シャドーITに思うこと

久しぶりにセキュリティの話を探ってみた

■ 浦島太郎
もともと情報セキュリティはITの一分野なので興味というか仕事の一分野として認識していた。結局は返上したが「ISMSの審査員」の資格まで保有していた。
返上した理由は、それまで一部ホスティングサービスの利用はあったものの、オンプロミスが主流だったものが急激にクラウドに移行し始めたことがある。
情報セキュリティの原則としてCIAがある。
有名な基準なので引用しておく。

機密性 (confidentiality)
許可されていない個人、エンティティ又はプロセスに対して、情報を使用不可又は非公開にする特性

完全性(integrity)
資産の正確さおよび完全さを保護する特性

可用性 (availability)
許可されたエンティティが要求した時に、アクセスおよび使用が可能である特性

さて、クラウドサービスを使うと云うことはどういうことだろうか。昨今のいろいろな自己を見ていると漏洩リスクや第三者への公開事故がないとはとても云えない。また滅多にはないのだがデータの消失リスクも存在する。そんな中で、CIAの基準で見ると、他社が見れないとしてもクラウドサーバーの管理者は「する/しない」は別にしてもデータ操作が可能なことには変わりない。機密性が担保できているとは云えない。
そうした中で、こうした技術を背景としたISMSの構築はどうあるべきかの議論が難しく、自分自身が正解を持てないこともあり、審査の世界から離脱した。

今回、プライバシーマークの取得の支援を行うという宣言をしたものの、IT技術が大きく変貌を遂げており当時の知識ではカバーできないことも多いことに気がついた。

浦島太郎の気分だ。

■ 情報部門の憂鬱

聞き慣れない言葉「シャドーIT」という言葉を聞いた。

ウィキペディアによれば
「企業・組織側が把握せずに従業員または部門が業務に利用しているデバイスやクラウドサービスなどのITのこと」
とされている。

BYODとあまり区別はつかないが、スマホが普及し始めたあたりから問題視されてきている。
今でも状況は変わらないのかと思ったら、かえって悪化しているようだ。

https://cybersecurity-jp.com/security-measures/28258
シャドーITとは?企業におけるリスクの種類とその対策方法を徹底解説

・社員が会社のネットワークを無視してメールをする。
gmailなどはその代表だろう。
・組織のプラットフォーム以外でワークフローを展開する
FaceBook(コミュニケーション)、SanSan(名刺管理)、Googleグループ、インターネットの経理システムなどいろいろある。

かつてEUC(End User Computing)などとほざいていたのが幻かのように利用者は勝手にITの活用をしている。

情報システム部門はどんな逃げ道を用意すべきなのだろうか。
こうしたクラウドサービスを使うときのガイドライン(罰則も入れること)をつくる以外に手はないのだろうか。
組織の管理下に置くことを前提にいくらルールを設けようと、ユーザーが勝手に使うことを止める方法はない。

やっかいだろうなぁ・・・

コンプライアンスの問題は企業の未来を左右しかねない

【コンプライアンスの問題は企業の未来を左右しかねない】

2019年も後残すところ2ヶ月になった。
ここ数年、企業の不正に関する記事が定期的に紙面を賑わしている。
その中でも今年一番と感じるのはレオパレスの問題だろう。

建築に当たってはその正当性を申請し、それに従って施工するという基本的なことがないがしろにされていた。下人は東芝の「チャレンジ」と同様の経営マネジメントだったと記憶する。

この事件が起きたときに、レオパレスの財務データを眺め、報道通りの影響範囲であれば十分なキャッシュフローがあると読んだが甘かったようだ。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191107/k10012167361000.html
レオパレス 業績下方修正 赤字の見通し 施工不備の影響

表題では、「施工不備」などと一面しか捉えていないが、設計段階、申請段階での偽造。施工時に「ヤバい」とわかっていてもコストや納期だけを見ためちゃくちゃな施工。そして「嘘」がばれても知らんふりをする不誠実な対応。

この状況下でレオパレスのビジネスモデルが成立するわけもなく、場合によっては「倒産」という状況にもなりかねない。

コスト優先の経営は、「東芝の不正会計事件」のような社会への信頼を損なう自体にもなる。かつて「とばし」という会計を行い消滅した「山一証券」を思い出す。

会社ぐるみのコンプライアンスは問題外であること当然としても、経営者が気がつかない現場でのコンプライアンス違反は、ある日噴出することもある。それは、何でも無いことだと思うかもしれない。しかしそれが企業の屋台骨を揺るがしたことは、例えば「雪印集団食中毒事件」を見れば明らかだろう。

https://www.meg-snow.com/corporate/history/popup/oosaka.html

では、事件の風化を防ぐためにサイトに記載している。

レオパレスは再建できるだろうか?

(参考にした記事)

・レオパレス、暴かれた無責任施工の実態
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48990590W9A820C1000000/

・大東建託「30億円未払い」発覚で再び高まる賃貸住宅業界への不信

大東建託「30億円未払い」発覚で再び高まる賃貸住宅業界への不信

・聞き取り調査で続々判明!
「チャレンジ強要職場」の悲惨な実態
https://diamond.jp/articles/-/80820

リンガーハットにみる戦略の難しさ

【戦略が正解とは限らない】

この正月に、「事業計画」を作成したのでコメントしてほしいという話があった。
この会社の戦略などは承知していたので、どんなものかと訪問した。
驚いたのは、ほとんどの部門では「前年度の事業の継続。売上げ+3%」といった内容だった。
「御社の○○を実現するという基本理念や、それを実現するための戦略課題の**とどう関係するんですか?」
という問いには答えてもらえなかった。

同じような経験をこの秋にも体験した。
一体これはどういうことなのだろうか?

今年を総括するという意味での徒然として記載する。

(戦略とは何か)

私自身は「日本経営品質賞」のセルフアセッサーなので、経営に関して考えることも多い。
経営に関して一番悩ましいのは戦略だと思う。
ちまたでは様々な戦略の定義があるのだが、「日本経営品質賞」ではどう説明しているのだろう。

戦略とは、組織の将来をどのようにしたいかという構想を定め、それを実現するために進むべき道やとるべき方策を明確にすることです。
(経営品質向上プログラム アセスメントガイドブック 2012年度版 より)

戦略(型思考)というのは定められた前提条件そのものに従う(管理型思考)のではなく、条件そのもをより効果的なモニに変えられないかを考えることです。
(セルフアセッサーの認定研修資料より)

私自身の解釈として
・将来のビジョンがあること
・そのための道筋(ストーリー)があること
・ゲームチェンジャーになること
などが条件になるだろう。

(戦略と主義)

戦略に係わる本を読んでいると、結局は経営資源の調達と分配、その成果に目が向いてしまうが、ストーリー性を前面に出すものは少ない。
「戦略」というよりは、むしろ主義と呼んだ方が良いのかもしれない。
象徴的なのは「ブルーオーシャン戦略」だろう。
競争相手がいない土俵では利益を独り占めできるのは当たり前だろう。
一方で、「レッドオーシャン」で差別化を図り他社を蹴散らすのもありだろう。

そこのあるのは成功を勝ち取るための「何を選択して、何を選択しないのか」の方針でしかない。

私の好きな言葉の一つに
「Not Justice  Only Different」
と言うのがある。
戦略に求められるのは「他社とは違う何か」だろう。
「ブルーオーシャン」は一つの方向性にはなるが戦略そのものにはなり得ない。
「ブルーオーシャン」主義というのがしっくりくる。

(業績至上主義は戦略か)

企業のIR情報などを見ると企業がどのような目標を立てているのがある程度わかるのだが、「我が社の戦略は○○です」という文脈で見ることができる資料がほとんど無い。

一番困るのが、「来期の売上高」を戦略目標に掲げている例だろう。

私自身はことあるごとに「業績や売上げは制約条件であり、目標でも目的でもない」と話をしている。企業理念やビジョンから派生したストーリーでなければ戦略としては認められない。
たとえ、「3年後に○○億円の売上げ」などと云って事業の拡大を謳ったところで独自性や、それがうまく行くための方策も描けなければ戦略ではなく、単なる「宣言」にしか過ぎない。

売上げを口にしたところで、「社員」も「顧客」や「社会」にどんな変革をもたらすのかのコンテキストがなければ「業績目標」は「戦略目標」とは認められない。

(戦略は成功を保証しない)

では、戦略策定は成功を保証するのかといえばそうはならないだろう。

https://toyokeizai.net/articles/-/261590
リンガーハット、値上げでも大幅減益の理由

リンガーハットと云えば「長崎ちゃんぽん」の店舗を中心に「食の提供」をしている会社であり、その経営理念は夏季のように提示されている。

私たちの使命観 「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくるリンガーハットグループ」 は、食の安全・安心・健康づくり、誠実なお客さま対応、人間性尊重と職場環境の改善、自然と環境への配慮、地域社会への貢献という五つの実践訓によって理念を構成しています。

私の記憶なのだが、やはり売上げなどが低迷したときに「女性」と「健康」に焦点を当てた戦略を展開し、一定程度の安定的な業績を確保していたはずだ。

おそらく、経営理念などを見る限り、その戦略の大幅な変更はないだろう。
戦略と呼べるかどうかはともかく、企業の方向性はCSRレポートにも見ることができる。

とはいえ、経営資源の選択や配分をどのようにするのかの選択のフィロソフィーはある程度わかるものの、それ以上のことはわからない。
こうした資料からは、企業の戦略を読み解くことは難しい。

しかし、戦略を明確にしないと株主にとっても社員にとっても未来の予測ができない。
かといって、今年は「これだけ儲けます」と宣言されても、結局は戦略とは関係の無い「今までの実績」に依拠してしまう。

確かに「戦略」を明確にしたからといって成功の十分条件にはならないが、戦略がなければ博打のような場当たり的な経営になる。
そうした意味では「戦略の明確化」は関係者に伝えるべきもので必須であり、必要条件になる。

この必要条件を提示できない組織は「経営革新」に取り組むものとは認められない。

<参考資料>
・https://www.ringerhut.co.jp/corporate/policy/
・https://www.ringerhut.co.jp/csr/csr/

「安どと不満の声 英語民間試験延期 教育現場から」を見て

英語の思いで

■英語の民間試験の延期

安どと不満の声 英語民間試験延期 教育現場から
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191101/k10012160221000.html

昨日から、テレビやメディアでの取り扱いが多い。
すでの息子も就職し大学入試などは他人事になってしまっているのであまり関心が高くない。申し訳ない。

とはいえ、以前から感じていたことは、数学や物理・化学、歴史や政治経済などは知識として蓄積すべきことだろうが、英語は”技術”なのではないのかと感じている。技術であれば訓練(反復練習など)磨くことはできるが、だからといって英語の文学が読めるわけでも立派なスピーチができるわけではない。
そんな技術は一時のものなので、英語の文献を普通に読めれば良くて試験はどうなんだろうと思っている。

■グローバル人材はまずは日本語をしっかりできること

「グローバル人材には英語が必要」という声を聞く。
数年前なのだが、ある雑誌に「グローバル人材」に関連する経営者のインタビュー記事が連載された。比較的マイナーな雑誌なのであまり購読数は期待できないが、それでもしっかりした記事構成で、このインタビュー記事も2年以上続いたのではないか。

当時、テキストマイニングの試行錯誤をしていろ、このインタビュー記事の分析も行った。
結論としては以下の2点だった。

① やれそうな人、意欲のあるヒトにやらせて、うまくいったら褒める。
山本五十六の
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
を引用した経営者が何人かいた。

②英語は後からついてくる。まずは教養に裏打ちされた会話ができること
日本語でもかまわない。まずは自分の国の文化について語れること。相手の国の文化を理解して話ができること。「夏目漱石」や「枕草子」について聞かれ「読んだことがありません」では話はできないし、(西洋)絵画やワインについて「知りません」では会話にもならない。と言うことらしい。

■使う場面がなければ身につかない

最初の会社に入社したときに、会社の先輩から「これを読んで勉強しておけ」といって、見たことのない英語の教材を渡された。たしかTOEICの本だったと思う。
アメリカに転勤したり出張したりすることがあるので用意するようにと云うことだろう。
その先輩はカーネギーメロン大学に留学していったので、英語が必須というのは肌で感じた。

結局勉強レベルにとどまったが、結構な期間英語の勉強をした。
しかし、海外に行くチャンスもあるわけではなく、英語力は極端に下がった。

とはいえ、次の職場は生物系シンクタンクなので論文が全部英語という世界だった。
ペラペラというわけには行かないが、かろうじて読める程度には維持できた。

今はと言えば、BBCニュースを原文で見ているが、かなり心許ない。

結局必要なければ廃れて行く。
数学などは今でも知識として残っているが、技術としての英語は使わなければさび付いて行く。

大学入試のための受験勉強に意味があったのか疑問だ。
それより、歴史をしっかり教えてくれる高校でのカリキュラムの見直しをしてほしい・

■試験を丸投げにするつもりなのか

英語民間試験延期が大学入試改革に与える影響
https://toyokeizai.net/articles/-/312089

大学入試全体を俯瞰する記事になっている。
改めて知ったのが、英語だけでなく国語や数学も民間試験に委ねるつもりであること。業者ごとの採点基準をあわせることが難しいこと。記述式の問題が増えたとしても採点者がアルバイトに頼らざるを得ないために、採点結果が不安定になること。かな。

組織の中でも昇格試験で論文試験を行うところがある。何度か採点をお手伝いしたのだが、その時に感じたこと。
・採点基準があったとしても、問題の解釈は個人ごとに異なるので判断がばらつく
・採点者がどこをピックアップするのかがばらつく
・そのため、一度採点してから、採点者同士で意見交換を行い、スーパーバイザーが調整する。

対象者が1000人ぐらいならなんとかなるが、10万人だ20万人だと云ったら対応できるとは思えない。

大学入試の改訂は、私の知る限り40年以上前から試行錯誤をしている。
無駄な努力しか思えないので、そもそも行きたい大学に行かせたらと思う。

同じ場所に集まらないと教育できないわけでもない。
ICTを活用して、必要科目を受講させ、きちんとした課題対応ができなければ単位をあげなければ良い。

受講内容のレベル分けで大学のランクを付ければ良いのでは。
もうやっている国があると思うのだが。

「子会社統合や調達資金増 アイシンも急ぐCASE対応」について

統合の先の解決策を見つけなければならない

子会社統合や調達資金増 アイシンも急ぐCASE対応
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51626770R31C19A0000000/

と言う記事を、日経新聞のサイトで見つけた。
自動車業界の情報としては、その前日には下記の記事が目にとまっていた。

日立・ホンダ、傘下の車部品4社合併へ-生き残りへ系列見直し
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-29/Q05S81DWLU6P01

最初の記事の中で以下のように記載されている。

『アイシングループの中核2社が統合することで事業を効率化し、電動化や自動運転など「CASE」関連技術の開発を急ぐ。アイシン精機の伊勢清貴社長は同日の記者会見で「グループ内の無駄を排していきたい」とし「統合で求心力と一体感を高めて効率化を進める」と話した。』

世界に目を向けると、ボッシュやコンチネンタルが群を抜いていて、おそらく3位か4位にはデンソーがあるものの売上げ規模では見劣りする。
CASEへの対応という面では、周回遅れ以上の出遅れている気がする。

そういった中で、系列の統合などと云った部分最適の状態は時代遅れ感がある。
「メガ部品メーカー」という視点で、日本で一つしか生き残れないでも良いと思う。

さて、こうした統合の話を聞くにつれ、
・業務プロセスの統合
・人事政策面での統合
・サプライチェーンの統合
など、単に小さい会社が集まりました以上の大変な作業が発生する。
まともにCASE対応ができるには多くの障害が発生するだろう。

一週遅れどころか二週遅れになりそうで不安だ。
特に、先端的な技術者の統合が必要になる。

それこそ、一大知的集積地の開発も視野に入れる必要がある。
危機感はわかるがはたして現場は対応できるだろうか。

私はその場にいないので無責任な発言になるが・・・やってみたい。

適者生存:環境に適応したものだけが生き残れる

2019年 上場企業「希望・早期退職」実施状況
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20191009_01.html

東京商工リサーチのレポートになる。
主要部分を引用する。

❚2019年に入り27社が募集、人数は6年ぶりに1万人を超える
2019年1月から9月までに希望・早期退職者の募集実施を公表したのは27社だった。募集人数は合計1万342人(判明分)に達し、2013年(1-12月、1万782人)に迫っている。

❚先行型」の発生も、約7割は業績不振
2019年に希望・早期退職者募集を実施した27社のうち、直近決算(通期)で最終赤字は12社、減収減益は6社、合計18社(構成比66.6%)が業績不振だった。ただ、アステラス製薬や中外製薬、カシオ計算機、キリンHDなど、業績が堅調な企業が先を見据えた「先行型」の募集も目立つ。バブル期に大量入社した40代から50代社員による年齢構成の“逆ピラミッド状態”の是正のほか、事業の絞り込み(選択と集中)、外部人材の登用による活性化など、新陳代謝を急ぐ企業が増えている。

(引用 ここまで)

一口に余剰人員と云うが、結局の所、今のままでは社内に仕事がないという人員だ出てしまうという状況が発生するのでこれを是正するという中での施策として早期退職制度があると考える方が良い。

いわゆる社内失業者を抱えるほど企業に余裕があるわけではない。
業績に悪化に伴うリストラは、事業の撤退や縮小に伴うことも多い。正直、経営責任になるのでまずは取締役などを減らしたり減給するのが先だろう。

とはいえ、先の見込みのない会社にしがみついていても仕方ないので身の振り方を考えた方が良い。

https://diamond.jp/articles/-/217004
早期退職募集に対する「転職」「独立」「居残り」それぞれのリスクとは

という記事の中では、早期退職に対して「転職」「独立」「居残り」のリスクに関して記載があるものの、ではどうするのかという処方箋にはなっていない。

一方で、事業拡大や新規事業への再編に伴うリストラは少し事情が違う。
いままでの組織能力と異なるというのであれば、その人材を外部から調達するか、内部の人間の再配置でまかなうことが選択肢になる。

ただし、内部の人間の再配置はかなり困難を伴う。
人間系の再編は避けられないかもしれない。

その時に、社員がとるべき対応は「居残り」ではなく「変身」になる。
新たな事業領域に対応できる能力を身につけるべきだし、会社もそれを支援するべきだろう。

とはいえ、これが恐ろしく大変なのはなんとなく肌で感じる。

私自身の話になるのだが・・・

最初に入社した会社は、その数年前だろうか一度倒産(?)して再建中だったと記憶する。
200人から300人程度の会社で、数年後には500人、5年後には1000人になろうかという規模の拡大をしていた。

規模の拡大は事業特性を変えてしまい、居場所がなくなった私は「転職」した。といっても、年俸契約で過ごし、数年後には知人と会社を興すなど、会社員としての経験はないに等しい。

事業特性が変わると云うことは、部門の統廃合が発生し、私のいた部門での同期はほぼいなくなっていた。これはこれで仕方が無いことだろう。

当時は、技術革新が進行中であり、COBOL中心だった業務もJavaなどのオブジェクト指向の言語に移りつつあった。

当時の人事部門の人と話をしたが、いままでCOBOLに携わっていた人をJavaに再教育することは困難で、結局はリストラせざるを得なかったと聞く。

生き残るためには、自分自身を変えなければならないのだが誰でもできるわけではない。それでも”変身”しなければ生き残れない。

いきなり変身ができなくともその準備だけはしておこう。

「Cookie」自体は無効化できる。でもほとんどしないかな?

「Cookie」自体は無効化できる。でもほとんどしないかな?

公取委、Cookie利用に法整備へ 「規制いらない」経団連は反発
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1910/29/news119.html

この記事の主たる内容は以下の部分だろう。

公取委は8月、消費者保護を目的としてデジタルプラットフォームを運営するIT企業と消費者間の個人情報取引について整理したガイドライン案を公表した。同案では、「大手IT企業が消費者に対し優位な立場にある」と指摘した上で、(1)利用目的を消費者に知らせない、(2)利用目的の範囲を超える、(3)消費者の意思に反する──ような個人情報の取得方法を、独占禁止法上の「優越的地位の乱用」に基づき禁止する考えを示している。同委はCookieも同ガイドライン案が取り扱う対象であるとして、規制の適用を検討している。

なぜCookieが問題になるのか。

元々は、リクナビがCookieを使用して個人を識別し、どのページを見ているのかを追跡していたことを問題視していたことだろう。

「クッキー」情報収集、公取委規制へ スマホ位置情報も
https://www.asahi.com/articles/ASMBQ7JVNMBQULZU01H.html

よく知られていることだが、Cookieは簡単に言えば、特定の識別情報をブラウザーのローカルエリアに保存する方法で、例えばPHP等では

setcookie(クッキー名,値,保存期間,ディレクトリ,ドメイン,セキュア接続のみ,HTTPのみの接続);

としてクッキー名と値を工夫することで利用者を特定できる。

こうした利用者が知らないうちに情報を取得し使用されることはセキュリティ上問題があるので、気にする人は無効にしている。

私自身も、10年ほど前は、ブラウザの設定で必ずCookieは無効にしていた。
とはいえ、ECサイトが普及し、通販で何かを購入しようとすると、そのページにたどり着けないことが多々ある。
そのため割り切ってCookieの設定はそのままにしている。

結局の所、モラルを持って活用すると云うことを信じて運用していたのだろうが、今回のように問題を起こす輩が出てくると「規制」という話が出てくるのは当然なのだろう。

規制の内容で「Cookieを使う場合にはポップアップでその危険性や使用目的を掲示すること」などが出てくるが、ほとんどの人はそのまま「OK」を押すだろう。

とはいえ、Cookieがセキュリティ上リスクがあることの注意喚起には使える。
ただし、規制に罰則を付けなければ、真面目な事業者だけが負担を被るという変なことになるので注意が必要だろう。

ダイソンのEV撤退でみる「I have a dream」はそう簡単ではないと言う事実

ダイソンがEVから撤退せざるをえなかった理由 テスラが築いた「高くて構わない」はもう飽和(https://toyokeizai.net/articles/-/309908)

と言う記事は、その2週間ほど前に出た下記の記事に対する評価だろう。

英ダイソン、EV開発を中止 採算のメド立たず
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50874780R11C19A0000000/
2019/10/11 4:34

この記事の中で、

採算が取れる見通しが立たないと判断し、取締役会で事業の終了を決めた。家電で培ったモーターや電池などの技術を生かし、2021年の発売を目標に独自のEV開発を進めてきたが、撤退に追い込まれた。

と記載があり、財務的な問題がうかがえる。

最初に取り上げた記事は

創業者のジェームズ・ダイソン氏はEV開発プロジェクトで開発中の車両がすばらしいものであったことを強調するが、現実的に事業の採算見通しが立たず、事業の売却にも買い手がつかなかったという。

しかし、その話は矛盾する。すばらしい製品だが採算が合わず、かつ事業の引き受け手もいないという条件は不自然である。

おそらく、ダイソンはEVのマーケット構造変化についていけなかったものと考えられる。

で始まり、うまくいかなかった背景をEVの販売戦略をからめテスラの成功要因などを解説している。

この記事自体に間違いがあるかどうかはともかく、資金調達をはじめとした財務戦略が間に合わなかったことはマーケティン戦略が間違っていいることを示しているわけではなく,戦略の組合わせの問題だろう。

以前に、戦略に正解も不正解もなく,単に選択があるだけで、成功するも失敗するもこれを実施する環境に左右されるので、もしうまく行かなければ再度戦略の選択を変えればすむ話だ。

ダイソンの記事として注目してほしいものに以下の記事がある。

ダイソンが見たEV大競争 2018年1月12日(金)
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/15/special/010900887/

この中で、とトップインタビューとして「クルマは人命を奪ってきた 我々のEVが常識を“破壊”する」を表題に以下のように語っている。

ダイソンがEVを開発する理由。一言で言えば、世界で広がる環境汚染に対して行動を起こしたいという切実な思いです。とりわけ自動車の排気ガスによる大気汚染は深刻です。この惨状を変えたい。

英国の大学キングス・カレッジ・ロンドンによると、大気汚染を理由に命を落とす人は、ロンドン市内だけで毎年9500人近くに上ります。世界で見ると犠牲者の数はさらに増え、世界保健機関(WHO)は、2012年に世界中で約700万人が死亡したと報告しました。大気汚染は、今では世界最大の環境リスクと言って過言ではありません。ここに解決策を示すことが、今のダイソンの使命だと考えています。

会社として何をすべきかの明確な未来像があり、おそらくこれに賛同しない人はいないだろうと思う。

魅力的であり、今の技術課題のいくつかを解決すれば実現可能であり、関係者を鼓舞することができる。ムーンショットとしても優れていると評価できる。

一方で、今回のEV撤退の報道は、ロードマップを描けても経済的な問題で実現することが難しいことを示している。
障害となるのは経済的な問題だけではない。技術的な問題や規制などの政治的な問題などもある。

しかし、だからといって「目指すべき世界観」を捨てても良い理由にはならない。
いつかまた、ダイソン氏が理想を実現するために再参入してくれることを期待したい。

経済的な問題しか興味のない彼らに負けてほしくない。

天は自ら助くる者を助く

<天は自ら助くる者を助く>

先日、近所を散歩しているさなかに廃墟と化しているせんべい屋などの写真をアップした。

ここは旧街道沿いにあるので厳密にはシャッター街ではないが、やはり地方都市の衰退の事例のようにも見える。

地方の活性化と云うことで事業展開に係わった知人から話を聞いたことがある。
地元は、廃校の活用や観光客や企業誘致などをしたいと考えているようなのだが、結局のところ具体的な活動には至らなかったとのことだったと記憶している。

漠然とした記憶なのだが、本音で言えば地元は切実な問題としては困っていなかったという話ではなかったのか。

ということを以下の記事で思い出した。

https://bunshun.jp/articles/-/1239
都会人にはわからないシャッター通り商店街の「本当の問題」
実は当事者たちはちっとも困っていなかった!

草加市では、「そうかリノベーションまちづくり構想」として平成27年度より草加駅東口周辺(旧道沿道エリア)のエリア価値向上のために、民間主導・公民連携の体制で「リノベーションまちづくり」に取り組んでいる。

これは、地元の人に対してと云うよりは、若者向けの活躍の場の提供という意味合いが大きいのではないだろうか。

取り組みの一つにコワーキングスペースの提供をしているグループと会ったことがある。

https://torinos.space/
Coworking space Torino’s

こんなじいさんが訪れて向こうも驚いたと思うが、こちらも気恥ずかしかった。
私自身は興味があるものの未だ傍観者でしかないのではあるが、いつか仲間になってみたい。

いろいろな社会問題など、自分ごととして解決するのだという気持ちがなければ解決しないのだと改めて思う。

私は何を解決したいのだろう。
一段落して、いろいろ悩んでいる。

「ムーンショット」を支持する

ケネディ大統領の「月に立つ」という宣言は強烈であり、目標の立て方の見本として人に話をすることがある。

先日、「I have a dream」という題材でもコメントしたが、およそトップに立つ人は魅力的な未来を語らなければならないという思いが強い。

この「ムーンショット」を語れるのも経営者の必須の能力だと思っている。
ケネディの「月に立つ」はなんとなく知っていたが「ムーンショット」という用語で経営マネジメントの世界に浸透していることは知らなかった。

雑誌としてのHBRやオンラインでのHBRを眺める機会があり、「ムーンショット」という言葉が使われていることを知った。

https://www.dhbr.net/articles/-/2260

ここでは「ムーンショット」に必要な要素として以下をあげている。

1つ目は、人を魅了し、奮い立たせるものであること(inspire)。
2つ目は、信憑性(credible)。
3つ目は、創意あふれる斬新なものであること(imaginative)。

正直に言えば、かなりハードルが高いがこれを描けることが優れたリーダーの資質だと思うし、仮に信憑性(credible)に疑義があっても、想像力で補う必要がある。
こうした「未来」を描くことで、革新は進むのだと思う。

ただし、「ムーンショット」という言葉を付ければすむという話ではない。

政府は「ムーンショット型研究開発制度」として「我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を、司令塔たる総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の下、関係省庁が一体となって推進する新たな制度」を創設している。

その活動は下記のサイトで確認できる。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/moonshot/index.html
ムーンショット型研究開発制度に係るビジョナリー会議

その最初の会議での議事録で以下のように語っている。


今般創設するムーンショット型研究開発制度は、破壊的イノベーションの創出を目指しています。従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を推進したいと考えています。

ムーンショット型研究開発制度では、まず我が国の将来社会を展望し、少子高齢化問題や大規模自然災害対応のような困難な社会課題の解決等を目指し、人々を魅了する野心的な目標及び構想を国が掲げ、その実現に向けて世界中からトップ研究者の英知を結集させる仕組みとすること。・・・また、特に基礎研究段階にある様々な知見やアイデアを最大限に引き出して、失敗を許容要しながら革新的な研究成果を発掘、育成することを基本的な考え方とし、関係府省が一体となって推進するために必要な予算、1,000億円を平成30年度第2次補正予算に計上したところであります。

悪いとは云わないが、私の考える「ムーンショット」とは異なる。必要だからやると言う発想ではないと考える。
この考え方の延長線上は、どうしても現状からの延長線上でしかものを考えられなくなる。
実際、第4回の資料からの取り組み内容を見ると、最初に以下があげられている。

2050年までにサイボーク化技術の実現(人間拡張技術)

年齢や文化、身体的な能力等の制約を超え、自らのライフスタイルに応じ、全ての人々が夢を追求・実現し得る人間拡張技術を確立する。例えば、ロボットと生体組織とを融合したサイボーグ化技術を確立することにより、老化により低下する視聴覚機能や認知・運動能力等を補強する。これにより、誰もが必要とする能力をいつでも拡張できるようになり、自らの能力の限界を打破できることとなる。
【誘発される研究開発のイメージ】
・生体融合が可能な義手・義足やアクチュエーターの開発による身体機能拡張
・デザインに基づいた組織を生体内で生成する技術
・人間の認知・思考能力、感覚、運動能力を拡張するBMI/生体融合型コンピュータの開発

内容が、いわゆる手段と目的がごっちゃになっている。世界観が最初にあり、その上でロードマップとそれを実現できる技術と言う順番だろう。

たとえば「誰もが必要とする能力をいつでも拡張できるようになり、自らの能力の限界を打破できる」世界で人々はどんな生活を送っているのだろう。それは個々人の降伏を実現するのだろうか。そして、それは居間実現できていないのだろうか。

こうした問いに答えられないものを「ムーンショット」とは呼べない。

それでも、簡単に描けない「ムーンショット」を描く努力をする人を支持する。