我々は未来の奴隷である


■平凡な目標が危険な理由

かつて事業計画の作り方で議論をしたことがある。その企業は、更なる成長のために挑戦的な気概で社員に事業を進めて欲しいと願っていたのだが、失敗が怖いのか、「前年度から3%増」といった平凡な財務指標を掲げる傾向が強かった。

「それはどうやって実現するのですか」
「今やっていることをしっかりやれば達成できます」
「それは経営者が求める”成長”を意味しているんですか」
「・・・」

何もしないで業績を維持できるわけではなく、彼らなりに努力はするのだろう。しかし、今できることの延長で目標を立てると、それ以上の行動を引き起こせない。ブレークスルーや技術革新は偶然に任せるしかなくなる。

それは緩やかな死を意味する。

■できるかできないかではなく

できることをしっかりやることを否定はしない。それはそれで大切だから。しかし、未来を見据えているときに「できること」しか念頭に置かなければ、未来は現在と同じである。未来は「やりたいこと」を念頭に置かなければならない。

なぜならば、やりたいことをなすためには「現在の不足」を補うための行動があり、それは「やりがい」につながり「幸福」を生み出すからである。

かつての大航海時代の未来版である「大宇宙航海時代」を夢見てスタートレックを見ていた人々も多いのではないだろうか。宇宙で使える建機は、今夢見れる一つの姿である。

○鹿島建設など、月面想定の自律遠隔施工を実証実験–「永久陰」での技術を確認
2023.11.08

鹿島建設は11月8日、自動遠隔建設機械による月面環境での作業を想定した実証実験を実施したと発表した。同社は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や芝浦工業大学と2021年から国土交通省の公募事業「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」に参画。鹿島建設を代表者として、研究開発を進めてきた。

今回、鹿島建設が神奈川県小田原市に所有する約2ヘクタールの実験場「鹿島西湘実験フィールド」と、JAXA相模原キャンパスを結び、自動遠隔建設機械による月面環境での作業を想定した実証実験を実施した。

https://uchubiz.com/article/new31451/

夢見る先にしか未来はない。

■未来に左右される

未来を夢見れば、それに向けて今目の前にある課題に接することになるだろう。
それは、行動や判断を限定的にしてしまうリスクもある。

我々の言動は自分の描く未来の奴隷のような存在である。
であるから、余計に未来を描くことを重視して欲しい。

(2023/11/19)