働く人の幸福度をはかるたった12の質問

働く人の幸福度をはかるたった12の質問

という記事を見かけた。
https://president.jp/articles/-/23978

その中に質問の和訳が載っている。

Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
Q2:仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
Q4:この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
Q5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ
Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
Q7:職場で自分の意見が尊重されているようだ
Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
Q10:職場に親友がいる
Q11:この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

なるほどと思ったのは、感情を尋ねる質問がないことだ。

社員満足度調査と称して、「満足していますか」といった情緒的な質問をしているケースが多々ある。
「・・・と思いますか」といった情緒的・感情的な質問は、その仕事の環境によって大きく変わる。その人が置かれている場面と仕事観で変わってしまうので、極端な話、季節・時間帯などで変わってしまうので、私は推奨していない。

質問数も、12質問と少なくて短時間で回答できる。

上記は単位質問と言うことだけでなく、上司と部下の面談でも活用できそうだ。
目標管理シートに組み込んではどうだろう。

自分で集計してみよう

「社員意識調査の支援サービス」で提供するものとして、個別集計ツールがあります。
標準的なアウトプットは、網羅的に集計結果を示すものですが、特定の条件での全体傾向を見たい場合があります。

こうしたニーズを満たすために一定条件のもとで平均値や構成比を算出しグラフ化するツールを提供します。

問い合わせ先は以下の通り。

(有)中野ソフトウエアサービス
メール yanakano「あっと」nss.watson.jp

※「あっと」を @ に変えてお問い合わせください。

突然「辞めます」を予見できない(社員満足度調査の意義)

少し驚くような記事を見た。

20代社員の着任初日に業者から「退職代行」電話、どうする工場長!?
https://diamond.jp/articles/-/182941

辞める理由も驚くが、退職代行というサービスも驚く。

さて、企業側からすると、社員が退職するのはうれしくない。
採用時にも教育訓練にもコストがかかっているのだから、単純にお金をドブに捨てたに等しい。
事前に予見できないのだろうか?

社員満足度調査を見て、不満足の指数が高まっている、あるいは、労働環境が悪化している、コミュニケーションがスムーズでないなどの兆候を見ることは可能だ。
ただし、こうしたことはマクロとしてはわかるがミクロとしてはわからない。

辞める理由は千差万別であり、その臨界点も個々人によって変わるからだ。
「辞めますと言い続けて今日定年」という川柳もあるくらいだ。

従って、マクロとして下記に着目しておくことは重要だ。
・会社の理念に共有できているか
・上司とのコミュニケーション機会が確保されているか
・配置ローテーションは納得の行くものか
・教育訓練は将来を見据えたものか
・職場環境・福利厚生は安心を与えるものか
・過度な労働負荷はかかっていないか
・セクハラ、パワハラはないか

こうした、離職発生のリスクを把握しておく必要がある。
社員意識調査の活用場面になる。

とは云っても、個々人の事情は読めない。

私自身は、結局会社の方針が納得できないので転職したが、これは価値観の問題なので予測できないだろう。会社に不満があったわけではない。

家庭の事情(駆け落ち)、給与の問題(結婚をするのでもっと給与の良いところ)、会社の統廃合、単身赴任の拒否、など丁寧に離職理由を探って行くと、事前に社員と調整が可能かもしれない。

人事部がいろいろなことを相談しやすいことが解決策かもしれない。

1.Satisfactionを誤解していないか

先日、読んだ本

この本は、満足度と幸福度をテーマにしている書籍で、会社とは何かを考えさせてくれる書籍だ。

その中で、「顧客満足度」に関して以下の記述がある。

満足かそうでないかはどのような基準で判断できるかというと、”事前期待”を超えられるか否かになります

これについては、確かにそうなのだが、私の考えと少し異なるので少し文章を作成した。

■ Satisfactionの訳

社員満足を、Employee Satisfaction
顧客満足を、Customer Satisfaction

と、Satisfactionを満足と訳す。

社員満足と日本語で考えているうちは良かったのだがそうもいかない。
ISOの審査員になった時に、先輩に注意された。
「英訳なので原文をきちんと見るように」と。

Satisfactionの意味を英英辞典で見るといくつかの例が出ているが、以下が端的かなと思う。

”act of fulfilling a desire or need or appetite”

直訳すれば、「欲望、必要、食欲を満たすための行動」となる。

少し曖昧なので、先輩に尋ねたところ
「要は、約束したモノが出てくることだよ」
「満足度100%というのは約束が守られたことで、それ以上を求めているわけではない」
と説明された。

あくまでも、最低限の約束を満たしているのかを確認する作業がES、CSの本来の趣旨だろう。

なんとなく「期待以上のモノ」が提供されないと「満足度が上がらない」と考えているのはおかしなことだとわかる。ES、CSは無制限の奉仕を求めていると勘違いしやすい。

では、期待以上のモノは何かを調査することは意味が無いかといえばそんなことはない。ただし、ES調査、CS調査をする際に、それは「約束したモノ」なのか「期待されているモノ」なのかを区別する必要がある。

■ 約束したモノ

社員に対しては、「働く環境」や「報い方」などが対象となるだろう。
人事制度(教育、配置ローテーション、昇級・昇格、賃金、福利厚生)全般が関わる。
また、法令遵守や上司部下との良好な関係、組織との価値観の共有なども相互に約束したモノだろう。暗黙の部分があるものの対象となる。

ビジネスパートナーとの間でも同じとがいえる。
QCDが担保されているのかが重要な視点になるが、それ以外にも下記の視点が必要だろう。
・継続して製品サービスを提供できるか
・当社の経営理念などに賛同しているか
これをおろそかにしていると、突然のトラブルに見舞われる恐れがある。
ビジネスパートナーの満足度を調査している会社はほとんど無いが、本来はするべきだろう。お互いが何を期待しているかを判断する必要がある。

B2Bではどうだろう。
・QCD特に納期が守られているか
・不良品を納品していないか
・クレーム対応は適切に行われているか
・担当者とは密に連絡を取っているか
・新しい提案を顧客にしているか
等が考えられる。

B2Cでは、すこしやっかいかもしれない。
確実に見れるモノは直接的な評価は売り上げになる。

買ってくれなくなった顧客は何も話をしてくれない。
来なくなった顧客が事前に理由を言ってもらえるとは思えない。
よくレストランやホテルなどにアンケートが設置されているが役に立っているのだろうか。

それでも、提供を約束しているモノ(接客の態度や時間、ホテルならばリネン)について訊ねるのは悪いことではない。

■ 期待されているモノ

期待されるモノは少し抽象的になる。
情緒的に聞く方がかえって良いだろう。

「今やっている仕事は、あなたにとって価値があるか」
「この仕事を長くやっていたいか」
「自分の意見を上司は聞いてくれるか」
「仕事上のストレスはないか」

など、モチベーションを左右する事柄を中心に聞くと良いかもしれない。
期待は、「感情的」なものであり、そのときに回答する立場の人が置かれてる状況に左右される。

質問項目にすることは反対しないが、下記のように「ではどうするのか」につながらない恐れがある。

■ Satisfactionの向こう側

ES調査にしても、CS調査にしても興味本位の質問をするべきではない。
興味本位というのは、「単に知りたい」という欲求を満たす質問である。
それはどんな質問か?
こう聞いてみれば良い。

「この質問に対して意図した結果でない場合には施策をうつのか」

満足度を聞いて、その後にどうするのかも考えておく必要がある。
状態を知りたいだけで、人事施策やその他の行動計画に何ら影響を及ぼさないのであれば聞くべきでない。
回答した人間にとっては、回答したことでなんとかしてくれるという期待が起きるからだ。
何もしてくれないとしたら、調査自体への信頼性がなくなる。

さて、「満足か?」を聞いてどうするか?
その先を考えない、ES調査、CS調査はすべきではない。

2018年7月1日

社員幸福度 Employee Happiness 社員を幸せにしたら10年連続黒字になりました

■ JQAAセミナー

昨日、JQAAのセミナーが開催された。
表題は「「社員のEH(Employee Happiness)を高める組織活性化活動」~社員幸福度が上がれば行動と成果が変わる~」

日本経営品質賞の活動にかかわっている人なら、ピアズという会社の名前は聞いたことがあるはず。
その、会社を担う吉井さんの講演だ。

非常に面白い話で興味深いが、「それじゃあ、うちの会社でも」といって気軽にできそうもないことのオンパレード。
「赤ちゃんを伴って出社を認める」なんてのは、ケースとしては面白いが、自分の知っている会社の範疇ではまずできない。
そんなことはないというなら「やってみな」と言いたい。口だけならだれでもいえる。

内容が濃く、会社とは何かを考えさせられる意義のあるセミナーだった。

「社員幸福度 Employee Happiness 社員を幸せにしたら10年連続黒字になりました」
という本を上梓しているので、多少はその雰囲気を知ることができるが、やはり吉井さんの話を聞いてもらいたい。

興味のある人は、吉井さんに連絡を取ってみるとよい。
いくらでも話をしてくれると思う。

■ EHとES

『社員幸福度 Employee Happiness』というのはピアズの独特の言葉なのかもしれないが、考え方は実にシンプルだ。
もともと、『社員満足度 Employee Satisfaction』は間違ったと考えている。
”Satisfaction”は言ってしまえば、「約束が守られているか」と単純に考えるべきであり、満点を目指すべきもので客観的に評価できないと困る。

わかりやすい例でいえば、「給料の遅配はないか」「残業代は正しく支払われているか」が満たされることがSatisfactionだろう。
顧客との関係でいえば、QCDが守られているかなどが要素となる。

これに対して、「仕事にやりがいを感じますか」に代表される意識調査はSatisfactionとは一線を画す。
こうした情緒的な質問は、回答者の置かれている環境(仕事の忙しさや、お客様対応のストレス、上司や部下との関係性など)で大きく変わってくる。環境変化に左右される事柄だ。

こうした調査項目をESと称して含めていることに違和感があったのだが、今回の講演を聞いて、ESとEHはやはり分けて考えるべきものだろうと感じる。

ES調査は、組織が従業員に訳した機能面を調べるべきもので、EHは、社員の働き具合を左右する環境に着目して調査すべきだと思う。
前者は、経営資源の取り扱うメカニズムを、後者はどんな働き方をしてもらいたいのかの環境を含めたモデルがベースとなる。

アプローチは全く異なるということに気が付かされた。

■ ESで見るべき機能面

なぜES調査をするのかといえば、組織が期待した成果を創出するために作っているメカニズムが正確に機能しているかの確認になる。
したがって、調査項目は、具体的な行動や状態を対象としなければならない。
もっとも、どうしても情緒的な聞き方を避けることができないことは事実だ。
しかし、聞く対象は具体的である必要がある。
カテゴリーとしては以下があげられる。

(1)HRMの制度に係る事項
成果を創出する中核となる経営資源がヒトであるならば、それを管理するメカニズムが正常に機能しているかを確認する。
現場にニーズに合った採用・調達の妥当性。教育やフォロー、配置、評価、報酬、キャリアアップなどの話題になる。
自社の施策の重点項目を確認する必要がある。

(2)権限と責任
ヒトを束ねる組織には一定の階層構造があり石決定のメカニズムがある。
権限の付与、意思決定のプロセスが意図通りに行われているかがポイントとなる。
また、上位者の意図が階層に確実に伝わっているのかもキーとなる。

(3)コミュニケーション・意思疎通
成果を出し続ける組織として円滑に活動が行われているかを左右することにコミュニケーションがある。
制度として会議体があるかどうかなどを聞いてもあまり意味はない。
この分野は情緒的な聞き方にならざるを得ない。
ただし、聞き方としては「上司は部下の疑問に答えるために時間を割いているか」など具体的な場面を想定した方が良い。
上下関係、同僚、他部署など社内での意思疎通をするルートをカバーすること。

(4)報酬・福利厚生
行った活動の評価や報酬制度、福利厚生などが制度としてあるなら、実際の活動、利用の有無などを行われているかを確認する。
有給休暇などを取得しているかどうかなども明確に答えられるはずである。

(5)コンプライアンス
企業の存続を危うくするリスクについて、実際の発生状況を確認することが望ましい。
セクハラ、パワハラ、情報セキュリティなど多岐にわたる。
何がリスク化を教育を受けているか、意識した行動をしているか、事故が起きているかなどが関心の対象となる。

■ EHで見るべき機能面

ES調査の結果との相関を見る対象としてEHの調査を考えることができる。
一般的に、モチベーションの3要素として、ふさわしい仕事/ふさわしい環境/ふさわしい報酬が言われる。
「ふさわしい仕事」には、単純に仕事の内容だけではなく、仕事を選べる環境や仕事の意義を話し合える環境、社会からの評価なども含まれる。
「ふさわしい環境」は、単純にオフィス環境だけでなく、決定権限など環境を自分で管理できる範囲などもある。
「ふさわしい報酬」は金銭的なことだけではない。他者からの賛辞、仕事を選ぶ権利、いろいろなものがある。
社員の家族も含めて考えることも必要であろう。
また、退職したいという人へのフォローなどもここに含めてもよい。

■ 調査の仕方について

ES調査、EH調査と明確に分ける必要はないかもしれない。
調査の目的を明確にすること。また、回答結果の特性(定性/定量の度合いなど)をしっかり意識しておけばよい。