日本アイアイファンドの活動も15年を超えました

先週の日曜日にアイアイファンドの報告会に行ってきました。
 
日本アイアイファンドの主旨に賛同して理事に名を連ねてから15年にもなります。
 
日本アイアイファンドの創設の宣言には下記の宣言が記載されています。
 
2001年に日本にやってきたアイアイたちは、マダガスカルの森がどれほど危機に瀕しているかを訴えるメッセンジャーだった。そこでは、年々15~30万ヘクタールの森林が焼き払われ続けており、このままでは35年以内にすべての森林が消滅する(東京23区5万9千ヘクタール)。それは世界のサルたちの半分に近い特別な原猿たちや世界のカメレオンの過半数が、世界のバオバブの大半や特別な生き物たちの長い、長いリストのすべてが失われることを意味している。その上、残された焦土に人々の限りない貧困が続くこともまた意味している。
世界の片隅の小さな活動が世界を変えることは単純にはできないかもしれませんが、それでも放置をしていて良い問題ではありません。
「アイアイ」という歌は知っていても、その姿を知っている人は少ないかもしれません。
保護区では、その姿を捉えることが可能ですし、日本でも上野動物園で見ることも可能です。
保護区内キャンプ地に現れたアイアイの子ども(写真:阿部雄介)2013年11月16日
これらの動物がすむ森をつくろうと、マダガスカル現地で植林活動も行っており順調な広がりを見せています。
日本アイアイファンドには若い人も賛同してくれていますがまだまだ知名度は低いです。
そのため、活動資金不足には常に悩まされ続けています。
マダガスカルで活動を進めるためには年間200万円程度の資金が必要ですが、全員に頼っているためになかなか大変です。
日本アイアイファンドのホームページは以下の通りです。
ぜひ賛同いただき、寄付という形で参画していただければ幸いです。

2018年秋 南伊豆 先日の休暇の記録

少し足を伸ばし、南伊豆での休暇を楽しんだ。
目の前の弓ヶ浜は、季節外れと言うことでヒトはほとんどいなくて静かな海が目の前に広がっている。

キャンプやバーベキューなどは禁止されており、砂浜にはほとんどゴミはなく、気持ちの良い景色を楽しむことができる。

それでも夏場は海水浴のお客さんでごった返すのだろう。

磯の香りはほとんど無く、潮の香りさえない。
知人に訊いたところ、「おそらく海藻がないんではないか」とのこと。
そういえば伊豆半島の海は岩礁が多く、噴火によってできあがった半島なのかもしれない。

現在は伊豆縦貫道を建設中とのこと。交通の便の悪さがこうした落ち着いた景色を残しているのかと思うと少し複雑な気がする。

いろいろ事情があり、あまり遠出ができない中で今まで訪れたことがない場所に休暇の地を求めてきたのだが、思いのほか喧噪とは無縁の地に立てたことは感謝。

2018年秋 西伊豆旅行

沼津港深海水族館
 
伊豆沖は急激に深くなっており、深海の宝庫だそうだ。
息子が「ダイオウグソクムシ」を見たいとのことで見学。
平日だというのに混んでいるのにはびっくり。
 
ここの売りは「シーラカンス」と「ダイオウグソクムシ」なのだが、そのほかの深海生物も展示の仕方が工夫されていて飽きさせない。
 
冷凍したシーラカンスなどは「こんなに大きいのか」と感心させられる大きさになっている。
目のところに光バクテリアを保持して暗闇で光さかな
ピクリとも動かないオウムガイ
周りの珊瑚と区別がつかないカサゴのようなさかな
基本深海に生きるさかなは目の前に餌が来ないと動かないのかじっとしている。
 
館の人が暇なのかいろいろ話をしてくれた。
・水槽には圧力はかけていない。深海から徐々に引き上げてならさせる
・内部の空気が膨張したら針で抜く
・光と水温の調整で環境を整える
・初めて飼育するものは難しい。海外に問い合わせたり、死んだものを解剖して、胃の内容物で餌を調べる
・単純に見つかったから展示されるわけではない。計画的に行っている。研究活動としても大変
・食べられる魚が多く、美味しい
 
意外と広いのと展示されている魚が多いので飽きない。
「水族館なんて」と言って馬鹿にしないで行ってみてはどうか。

GDPマイナス 景気の足踏みを長引かせるな

という記事を見た。
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20181114-OYT1T50138.html

GDPが悪化すると良くないという記事もある。
https://president.jp/articles/-/25251

本当だろうか。

なんとなくGDP(国内総生産)の記事を読み飛ばしているが、経営マネジメントを考える立場として、読み飛ばして良い記事なのだろうか。

ということで少し調べてみた。

大雑把な表現だが、GDPは以下の数式で表される。

GDP=消費+投資+政府支出+輸出入

さて、では実際の数字はどのぐらいだろう。
内閣府のホームページで調べることができる。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/kakuhou/files/h28/h28_kaku_top.html

国内総生産(支出側・名目・年度)を見てみよう

グラフにしてみる

グラフにするとわかるのだが、国内総生産はリーマンショック直後は急激に落ち込み、自民党が政権を取ったあたりから回復基調にあることがわかる。
2009年には490兆円であったものが2016年には540兆円まで回復している。
その内訳を見ると、民間最終消費支出が270兆円であったものが300兆円に増えている一方総資本形成が147兆円から一時期は100兆円まで下がり、2016年でも127兆円までしか回復していない。民間の設備投資などが進んでいないことがわかる。
これをカバーしているのが政府最終消費支出であり、1994年に76兆円から106兆円まで増えていることがわかる。

一般にGDPが伸張しないということは経済活動が停滞し豊かな暮らしが維持できなくなるということが指摘されている。
経済成長が止まれば、国内の企業競争力も弱まり、結果として財政上も望ましい状態ではなくなる。
単純にGDPをあげるだけであれば、公共投資を増やせば良いのだがこれでは対処療法的にしかならない。

マクロ経済学的に見れば、長期的成長を担保するものは生産性向上と言われている。
生産性向上を実現するためには
・物的資本の増加(最先端設備の拡充)
・人的資本の増加(高度な専門技術者の教育)
・技術の進歩
が必要になる。

こうしてみると、政府が行おうとしている「働き方改革」「入管法の改正」や、先端設備の導入に関する補助金による支援なども目指している方向性がわかる、

設備投資を進めるためには金融機関から企業に回るお金を増やして行くか、市場にお金が回る施策を平行して勧めざるを得ないだろう。

当然金融機関は、スルガ銀行のようにザルの審査で貸すことはできないが貸し出し機会を狙っていると考えられる。

老朽化施設の代替という視点ではなく、市場拡大という視点で最先端設備を入れるという視点では周囲の協力を得易いであろう。

また、人的資本の確立も重要になる
リストラという選択肢ではなく、教育と再配置を確り考えるべきだろう。

(参考) GDPと経済政策については下記参照

 

リストラは有効な戦略になり得るのだろうか

最近、リストラの記事が目につく。
先日も下記の記事を見た。

第一三共が3回連続「中計未達」、がん事業頓挫ならリストラも
https://diamond.jp/articles/-/185175

実際にはまだリストラに至っていないのだが、第一三共はここ数年でリストラを繰り返している。

第一三共、退職金6千万でリストラに続き、部課長一斉削減策…巨額買収で7年空費、巨額減損
https://biz-journal.jp/2016/11/post_17260.html

2014年から役職定年を早めたり、早期退職制度で人員を削減している。

本来のリストラは、事業の収益構造を抜本的に改革し、成長戦略を推し進めることにあり、例えば中期経営計画などに基づき事業を進めるに当たって、現行の人的資源では対応できない場合に再編に伴う増減はあり得るだろう。

しかし、人員が余剰だからという理由(コストカット)で退職を促すというのはかなり危険な手法に見える。

一般的に、十分に戦略との整合性の理解を得られないままでの人員削減は
・会社に対する信頼関係を損なう。モチベーション低下につながる
・外部でも通用すると判断した優秀な人材から出て行く
といわれている。

したがって、会社の行うべき手順としては

(1)事業戦略の明確化と納得性の確保
(2)事業戦略の中での社員個々人の位置づけの明確化
(3)再配置と教育の考え方の同意と実施
(4)排出する人材のセカンドキャリアの支援

となる。
特に、新しい戦略の中で「私は何を期待されているのか」を明確にしないで部門の統廃合をすれば、不信感を持ち優秀な若手から退職して行く事態になる。

これは何も業績の悪くなってゆく会社だけではない。
事業を拡大して行く際にも注意が必要になる。

訴訟リスクと社員の自主性をどうバランスさせるか

以前にも見たが、また下記の記事を見た。

TDL着ぐるみ訴訟で運営会社が弁論 「過重労働」「パワハラ」とも争う
https://www.sankei.com/affairs/news/181113/afr1811130008-n1.html

実際に過重労働があったかパワハラがあったかは問題ではない。
問題は、こうした訴えは社員が辞めた後で起きうると言うことだ。

TDLとえば誰もが憧れる職場だったと思う。
社員は自主的によかれと思うことをやっていたかもしれない。
しかし、皆が皆そう思っていないかもしれない。

社員のためによかれと思っていること、社員が自ら良いと思っていることが訴訟リスクになりかねないと感じることがある。

(1)社員旅行や運動会
社員旅行や運動会が盛んだったのは、今から30年以上前だったと思う。
しかし、社員の参加意欲が下がり、企業側も経費節減などで多くの企業で取りやめていった。近年はまた社内の一体感を醸成するものとして復活させる傾向にある。という記事を見たが。
私が最初に在籍していた会社でも盛んだったが、私自身はあまり人と関わるのが上手ではなく、宴会で芸をやらされるのが苦痛だった。

(2)朝礼
元気のある会社と言うことで事例を目にする機会がある。
大体の企業で、朝礼でスピーチさせる、大きな声で各人が今日の目標を叫ぶ。
ハイタッチでみんなと思いを一つにする。など、社員とのコミュニケーションの確保、社員の意識向上を狙っている。
しかし、これもなじめないという社員はやめざるを得ない。
募集要項に「社員同士で積極的に交流できること」と言うことがあるならともかく、人と話をするのが苦手な人は身の置き所に困るだろう。
結局辞めざるを得ないとしたら、これはハラスメントではないのだろうか。

(3)自主的な勉強会
資格取得を会社が求めているときに、社員が自主的に勉強会を開くことがある。
その時間を勤務時間外で行い、残業時間として申告しないというケース。あるいは本来休憩をのための昼休みに勉強会を開催するという事例。
社員の自主性が高いと自慢をするのは軽率だろう。会社が必要としているなら業務命令だろう。
会社を辞め、その資格が不要になるならあまり本人とっては意味は無い。
いやいややっていましたと言われたら労基法上の関わりが出てくるかもしれない。

ここで問題になるのは、その訴えが正当かどうかではない。
訴訟を起こされることで、地域に根付いている企業であればあるほど名誉が毀損されかねないと言うことだ。
直接的な経済損失は少ないかもしれないが、リスクとしては見ておく必要がある。

社員満足度調査の属性区分について

昨日、回答性向に属性による違いが無いかを検証する手段として、χ2検定について記載した。

新卒採用と中途採用では「生きがい」に違いがあるのか

前提条件とする考え方は統計や数学の世界でもある。
代表的なものは「大数の法則」だろう。

これは「試行を繰り返すと、その事象は本来持っている確率に近くなる」というものである。わかりやすい例では、サイコロを振って出てくる目は、最初の1回目では、例えば「3」が出れば、「3」は100%で、他の目は0%であるが、1万回もやれば、ほぼほぼどの目も均等になるだろうということで考えてほしい。

ところで、これは「少ないサンプルでは判断してはならない」と言うことにつながる。

さて、これは「社員満足度調査」の属性を設定する際にも注意が必要になる。
あまりに属性対象者が少ない区分を対象としない方が良い。
目安として、10人に満たない場合には避けた方が良い。

主に、下記の3つになる。

(1)高齢者もしくは若年者
定年延長などの問題があるために、60歳以上、あるいは雇用としての嘱託社員を対象としたい気持ちはわかる。しかし、サンプル数が少ないのであれば、個別に対応すべきで、調査の属性区分で、例えば、50歳代、60歳以上という区分は避けるべきだ。
同様に、20歳未満も辞めた方が良い。
もっとも、対象区分が一定数以上いるのであれば別だ。

(2)管理職と一般職
管理職層も細かく分けたいという欲求にかられる。部長、工場長、所長など、職責に違いがあるので聞きたい気持ちはわかる。
しかし、工場長と工場勤務者の違いを知りたいのであれば、別の調査方法になる。
データをどうとるかは別にして、大きく、管理職層と一般職層で区分した方が良い。

(3)所属、職種
どのような働き方をしているかを見たいというニーズはわかる。しかし、あまり細かく属性を区分するとサンプル数が少ないということの他に、個人を特定してしまうというリスクがある。これは、調査に回答する側からすれば、後で何か言われるのではないかという不安感を与えることになる。属性区分は5つぐらいにとどめるべきだ。

さて、属性区分を細かくしないと実態がわからないという声があるが、統計的に傾向を分析するという話と個別の課題に対応するという話を混在している。
細かく見たければ、社員一人ひとりにインタビューをするべきだ。
目的が違うので注意してほしい。

新卒採用と中途採用では「生きがい」に違いがあるのか

例えば、「仕事に生きがいを感じている」という問いに、「はい」から「いいえ」について下記の回答を得たとします。

はい どちらかといえば

はい

どちらとも言えない どちらかと言えば

いいえ

いいえ
新卒採用 15 65 71 24 15
中途採用 14 50 30 1- 1

さて、「仕事に生きがいを感じている」という問いに対して、新卒と途中とでは異なる回答性向を示しているのでしょうか。
より具体的な問いかけとして、新卒の方が「「仕事に生きがい」を強く感じているのでしょうか。もしくは中途採用の方がその思いは強いのでしょうか?

グラフを見ると下記のような感じになります。どうでしょう。

仮に新卒と中途では全く回答の仕方が同じであれば、新卒の「はい」から「いいえ」の回答の比率と、中途のそれは全く同じになります。

上のデータでは新卒は190人、中途が105人となっているので、仮に新卒と同じ比率で中途が答えたとしたら、8人、36人、39人、13人、8人の回答になるはずですから、実際には否定的な回答が少ないことがわかります。

では、この結果から新卒と中途の人の回答には差があると判断して良いでしょうか。

こうした問いに答えるために統計の世界ではいくつかの手法が用意されています。
それがχ2検定という手法です。

χ2検定とは何かと言えば、二つの事象がお互いに独立しているかを調べるもので、専門的には以下のように記載されます。

「2つの事象AとBについて、その同時確率P(AB)がAの確率とBの確率との積となるならば、すなわち P(AB)=P(A)・P(B) となるならば、AとBは独立であるという」

独立の程度を図る指標としてχ2値を計算し、0.01未満であれば、差があると認められるというものです。

上記について計算するとχ2値は、ほぼ0.01であり、差があると判断できます。
これは実際のグラフを見た結果と直感的に合います。
中途の方が、目的意識が高いという仮説と矛盾しません。

しかし、この説明でわかるためには、大学の教養課程の統計の知識が必要になります。
普通の人にはわかりにくいですね。
そのため、あまりχ2検定まで行っている例はありません。

しかし、回答傾向を直感で見ること自体は良いのですがもう少し科学的な手法を使った方が良いでしょう。

当社が用意している「ドロップダウン集計」ソフトウエアは、想定される集計表とグラフ、χ2検定を一括で行うためのものです。

現在、Vectorで公開するために準備中です。
ただし標準版はあくまでもサンプルになります。個別企業ごとにカスタマイズが必要になります。
興味のある方はお問い合わせください。

なお、χ2検定については下記が参考になります。

https://bellcurve.jp/statistics/blog/14038.html

http://www2.tmig.or.jp/library/kango/2005-kango-kenshu-3/kango-text2005%20×2.pdf

社員満足度調査での自由回答を眺めるだけにしていませんか

○ 放置される自由回答

社員満足度調査を行う企業が多くなってきている。
背景には、社員満足度調査に関する情報がネット上でも普及しており、安価なサービスが出回っていることも背景にある。
また、集計ソフトなども整備されており、Excelを活用すれば一定の調査結果を作成することが可能になっている。
一方でそうした事例を数多く見ていると、自由回答の結果を有効活用している事例が少ない。
それは自由回答の持つ特性には、
・局所的である
・事実確認ができない曖昧さがある
・感情的なものになりがち
ということもあり、取り扱いには苦慮しているようだ。
一般的には、一覧にして眺めているようだが、どうしても分析が情緒的・直感的なものになってしまい、思慮の欠けた施策展開になりやすい。
一覧を眺めているだけでは、分析に発展することはできない。
一定の統計的分析が必要になる。

○ 統計的に分析する手順

統計と言っても、いわゆる多変量解析を中心とした専門の統計分析にまで手を出す必要は無い。簡単な頻度分析で十分だ。
その手順は以下の通りになる。
(1)出現する単語(キーワード)の集計
仮説として、下記を前提にする。
・自由回答には社員の本音が含まれている
・焦点となる単語は繰り返し出現する
従って、最初にすべきことは「どんな単語がどの程度出てくるのか」を調べること。
いわゆる「形態素解析」で行うことになる。

(2)セグメント分類
次に、その単語は、社員満足度を左右する事柄のセグメントとどのように対応しているのかの仮説を立てること。
セグメントは、社員満足度調査の調査項目と対比することが望ましい。
例えば、下記が考えられる。
・機能面(福利厚生、採用、教育、再配置、報酬)
・運用面(コミュニケーション、セクハラ・パワハラ、女性活用、上下関係)
・感情面(漠然とした不安、会社へのロイヤリティ、過重労働)

(3)自由回答の精査
組織全体の大まかな枠組みが決まったら、実際の自由回答を精査してセグメントごとに分類を行うと同時に代表的な意見をピックアップする。

(4)施策への展開
最終的には、こうした自由回答が出てくる背景が、個人ごとの問題なのか、部門や特定の職務に固有の特性によるものなのか、組織全体の仕組みの問題なのかを判断する。
こうした判断は、属性ごとの集計などを行うことで明らかになって行くケースも多い。

○ 分析すべき自由回答の量

さて、こうした自由回答の分析は、いつも有効とは限らない。
配慮すべき事項は、回答率と回答数になる。

(1)回答率回答率の注意すること。
20%以下であれば、自由回答を元に政策決定は控えた方が良い
局所的な問題になる恐れがある。
特にセクハラ、パワハラは特定の個人に帰着する恐れがある

一般的には、30%前後になる。
30%以上であれば一般化しやすく統計分析の価値がある。
40%を超えて回答されている場合には、会社はなんとかしてくれるという期待
の表れであることが想定される。聴きっぱなしにしないことが大切になる。

(2)回答数
回答率に関わりなく、300以上の回答があれば、何らかの統計処理が望ましい。
自由回答が300を超えると、目視だけでは傾向分析ができないことが多い。
最終的には、一文一文を精査する必要があるが、まずはどのような単語が多く出てくるのかを統計的に集約しておく必要がある。

○ 自由回答を社員満足度調査に含める場合の注意点

個人的な問題にならないように質問文を工夫することが求められる。
回答を得た後で施策に展開できないような質問はしないこと。
「困りごとはないですか」などと言った聞き方は、漠然としている上に、個人の相談になりかねない。
焦点を絞ること。抽象的でも下記の程度で抑えること
・会社の制度で変えてほしいこと、維持してほしいこと
・会社の○○戦略(例えば、グローバル戦略)についてご意見をください
ただし、「会社を働きやすい環境にするためのご意見をください」といった、何に活用するのかを明確にした設問も良い。
なお、無記名と言っても、属性データ等で個人を特定できてしまうという不安は残るので、「個人を特定してアクセスしない」旨は明記しておく必要がある。

○ 支援サービス

こうした統計分析を行うためには、一定の情報処理技術が必要になる。
特に形態素解析は、オープン系のソフトとしてMecabがあるとしても、なれないとどう使って良いかわからない。
当社ではすでに自由回答の分析と報告には実績があるので、上記の

・単語の抽出と傾向分析
・テーマなどの対応の設定
・個別回答の読み込みと分類
・集計と傾向分析
・施策策定への助言

を支援することができます。
具体的な内容については、お問い合わせください。

社会的責任としての雇用の継続

昨日、「経営品質協議会 会員月例研究会 2018年11月」として、藤本隆宏先生の講演を聴いてきた。

題目は「良い設計の良い流れとしての経営品質 強い現場と強い本社の成立を」ということで、経験が豊かな先生らしく多くの話が出ていた。

話は多岐にわたるのだが、その中で「現場の多面性」として
・産業との関わりでは付加価値の創出
・企業にとっては利益貢献
・地域にとっては雇用維持
ということを取り上げていた。

生産性向上を隠れ蓑にリストラを行えば社会的信用を失うという文脈になる。

そういった中で、最近の人員削減の記事は気になると同時に対照的な内容になっていると感じるものがあった。

○ ソフトランディングとしての人員削減

東芝、7千人削減へ 希望退職も、固定費を圧縮
https://www.sankei.com/economy/news/181108/ecn1811080013-n1.html

この数字だけ見ると、少しセンセーショナルに見えるが、企業規模からすると無理ではない数字かと思う。実際に記事の中にも以下のくだりがある。

人員削減は、8日午後に公表する中期経営計画に盛り込む。東芝のグループ従業員数は今年6月末時点で約13万2千人。今後は、毎年1千人前後の退職者が出る見通しとなっている。

仮に定年を60歳として、59歳の人員構成比率を1%と見ても、毎年千人程度自然減になるし、中途退職比率も、2%前後を見れば、この数字は無理のない数字になる。
新卒採用計画も東芝のニュースリリース
https://www.toshiba.co.jp/about/press/2018_03/pr_j2301.htm
でも2018年度に2000人程度であるので、これを半分程度に抑えることで目標は達成されるだろう。

人材の投入場所の工夫は必要だが通常の人材マネジメントの戦略の範囲であり、特段にニュースにするものでもないだろう。

○ 誤解を招きそうな富士通の削減

以前、取り上げたことがあるが、富士通の下記のニュースは気になる。

富士通、事務部門スリムに 5千人異動、営業などに転換
https://www.asahi.com/articles/ASLBV4FXBLBVULFA01Q.html

経験的には、専門能力の必要な部門配置は再教育が必要になり、教育コストが馬鹿にならないことが多い。
例えば、総務を製造現場に配置換えする、経理を研究開発の部門にというのは無理がある。
経験のないものをシステム部門に配置させて自殺者を出した例もきく。

同じIT技術者でも、レガシー技術者をオープン系に配置換えできないのでリストラすることもあった。

さて、上記の記事は、退職の話ではなく再配置の問題だ。
純粋に再配置ならば良いのだが、適性を無視して再配置して、結果として「辞めてくれれば御の字」と言った発想であれば、かつての「追い出し部屋」と変わらない。

社会的責任としての「雇用の維持」どころではない。
犯罪行為になりかねないので注意が必要だ。

何年かたって、配置換えされた人たちに訴訟されないか気にしておこう。