吉田博展を見て

吉田博展

吉田博展を見に行ってきた。

今月末まで東郷青児記念博物館で開催されている。妻が、こうした芸術的なことに造詣があり、たまに会話の中で展覧会などの情報をもらえる。急遽夏休みとした。

吉田博は1876年生まれで、水彩画、版画など多くの作品を残している。私はあまり知らなかったのだが、木版画としてとても有名で、同じ版画家として川瀬 巴水などとも名が挙がることもあるようだ。

作風は、水彩画を起点としているせいだろうか、川瀬 巴水が明るい色でシャープなのに対し、吉田博の作風は、グラデーションが際立っており、色も抑え気味でむしろ暗い。朝夕での切り取りが多いのもそのせいかもしれない。

作品は、水の揺らぎや人のちょっとした仕草なども表現されており世界の一瞬を切り取った感がある。人がかがんでいる姿勢や、雪かきなどしている動作、かまどに火をくべている所作などがある。

作品の多くに人が描かれている。当時の風俗などもわかって非常に興味深い。

もともとは、水彩画から出発しており、作風も「中心に道を奥に向かって眺め、両脇に樹木や家並みなどを配置する」という画風が特徴になっている。

初期の水彩画などはその特徴を色濃く持っているが、後期はそれが少し薄れてゆく。

水彩画といっても、その細かさは目を見張るものがあり、また水の揺らぎなどで表現される景色は立体的に見えるなどその技巧には驚かされる。「画の鬼」と称されるのもの理解出来る。

今日は少し暑いが、今月末までということなので急遽、新宿まで見に行くこととした。驚いたのがかなり混んでいたこと。平日の昼間だというのにどこからくるんだと自分たちのことはさておき感心してしまう。

展示数はかなり多いとはいえ、全部見るのに一時間半もかかってしまった。しかし、際立った技術を持った芸術家の作品というのは見ていて飽きない。機会があればまた行ってみたい。

新宿の東郷青児記念美術館でやっているのだが、ここには「ゴッホのひまわり」もある。

休日に美術館を訪ねるのも良いかもしれない。

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