来て、新型コロナウイルスの影響で、中国の生産活動が停止し、人の往来や、イベントなどの中止などが発生している。こうした悪循環は企業活動にプラス面よりはマイナス面での影響は当面続く。

先日、お話を聞く機会があった中小企業の製造業の社長さんは新型コロナウイルスについて「影響は出るが,予測できないし、できることはない」とあきらめ顔でおっしゃっていた。たしかに、景気などは自分の力だけで左右できることではないので、予測できたとしてもできることは対策しかない。

ではどのような対策が可能なのだろうか。

基本的な考え方はオーソドックスだ。
① 状況を理解する
② 制御可能なリスクと制御不可能なリスクに分解する
③ 制御可能なリスクについてそれを放置しておいた場合の問題を明確にする
④ 問題の回避するための課題の選択ととこれに対する施策を立案する

①については、「景気悪化に伴い顧客の経済活動が低迷する」という状況になる、そのため、②制御不可能なことは「既存顧客からの受注量の減少」になる一方で、「新規顧客の開拓」は取り組みとしては制御可能かもしれないが、あまり現実味はない。なぜなら、今回の景気悪化はすべての顧客にふりかかってくることだろうからだ。

ほとんどの人が目を向けようとしないことに「従業員が生産活動をしていない時間が増加する」というリスクがある。これはどんな意味があるのだろう。確かに、これ自体は制御可能に見えないかもしれないが、「従業員の空いた時間を有効に活用する」という施策に転換することは可能だ。

つまり、「空いた時間」は制御可能であり、放置すれば「無為な時間になる」ことになるが、「組織能力の向上」のために活用する施策は展開可能になるというシナリオを描くことができる。

経営活動を、経営資源を投入して生産活動をし、利益を創出して再投資するという循環で見れば物事をフローで見て行くことになる。しかし、経営資源の潜在量を増やすと云うことに対しては傍流として取り扱われる傾向がある。

先に示した
http://nss.watson.jp/2020/02/24/%e3%80%8a%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%81%af%e4%ba%ba%e3%81%a7%e6%88%90%e3%82%8a%e7%ab%8b%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e3%81%ae%e3%81%a7%e3%81%82%e3%82%8c%e3%81%b0%e3%83%aa/
等もその一例だろう。

経営資源のフローの視点を経営資源のストック量の増加と捉えることができれば別の戦略が見いだせる。すなわち、人の能力開発に対する積極的な関わりだ。不況の時に、その空いた時間で社員能力開発をどのようにできるかは経営者の腕の見せ所だろう。

しかし、こうしたことを放棄する記事も散見される。
昨年からの、早期退職者の募集などを見ると残念でならない。
新型コロナウイルスの影響もあるようだ。

希望退職者募集、2月すでに4社|新型肺炎の直撃も
https://maonline.jp/articles/voluntary_retirement202002b
2020-02-25

「わたしは経営者として無能です」と公言しているとしか思えない。

2020/02/25

《会社は人で成り立っているというのであればリストラより前にすることがある》

『ペンローズが論じたように、企業成長に必要な人的資源、チェンジ・マネジメントは、企業特殊的である。当然の結果、こうした資源はどの時点においても、企業内での利用可能性によって制約されてしまう。換言すれば、経営能力は無限かつ無意識的に拡張することができない。拡大するには、高位の人的資源の新規採用・開発が追加的に求められる。』
(DYNAMIC CAPABILITIES & STRATEGIC MANAGEMENT とり引用)

企業の成長、イノベーションの創出、事業構造の変革などを目指す企業は、従来の経営資源では対応が難しく常に動的な変化を生み出すことが求められている。最近の経営学の教科書を見ると、そのように指摘されている。

新しい技術開発には単に働く環境などの入れ物だけでなく人財育成も欠かせないのだが、企業の人財育成に関する投資はどうなっているのだろう。

厚生労働省のデータからその一端を見てみよう。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/00002075_000010.html

平成30年度「能力開発基本調査」の結果の報告で、概要として以下の三つをあげている。

1 教育訓練費用(OFF-JT費用や自己啓発支援費用)を支出した企業は 56.1%。
2 企業のOFF-JT費用の労働者一人当たり平均額は 1.4 万円(前回 1.7 万円)、自己啓発支援費用の労働者一人当たり平均額は 0.3 万円(前回 0.4 万円)。
3 事業内能力開発計画の作成、職業能力開発推進者の選任を行っている企業は概ね 4 社に1社。

人財育成の投資がほとんど行われていないことが分かる。その内容を確認してみると、最も多いもので「新規採用者など初任層を対象とする研修(77%)とあるが、その次は50%にも満たない。その内容は、
・マネジメント(管理・監督能力を高める内容など)
・新たに中堅社員となった者を対象とする研修
・ビジネスマナー等のビジネスの基礎知識
・新たに管理職となった者を対象とする研修
・コミュニケーション能力
・法務・コンプライアンス
・技能の習得
・キャリア形成に関する研修
・品質管理
・財務会計
・プレゼンテーション・ディベート
・OA・事務機器操作(オフィスソフトウェア操作)
・工作機械・輸送用機器等の操作
・IT(システム開発、システム運用、プログラミング等)
・語学・国際化対応能力
(図26 実施したOFF-JTの内容)

とあるがとてもこれからのキャリアを実のあるものにする内容とは思えない。
企業の変革を促すという視点では下記のような考え方がある。

(1)経営の置かれている状況を感知する能力
例えば、情報収集力であったり,観察力、変化を読み取り「なぜ」を発する能力などがある労。
(2)可能性を見つける能力
テクノリジーに対する造詣が不可欠だろう。AIやDX,クラウド技術を含みIT技術の評価能力がなければ始まらない。同じように社会からのニーズの変化としてSDGs等に目を向けることが求められる。
(3)組織の運営力
前提としての経営や戦略、次世代リーダーシップなども求められる。
理念・ビジョンなども人を鼓舞するものが求められる。
「IhaveaDream」や「Moonshot」も構築することが求められる。

イノベーションを生み出すための人財の投資は、一つは純粋に優秀な人間を探し出してくることだが、一人ですべてを生み出すことはできない。脇役とも云うべき人財も必要になる。彼らは、特定分野での専門能力に優れ、学習意欲が高く、積極性も高いだろう。そうした人材を支援するための人材施策が必要になる。

そうした人材に必要な知識として最近ではリベラルアーツなどにも着目されている。従来型のOffJTとは一線を画すべきだろう。

こうした人材は市場に転がっているわけではない、育成という視点で投資をする必要がある。間違っても、コストと見なし「目先の金儲け」のために社外に流失して良い物ではない。

2020/02/24

《テクノロジーの可能性を考えられるかが経営を左右する例として:3Dプリンター》

気になった記事があったのでコメントします。

昨年のはやり言葉に「OneTeam」がある。
もともとラグビーには、「OneForAll AllForOne」という言葉がある。私が初めて聞いたのは神戸製鋼の平尾さんの講演だった。

ラグビーは、基本のポジションでの役割があるものの、ゴールを奪うためにはダイナミックに行動しなければならない。特に今回の多国籍のチームであれば、常に一体化した活動が求められる。「OneTeam」は必然になる。

しかし、「OneTeam」と叫べば経営がうまくいくほど単純なものではない。
精神論が先行する不気味さを感じる。

経営は、もっとテクノリジーの造詣を深くしてその可能性を見いだし、新たな市場を作るべきだと思っている。

https://www.businessinsider.jp/post-207843
世界的なチョコレート会社が、3Dプリンターによる量産を開始
Feb. 22, 2020

がどこまで成功するかは分からない。
しかし、手作りではできないチョコレートが可能になると云うことはもしかしたら、CADで設計したチョコレートを店先で作ってもらい、プレゼントに使える日が来るかもしれない。

なるほどと思う反面、こうした事業を経営者がどこまで先導できるかも機動性を左右することだろうと感じた記事だった。

《組織能力向上に向けての投資戦略》

《組織能力向上に向けての投資戦略》

イノベーションを起こすための投資が真剣に考えられているのか、本気でオープンイノベーションに取り組む気があるのだろうか。と言うことを考えさせられる記事を見た。

ホンダ、研究所を大幅縮小 四輪の開発機能を本社に統合
https://www.asahi.com/articles/ASN2J66YQN2JULFA003.html

取り上げているのは朝日新聞だけのようだ。基の情報を確認していないので詳しいコメントは出せないが、内容としては縮小は伴うものの再編というのが色合いとしては濃いようだ。とはいえ、イノベーションの投資を縮小しているように見える。

いったい企業は儲けたお金をどこに投資をしているのだろうか。
経営がゴーイングコンサーンを使命としているなら経営資源の循環と言うことにも目を配ってほしい。

研究開発投資を考えるためにはどんな資料があるのかを探ってみた。

◇平成28年度産業技術調査事業
研究開発投資効率の指標の在り方に関する調査(フェーズⅡ)最終報告書
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000779.pdf

この中に下記の指摘がある。

『日本企業の研究開発費は、従来から先進国の中でも最も高い水準を保っており、2020年でのGDP600兆円達成のためにも、研究開発投資の重要性が高まっている』

一方で研究開発効率は低異ことが指摘され、企業別でみると海外、例えばフォルクスワーゲンの95億ユーロに対し、トヨタがかろうじて70億ユーロとなっているが、本田技研などは50億ユーロと半分程度になっている。アマゾンなどの研究投資などは230億ドル(約250億ユーロ)と桁違いであり、おそらく、ファーウエイやFaceBookなども近い水準だろう。
研究開発投資額の大きい企業と企業価値評価にはギャップがある現状もが指摘されている。

では日本企業はどのような方向性で行くべきか。

いわゆる伊藤レポートを見てみる。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kigyoukaikei/pdf/itoreport.pdf

「持続的に成長している企業とはどのような企業か。その競争力の源泉は何か。」という課題に対し

『長期的な研究・技術開発によって蓄積された社内のリソースを、社外の知識・技術と
戦略的に融合させ、結合させるオープンイノベーションが、持続的なイノベーション
を起こすための方策として有効である。そのためには、日本企業はこれまでの自前主
義から脱却して企業連携、産学官連携をさらに積極的に推進する企業風土を醸成すべ
きである。』

と提言されている。方法論も含めて積極的な投資が求められていると理解している。当然、規模を大きくすれば良いというものではないが、かといって再編と縮小をむやみに縮小しても意味はない。

巨大な投資が必要になるが、投資を怠れば競争力もなくなってしまう。こういったときにこそリーダーシップが必要なのだと感じた。

強制的に働き方が変わるのか「NTT、グループ各社にテレワーク呼びかけ 新型肺炎の国内拡大受け」

ロイター通信を見ていたら
『NTT、グループ各社にテレワーク呼びかけ 新型肺炎の国内拡大受け』
という記事を見た。

下記の内容だった。

[東京 17日 ロイター] – NTT(9432.T)は国内での新型肺炎の感染拡大への対策として、グループ各社に17日以降のテレワークや時差出勤の取り組み強化を呼びかけた。通勤時の人混みでの感染を防ぐ考え。

NTTが14日にグループ各社に通達した。同グループの国内従業員は約20万人。具体的な対象や人数はグループ各社が判断するが、事務所勤務の社員が中心と見られる。現時点では実施期限などは設けていない。

NTTグループでは、NTTデータ(9613.T)が14日、拠点ビルに勤務する協力会社の社員1人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しており、感染防止へのグループ内の意識が高まっている。

--ここまで

先日、不幸中の幸いで、こうした場所や時間に左右されない働き方を社員が選べるといいねという趣旨のことを書いた。
2012年に日本語版として発刊された「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」にも、世界中にいる同僚と一緒に仕事をするシーンが描かれている。

もちろん、大規模な生産機械を使用する場合には一定人数の人間がそこにいないと困る場合もあるが、すでに機器の点検や修理の指示などをリモートでできる技術は確立されており、必ずしも管理者がそこにいる必要がない環境も構築できる。

「場所に縛られない働き方ができるとうれしい」などと考えていたら、下記の会社にたどり着いた。

https://caster.co.jp/

日経ビジネスにも取り上げられているが、リモートワークを支援する会社である。

こうしたテレワークの浸透に合わせていくつものビジネスチャンスが生み出される。
・コラボレーションツールの提供
・コラボレーション環境(プラットフォーム)の提供
・より一層の間接業務の代行(秘書的なことなどへの拡大)
・コワーキングスペースの地方への拡大
・社外の専門化との共同の促進
・専門知識の取得支援(通信教育の拡充)

有望な企業がこれから出てくるのではないか。
上記の記事を見ていると、NTTグループがこうしたテレワーク支援の中核企業になって行く可能性があると期待できる。

70歳定年延長をあざ笑う「早期退職」の拡大

70歳定年延長をあざ笑う「早期退職」の拡大

と、すこし過激なトーンで始まったのだが、本音に近い。
私自身は、自分の働き方は自分で決めるべきであり、それが自分の意思であれば同じ職業を70歳まで続けることには反対ではない。ただし、他に選択肢がなくて同じ会社にいることを余儀なくさせられているのであれば不幸だと思っている。

「40歳定年制」という書籍が発行されたのは2013年であり、すでに7年を過ぎている。内容は陳腐化しているかもしれないが、その意図自体はまだ新鮮であり、また何も実現していない世界観だ。

人生を、自分なりに納得の行くモノにするためには常に自分の武器である知識や技術、経験による知的財産を殖やして行かなくてはならない。

経験的には、15年ぐらいをサイクルとして計画的なキャリアアップをするべきであり、目標をさだめ、成果を出すための時間を創出する必要がある。企業も、それに対し投資をし、より高いパフォーマンスを出す社員で会社を固めるべきだろう。

最初のサイクルは、22歳に入社したとして、その3年後を起点とし、40歳、55歳、70歳がターニングポイントとなる。

最初の収穫期は40歳だろう。この時点で高いパフォーマンスを生み出す様にキャリアプランを作成しなければならない。定年という概念をなくすためにも必須の取り組みのはずだ。

ところが、最近のニュースを見るとこれに逆行する事例が目をひく。

【希望退職者の募集】年明け後も拡大|“渦中”の東芝機械は300人募集
https://maonline.jp/articles/voluntary_retirement202002

『2020年に入り、第1号となったのは経営再建中の曙ブレーキ工業だ(1月16日発表)。募集人数は200人で、曙ブレーキ本体の全従業員のほぼ2割にあたる。対象者は2020年1月1日時点で①勤続3年以上で40歳以上の正社員②60歳以上の再雇用契約社員③勤続3年以上の契約社員。』

サッポロで早期退職募集 45歳以上、特別金上乗せ
https://this.kiji.is/600630102162375777

佐鳥電機<7420>、60人程度の早期退職者募集を発表
https://maonline.jp/news/20200130jp2

『佐鳥電機は30日、60人程度の早期退職者募集を内容とする特別転進支援施策を発表した。対象は同社とグループ会社の満40歳以上60歳未満で勤続10年以上(管理部門は満35歳以上)。』

ファミリーマートの早期退職に応募殺到、リストラ資料が明かす大混乱の裏側
https://diamond.jp/articles/-/227920

『ここに一束の資料がある。管理職社員の間で通称、“リストラマニュアル(以下・リストラ資料)”と呼ばれている代物だ。ファミマのリストラ計画の対象となるのは、勤続年数3年以上で、現場社員は40歳以上、本部社員は45歳以上が条件だ。』

ラオックスが希望退職者募集、新型肺炎流行で中国観光客依存の事業体制見直しへ
https://www.fashionsnap.com/article/2020-02-14/laox-colonavirus/

『募集の対象者は、ラオックスが販売専門職の正社員と契約社員、販売専門職以外で在籍する40歳以上かつ勤続2年以上の正社員および契約社員、シャディでは在籍する50歳以上かつ勤続10年以上の正社員および契約社員。』

上記以外にも、金融系や情報系の有名な会社でも行われている。
多くは業績を理由にしているが、その背景には事業構造の再構築もある。

従来型のビジネスモデルでは立ちゆかなくなるので、新しいビジネスモデルに合った人材を再配置したいという企業側の思いもあるのだろう。

40歳以上をターゲットにするのは「人件費が高くて切りやすいのが管理職。事業規模が小さくなるとマネージする人はそれほどいらなくなるります。その次は中高年のスタッフ職。年功制が残っているため彼らの人件費は相対的に高いからです」と言うのが本音にあるという。

しかし、40歳になるまで何も手を打たない状態で突然の切り捨ては組織力の低下を招きかねない。また40歳以上の社員のパフォーマンスの向上を放棄して切り捨てているという印象を持たれることは企業にとってブランドを傷つけかねない。

社員からも反乱を引き起こしかねない。「泥船から逃げ出す」様に優秀な社員から辞めて行くこともある。経営者は一考した方が良い。

社会保障を維持するためには、70歳まで働いてもらわないとという政治的な要請もあるのだろうが、それをあざ笑うように、40歳過ぎたら切り捨てるという「荒技」が横行しないことを願う。