知らないことが多すぎる。 かつてフリーのSEとして活動を開始したころはインターネットなどは普及しておらず情報は専門家が独占していた。また、書籍なども限られており、英語の文献を和訳したものは質が悪く、日本語自体が難解だった。 インターネットが普及し、ネットで検索することが容易になると情報を独占することができなくなった。そのため、何かしらの専門家として活動をしてゆくためには、顧客を凌駕する程度の知識は必須になった。 しかし、インターネットから得られる情報はどこからかの引用であったり、裏付けのない断片的な情報であることが多い。専門の組織が発信する情報は信頼度が高いにしてもそれだけではいわゆる論文の要約的なものでしかない。 自分の考え方をしっかり確立し、責任ある言葉にするために知らないことが多すぎる。 知識習得の王道は昔から変わらない。書籍を読み、教えを乞うというやり方だろう。教えを乞うためにも知識の習得が必要になる。 まだまだ、目にしていない書籍が多い。すべてに目を通すまでにはまだまだ時間がかかると思う。書籍探訪は、目にした書籍で、これは自分にとってどんな意味があるのかという視点で整理したい。
書籍探訪
記事一覧
- 2019年10月24日
- 「ひとり起業」の強化書
- 2019年8月3日
- 労働法入門
- 2019年3月3日
- イノベーションの原理
- 2019年1月13日
- 社員満足度調査を行う意義
- 2019年1月7日
- 『善とは一言に言えば人格の実現である』
- 2018年12月12日
- 経営者の困りごと(社員は辞めてしまう)
- 2018年11月17日
- GDPマイナス 景気の足踏みを長引かせるな
- 2018年10月28日
- ガバナンスを人任せにすることの危険
最新記事
「ひとり起業」の強化書
残念なことに、成果を上げられない起業家の多くが「自分の強みが明らかになっていない状態」で事業を行っているのです。
で始まる本書は、天田幸宏さんが3000人以上の起業家との対話の中で見つけた普遍的なことをまとめた本になっている。
天田さんの経験と随所にドラッガーの言葉を引用して、彼が見いだした成功している起業家の共通点の7つについてまとめられている。
①「強み」に基づいた事業を選択していること
②明確な「コンセプト」を打ち出していること
③変化する「顧客ニーズ」にきちんと応えていること
④「独自の市場」を気づいて価格競争に巻き込まれないこと
⑤「理想の顧客」をつかんでいること
⑥顧客を巻き込んだ[コミュニティ」があること
⑦魅力あふれる「ストーリー」を語ること
天田さんとお会いしたのは、今の会社を起業して数年たった頃だろうか。本書を読むと、当時はまだリクルートの「アントレ」の編集者だった時代だろう。熱量を感じる方だったのを覚えている。
その後も何度かお会いしているが、本書に感じられるような誠実さをお持ちの方である。
確実に夢に向かっているのだとうらやましくもある。
私はと言えば、30歳の頃にひとりで仕事を始め、20年前から自分の会社を起業しているものの、とても成果が上げられているとは言えない状況が続いている。この本で示している7つのことがどれも実現できていないのだから当たり前と云えば当たり前だ。
さた、この書籍。奇をてらっているわけではなく、戦略とは何か、価値とは何かと云った普遍的なことに対し真っ正面に議論がされている。
今うまくいっていない起業家もこれから「自分の働き方」を求めて行く人にも読んでもらいたい。当たり前のことをしっかりやることの大切さに気がつくだろう。
灯台のように自分の事業のチェックポイントにしても良いのではないかと思う。