《組織能力向上に向けての投資戦略》

《組織能力向上に向けての投資戦略》

イノベーションを起こすための投資が真剣に考えられているのか、本気でオープンイノベーションに取り組む気があるのだろうか。と言うことを考えさせられる記事を見た。

ホンダ、研究所を大幅縮小 四輪の開発機能を本社に統合
https://www.asahi.com/articles/ASN2J66YQN2JULFA003.html

取り上げているのは朝日新聞だけのようだ。基の情報を確認していないので詳しいコメントは出せないが、内容としては縮小は伴うものの再編というのが色合いとしては濃いようだ。とはいえ、イノベーションの投資を縮小しているように見える。

いったい企業は儲けたお金をどこに投資をしているのだろうか。
経営がゴーイングコンサーンを使命としているなら経営資源の循環と言うことにも目を配ってほしい。

研究開発投資を考えるためにはどんな資料があるのかを探ってみた。

◇平成28年度産業技術調査事業
研究開発投資効率の指標の在り方に関する調査(フェーズⅡ)最終報告書
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H28FY/000779.pdf

この中に下記の指摘がある。

『日本企業の研究開発費は、従来から先進国の中でも最も高い水準を保っており、2020年でのGDP600兆円達成のためにも、研究開発投資の重要性が高まっている』

一方で研究開発効率は低異ことが指摘され、企業別でみると海外、例えばフォルクスワーゲンの95億ユーロに対し、トヨタがかろうじて70億ユーロとなっているが、本田技研などは50億ユーロと半分程度になっている。アマゾンなどの研究投資などは230億ドル(約250億ユーロ)と桁違いであり、おそらく、ファーウエイやFaceBookなども近い水準だろう。
研究開発投資額の大きい企業と企業価値評価にはギャップがある現状もが指摘されている。

では日本企業はどのような方向性で行くべきか。

いわゆる伊藤レポートを見てみる。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/kigyoukaikei/pdf/itoreport.pdf

「持続的に成長している企業とはどのような企業か。その競争力の源泉は何か。」という課題に対し

『長期的な研究・技術開発によって蓄積された社内のリソースを、社外の知識・技術と
戦略的に融合させ、結合させるオープンイノベーションが、持続的なイノベーション
を起こすための方策として有効である。そのためには、日本企業はこれまでの自前主
義から脱却して企業連携、産学官連携をさらに積極的に推進する企業風土を醸成すべ
きである。』

と提言されている。方法論も含めて積極的な投資が求められていると理解している。当然、規模を大きくすれば良いというものではないが、かといって再編と縮小をむやみに縮小しても意味はない。

巨大な投資が必要になるが、投資を怠れば競争力もなくなってしまう。こういったときにこそリーダーシップが必要なのだと感じた。

《楽天問題でD2Cが加速されるだろうか》

D2C(DtoC)とは?BtoBでもBtoCでもない新たな形の取引で、D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、”消費者に対して商品を直接的に販売する仕組み”のことを指すようです。
D2Cはブランドサイトの立ち上げから顧客への情報発信、広告、マーケティング、購入まで全てがデジタルで完結している点で通販とは異なると言われているので、完全なD2Cはまだ事例が少ないかもしれません。

しかし、小規模事業者は実店舗を日本中に展開できるわけでもなく、そうした意味では「楽天」は一定の役割を担っているのでしょう。

しばらく前は、通販サイトを立ち上げると云っても結構大変でそれなりの技術や決済の仕組みの導入に手間がかかったのですが、こうした技術なども一般的になったようです。

こうした技術的なハードルが下がれば、適切なマーケティングとブランド戦略ができる企業は、楽天などのプラットフォームがなくてもビジネスが進められることになります。

とはいえ、「D2C」と叫んだとしてもすぐに成功に導かれるわけではない。
地道な生産活動とブランディングをするからこその結果だろう。

チャラチャラした言葉が踊っても、やるべきことはかわらないのかもしれない。
これを機に、楽天に出店者は本来のあるべき姿を探ってはどうだろう。

と言うことを、以前講演を聴いたことのある久松さんの農園のサイトを見て感じた。

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《PMSの視点で見たテレワーク時代への課題》

新型コロナウイルスは働き方改革へも影響をしているのだろう。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200218/k10012289831000.html
テレワークや時差出勤 企業で広がる 新型ウイルス感染予防で
2020年2月18日

少し長くなるが、引用する。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、企業の間で職場に出勤せずに在宅などで働くテレワークや公共交通機関のラッシュを避ける時差出勤を呼びかける動きが広がっています。

▽NTTが、グループ各社のおよそ20万人の従業員にテレワークや時差出勤を呼びかけ、▽東芝は国内のおよそ8万人の社員に時差出勤を呼びかけるとともに、1万人以上がテレワークで働けるよう通信回線の容量を増やします。

▽携帯大手のソフトバンクは全国およそ1万7000人の全社員に、▽大手商社の双日も東京と大阪の社員およそ2000人に、時差出勤を呼びかけました。

▽武田薬品工業は18日から国内のグループの従業員およそ5500人に対し、可能なかぎりテレワークや時差出勤をするよう指示するほか、▽新生銀行も18日からグループのおよそ5400人の社員に可能なかぎりテレワークを行うよう呼びかけます。

テレワークや時差出勤は、働き方の見直しや東京オリンピック・パラリンピック期間中の交通の混雑を緩和しようと制度を導入する企業が増えていました。

新型コロナウイルスの感染が各地に広がる中、大勢の人が集まる場所を少しでも避けられるよう、社員に利用を呼びかける動きが出ています。

大手の企業の呼びかけに続いて中堅・中小企業などにも感染防止に向けた対応が広がる可能性があります。

(ここまで)

理由はともかく、働き方の選択肢が多様化することは望ましいと考えている。とはいえ「テレワーク」と叫べば、それが定着する訳ではない。
「新型コロナウイルスが怖いから会社に来るな」は無責任な発言になるので注意が必要だ。

現時点で考えられる課題を列記する。

(1)業務プロセスの見直し
一カ所に集まり業務を行うことを変えて行くことになる。当然業務プロセスが変わるだろう。対象は、企画やプログラミング、設計開発、場合によっては総務・人事なども対象となるかもしれない。
もし、業務プロセスを変えないでテレワークが可能ならば、そもそも必要のない出勤を強要していると云うことになる。企業が競争力向上に全く取り組んでいないことの証左だろう。

テレワークをすることにより、生産性向上につなげるように業務プロセスの再設計をすべきである。例えば、会議室などを予約しなくても適時にコミュニケーションを行う環境を活用することで意思決定のスピードを上げるなどは簡単に思いつくことだろう。工場や販売の現場などにカメラを設置し、コンサルティング的な管理体制の確立なども考えられる。そこでは、マネジメントプロセスも変わるだろう。

(2)インフラの整備
「出社に及ばず」で休暇ならいざ知らず、「仕事をしなさい」と云うことであれば、仕事をするための環境の構築が必要になる。最低限でも以下が必要であろう。
・必要文書へのアクセス
・関係者とのコミュニケーションツール
いずれもIT関連の技術と無縁ではない。はたして、従業員の各人の家にはその環境はそろっているのだろうか。
誰でも、ある程度の性能のパソコンを保有し、WiFi環境を持ち、業務に必要なソフトウエアを保有しているわけではない。これを会社側が用意しないのであれば、社員に負担を強いることになる。
上記の記事でも「テレワークで働けるよう通信回線の容量を増やします。」とあるように、仕事で使用する回線が安定するようにしなければならない。

リモートデスクトップといいながら、サーバーへのアクセスが遅延したり、アクセスが遅ければ「仕事にならない」事態も引き起こす。

(3)ガバナンスの整備・情報セキュリティへの対応
すべてを書き切れないのでサンプルとして記述してみよう。
・必要文書へのアクセス
実現方法は様々なレベルで考えられる。
最も原始的な方法は、社内のデータベースにアクセス可能にすることだろう。USBなどで持ち帰るのは現在は許されるモノではない。
しかし、通信回線の整備、サーバーの整備とともに、ルール作りが必要になる。
パスワードなどは、個々人に管理させるのではなく、管理者が割り当てるなどのことも必要になるかもしれない。
情報管理についての教育や労働契約の見直しなども必要かもしれない。
時間外のアクセスの禁止、コピーの禁止なども必要になる。
・関係者とのコミュニケーションツール
情報の伝達には伝統的にメールを使うことになるだろう。しかし、関係のない人への誤送信は今も昔も危険な事態を引き起こすことには違いない。メールについては、必ず本社サーバーを通すようにし、遅延発信で注意喚起を促すことが一般的になるだろう。
テレビ会議なども活用することになるが、その会議内容を記録するのであれば、個人のプライバシーについては発言しないようにさせるルール作りが必要になる。

情報セキュリティの問題は広範囲にかかわってくる。クラウドの活用が一般的になれば、情報漏洩の穴は増えるばかりだ。マネジメントの設計範囲は広がって行く。

(4)人事・労務管理の問題
テレワークが可能な職種とそうでない職種ができたときに、会社に来る時間というのはどう理解したら良いのだろう。処遇の程度に偏りが発生することになりかねない。
また、テレワークにより仕事の質が変わるかもしれない。
管理者としての部下育成や能力向上への関わり方、業務の進捗管理の仕方、などはすぐに思いつく。
こうした結果、今までの出社してから退社するまでのタイムカードによる管理とは異なる管理システムが必要になる。
職務定義の見直し、賃金制度の見直し、キャリアパスの見直しなど多岐にわたる。
人事や労務管理の見直しを戦略との整合性の中で進める必要がある。

(5)新たな可能性
さて、通勤が必要ないと云うことは、働き方について新たな可能性を持ち込む。
・交通弱者への配慮
車椅子の方や、視覚障害の方はなかなか出社することは難しい。こうした方が働ける環境を作れるかもしれない。視覚障害は難しいと云うが、音声だけでできる仕事を作り出すことは可能だろう。
・世界の専門化の力を借りる
テレワークの対象を自社の社員に限定する理由はない。プロジェクト単位で専門化を招聘し事業を進めることも可能になるはずだ。こうしたことは、社員の採用計画も左右するかもしれない。

テレワークが浸透するきっかけにはなっていってほしいが、これが当たり前の時代になるためにはまだハードルは高い。
中小企業にとっては、新たにIT投資はできない。
とはいえ、生産性向上や業務の効率化はいつも頭痛の種の身としては考えても善いテーマだろう。
何も全部をテレワークにしろと行っているのではない。既存の技術の枠内でテレワークを実現したとして、注意すべきことをまとめてみたので参考のために。

➡ テレワークとPMS

2020年2月16日 日本アイアイファンド総会

昨日、年に一度の日本アイアイファンドの総会に出席して来た。
主な事業として、保護区に植林を進めている。保護区のイチは、マダガスカルの北西部(左上)で首都、アンタナナリブからわずか600kmの所にある。
その大きさは、南北に20km、東西で狭いところでも4kmという大きさになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

島先生は、相変わらず元気で、その語り口もいつもの通りだ。
雰囲気を味わっていただきたいと云うことで、冒頭の3分間を撮影させていただいた。

声が旨く拾えていないかもしれないがご容赦を。

IMG_1366

 

日本アイアイファンドの活動はマダガスカルで行っている。植林は現地の方々(村の暇な人?、女性、学校の子供たち)の協力を仰ぎ、様々な樹木(バオバブ、パパイヤ、カシューナッツ、ラミーなど)と防護柵を植林・設置している。

相変わらずの天敵は「放火」で、いっぺんに20ヘクタールぐらいが消失する。これとの戦いは、植林により自分たちにも利益があると知らせることで、今行っているパパイヤの植林は有効かもしれない。

ビデオの報告もあり、それを観ていると、植林に参加する人が意外に多いのに驚く。給料を払うのではなく、昼食(弁当?)目当てに来るとのこと。雇用とまでは行かないが、貧困対策には役に立っているのだろうか?彼らの動機付けまでは分からない。

一見,広大な土地のように見えるが、島先生曰く「動物の保護という視点ではまだ十分な広さではない」という。
もっと監視林の地域を増やすにしても人手が必要になる。当然、現地スタッフの継続的雇用も必要になる。

現在、アイアイファンドの活動は寄付によってまかなわれている。
アイアイファンドの主旨に賛同される方は参加してもらえるとありがたい。

強制的に働き方が変わるのか「NTT、グループ各社にテレワーク呼びかけ 新型肺炎の国内拡大受け」

ロイター通信を見ていたら
『NTT、グループ各社にテレワーク呼びかけ 新型肺炎の国内拡大受け』
という記事を見た。

下記の内容だった。

[東京 17日 ロイター] – NTT(9432.T)は国内での新型肺炎の感染拡大への対策として、グループ各社に17日以降のテレワークや時差出勤の取り組み強化を呼びかけた。通勤時の人混みでの感染を防ぐ考え。

NTTが14日にグループ各社に通達した。同グループの国内従業員は約20万人。具体的な対象や人数はグループ各社が判断するが、事務所勤務の社員が中心と見られる。現時点では実施期限などは設けていない。

NTTグループでは、NTTデータ(9613.T)が14日、拠点ビルに勤務する協力会社の社員1人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しており、感染防止へのグループ内の意識が高まっている。

--ここまで

先日、不幸中の幸いで、こうした場所や時間に左右されない働き方を社員が選べるといいねという趣旨のことを書いた。
2012年に日本語版として発刊された「ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」にも、世界中にいる同僚と一緒に仕事をするシーンが描かれている。

もちろん、大規模な生産機械を使用する場合には一定人数の人間がそこにいないと困る場合もあるが、すでに機器の点検や修理の指示などをリモートでできる技術は確立されており、必ずしも管理者がそこにいる必要がない環境も構築できる。

「場所に縛られない働き方ができるとうれしい」などと考えていたら、下記の会社にたどり着いた。

https://caster.co.jp/

日経ビジネスにも取り上げられているが、リモートワークを支援する会社である。

こうしたテレワークの浸透に合わせていくつものビジネスチャンスが生み出される。
・コラボレーションツールの提供
・コラボレーション環境(プラットフォーム)の提供
・より一層の間接業務の代行(秘書的なことなどへの拡大)
・コワーキングスペースの地方への拡大
・社外の専門化との共同の促進
・専門知識の取得支援(通信教育の拡充)

有望な企業がこれから出てくるのではないか。
上記の記事を見ていると、NTTグループがこうしたテレワーク支援の中核企業になって行く可能性があると期待できる。

バリアフリーから取り残される地方駅

現在JQAA(日本経営品質アセッサーフォーラム)の手伝いをしている。
そのつてで先日永田町に行くことがあり、荷物を近くの郵便局に持って行くことがあった。
台車を使っての移動なのだが、歩道と車道の間の段差や、歩道自体のでこぼこ感があって結構大変だった。

ふと、バリアフリーはどうなっているのだろうと、「オリンピック バリアフリー」と検索してみたら以下の記述を見つけた。

『しかし、これらのルートにおいては、事業者間で管理区域が異なるために、エレベー
ター等を利用した移動円滑化ルートが途切れている、誘導用ブロックや案内サインが途
切れている、サインそのものに統一感がないために迷いやすいなど、移動の難しさが指
摘されている。また、ターミナルとなる大規模な駅においては、空間や動線が複雑で、
さらに利用者が多く混雑しているため移動しにくいこと、商業施設や広告等のサインが
あふれ、必要な情報が得にくく、目的地を特定しにくいこと等、周辺の施設を含めた一
体的・連続的なバリアフリー化という観点から多くの課題が指摘されている。』

国土交通省 オリンピック・パラリンピックを見据えたバリアフリー化の推進に関する調査研究(空港から競技会場までのシームレスな移動の実現に向けた検討 より)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_fr_000045.html

なるほど「動線の連続性」や「案内などの明確化」などが課題で、移動を妨げる要素にはあまり配慮していないかもしれない。

(1)斜めの通路、でこぼこのある通路
建築・土木を少しかじった身としては、車道は中央を少し高くし雨水を側道に流して行く構造になっていることは理解している。同じように歩道も斜めになっていることがおおい
。車椅子ではこうした歩道ではまっすぐ進むことは困難で、妙な力がかかる。町中で、車椅子の方が難儀しているときには手を貸すようにしているのだが、こうした段差のあるところやでこぼこのある道は大変なのがわかる。

(2)エレベーターが一基
パソコンや資料、その他を持って移動するときにはキャリーバッグとパソコンバッグを持って行くときがある。エスカレーターでもよいのだが落としたときのリスクからエレベーターを使うことがある。ところがこのエレベーターはあってもせいぜい一基だけだし、そこまで移動するのも結構大変だ。メンテナンス中には使えなくなる。

(3)地方は取り残されている
地方と云っても東京都の23区外のことだ。しばらく前に、多摩方面に出向いた時のこと、改札を出たら階段しかなくて難儀した。「マジか?」と愕然とした。ターミナル駅ではないがこの仕打ちはどうかと思う。

正真正銘の地方はもっと凄い。先日行った所は、昭和のママ取り残されているのではないかと愕然とした。夕焼けがきれいだったことだけが救い。

さて、ここから自社の「ビジネスモデル」には何かヒントを見つけることはできるだろうか?ノーアイデアなので情けないかな。

70歳定年延長をあざ笑う「早期退職」の拡大

70歳定年延長をあざ笑う「早期退職」の拡大

と、すこし過激なトーンで始まったのだが、本音に近い。
私自身は、自分の働き方は自分で決めるべきであり、それが自分の意思であれば同じ職業を70歳まで続けることには反対ではない。ただし、他に選択肢がなくて同じ会社にいることを余儀なくさせられているのであれば不幸だと思っている。

「40歳定年制」という書籍が発行されたのは2013年であり、すでに7年を過ぎている。内容は陳腐化しているかもしれないが、その意図自体はまだ新鮮であり、また何も実現していない世界観だ。

人生を、自分なりに納得の行くモノにするためには常に自分の武器である知識や技術、経験による知的財産を殖やして行かなくてはならない。

経験的には、15年ぐらいをサイクルとして計画的なキャリアアップをするべきであり、目標をさだめ、成果を出すための時間を創出する必要がある。企業も、それに対し投資をし、より高いパフォーマンスを出す社員で会社を固めるべきだろう。

最初のサイクルは、22歳に入社したとして、その3年後を起点とし、40歳、55歳、70歳がターニングポイントとなる。

最初の収穫期は40歳だろう。この時点で高いパフォーマンスを生み出す様にキャリアプランを作成しなければならない。定年という概念をなくすためにも必須の取り組みのはずだ。

ところが、最近のニュースを見るとこれに逆行する事例が目をひく。

【希望退職者の募集】年明け後も拡大|“渦中”の東芝機械は300人募集
https://maonline.jp/articles/voluntary_retirement202002

『2020年に入り、第1号となったのは経営再建中の曙ブレーキ工業だ(1月16日発表)。募集人数は200人で、曙ブレーキ本体の全従業員のほぼ2割にあたる。対象者は2020年1月1日時点で①勤続3年以上で40歳以上の正社員②60歳以上の再雇用契約社員③勤続3年以上の契約社員。』

サッポロで早期退職募集 45歳以上、特別金上乗せ
https://this.kiji.is/600630102162375777

佐鳥電機<7420>、60人程度の早期退職者募集を発表
https://maonline.jp/news/20200130jp2

『佐鳥電機は30日、60人程度の早期退職者募集を内容とする特別転進支援施策を発表した。対象は同社とグループ会社の満40歳以上60歳未満で勤続10年以上(管理部門は満35歳以上)。』

ファミリーマートの早期退職に応募殺到、リストラ資料が明かす大混乱の裏側
https://diamond.jp/articles/-/227920

『ここに一束の資料がある。管理職社員の間で通称、“リストラマニュアル(以下・リストラ資料)”と呼ばれている代物だ。ファミマのリストラ計画の対象となるのは、勤続年数3年以上で、現場社員は40歳以上、本部社員は45歳以上が条件だ。』

ラオックスが希望退職者募集、新型肺炎流行で中国観光客依存の事業体制見直しへ
https://www.fashionsnap.com/article/2020-02-14/laox-colonavirus/

『募集の対象者は、ラオックスが販売専門職の正社員と契約社員、販売専門職以外で在籍する40歳以上かつ勤続2年以上の正社員および契約社員、シャディでは在籍する50歳以上かつ勤続10年以上の正社員および契約社員。』

上記以外にも、金融系や情報系の有名な会社でも行われている。
多くは業績を理由にしているが、その背景には事業構造の再構築もある。

従来型のビジネスモデルでは立ちゆかなくなるので、新しいビジネスモデルに合った人材を再配置したいという企業側の思いもあるのだろう。

40歳以上をターゲットにするのは「人件費が高くて切りやすいのが管理職。事業規模が小さくなるとマネージする人はそれほどいらなくなるります。その次は中高年のスタッフ職。年功制が残っているため彼らの人件費は相対的に高いからです」と言うのが本音にあるという。

しかし、40歳になるまで何も手を打たない状態で突然の切り捨ては組織力の低下を招きかねない。また40歳以上の社員のパフォーマンスの向上を放棄して切り捨てているという印象を持たれることは企業にとってブランドを傷つけかねない。

社員からも反乱を引き起こしかねない。「泥船から逃げ出す」様に優秀な社員から辞めて行くこともある。経営者は一考した方が良い。

社会保障を維持するためには、70歳まで働いてもらわないとという政治的な要請もあるのだろうが、それをあざ笑うように、40歳過ぎたら切り捨てるという「荒技」が横行しないことを願う。

《記事探訪:経営者のとっては赤字は悪夢だろう》

あまり新聞記事などには取り上げられないが、ネットのニュースなどを見ていると今年に入ってからあまり振るわない企業業績の記事を見かける。

主立ったものに以下がある。(順不同)

●業績が振るわない

業績(売上げ)が振るわないための赤字の記事が目立つ。

DeNA「400億円赤字」の先に見えぬ反転戦略
https://toyokeizai.net/articles/-/329063

第3Q売上高1562億円(7.2%減)で営業赤字20億円に転落
https://news.shoninsha.co.jp/financial/146501

『青山商事の中核部門であるビジネスウェア事業は、オフィスウェアのさらなるカジュアル化などによる市場環境の変化から、客数の減少が続き、既存店売上高は前年同期比88.8%となった。』

等のように、昨日今日いきなり事業環境が悪化したわけではなく、トレンドなのだと思う。それでも事業モデルの再構築は難しいことがうかがえる。

事業モデルの再構築がうまく行かなくて赤字になるケースもある。

クックパッド上場後初の最終赤字、営業利益8割減。レシピ検索大手から脱皮なるか
https://www.businessinsider.jp/post-207323

『クックパッドのビジネスモデルは、レシピ事業を中核に個人課金と広告モデルのハイブリッド型。1カ月あたり、国内で5251万人が利用する、巨大なユーザー基盤を持っている。しかし、その数は2017年時点の6134万人からは1000万人近く減少してきた。』

とある様に、従来型のビジネスモデルの方向転換が必要なことはうかがえるが、しかしそれは企業の存在意義を問い直すことでもあり、難しい。

それでも、軸足を変えられる企業は良いが、そうではない企業はその存続が危ぶまれる。

日本製鉄:今期4400億円の赤字に、粗鋼生産能力を1割超削減へ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-07/-4400

こうした重厚長大の産業は、景気の波に大きく左右されるし、競合他社の戦略にも左右される。余程革新的な製造技術を確立し、自社の存在意義を高めない限り、未来への展望は描きづらい。

同じように苦しんでいる業界としては「百貨店」があるのだろう。
あまり大々的には取り上げられていないが、地方での苦境を観ることができる。

山形に続き、徳島からも店舗がなくなる! 破たんや閉店が続く「百貨店はどう生き残る?」
http://shogyokai.jp/articles/-/2453

こうした大型店舗の撤退は百貨店だけでなく大型ショッピングモールでも同様かもしれない。

ビジネスモデルとしての「百貨店」の限界は、すでに何年も前から言われている。「ものを売る」から「体験する」にシフトして生き残るすべを模索している例も観るが主流にはなっていない。そうした古い価値観での運営に限界があることは実際に百貨店に行き、人の多い少ないの差を観ると分かる。

旧来型のビジネスモデルに警鐘を鳴らしている記事として以下を読むことができる。

衰退する百貨店業界のビジネスモデル分析 百貨店の定義とは?
https://piles-garage.com/article/5033

● 企業への費用負担が求められていること

もう一つ、企業にとって見逃せないことに、いままで負担しなくても善いと思っていたコストがのしかかることだろう。

ウーバーの赤字、7四半期連続 10~12月期は1200億円
https://this.kiji.is/598287402050880609

海外の注目される新サービスの会社も安穏とできているわけではない。
「サービスを担う運転手への報酬支払いや宣伝費用がかさんだ。」
とあり、売上高がアップしても費用がかさみ競争力を失う可能性もある。

それは法律面でも障害が出るかもしれない。

「ギグワーカーは労働者」とする法案にカリフォルニア州知事が署名
https://jp.techcrunch.com/2019/09/19/2019-09-18-california-governor-gavin-newsom-signs-gig-worker-bill-ab5-into-law/

2019年9月19日の記事だが、簡単に言えば、仮に隙間で働くヒトであっても都合のいいように個人事業主として扱い、費用を払わないことは認めないと言うことだろう。

これの影響は日本でも出ており、下記の記事などが参考になるだろうか。

ウーバーイーツ配達員が労組、補償求める声強く
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50560860T01C19A0TJ1000/

セブンイレブンなどは、オーナーを個人事業主として扱い、団体交渉などは拒否しているようだが、個人事業主だと云うことで企業が支払うべきコストを無視したり、自社のために働いている人々を保護することをおろそかにできなくなるかもしれない。

企業業績を左右する事柄が増えている。

●戦略的な投資

したがって、企業としてはビジネスモデルや戦略の明確により、目先の赤字を覚悟で打って出ることも求められる。

メルカリの19年度上半期、最終赤字141億円 メルペイと米国事業への投資続く
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2002/06/news136.html

この記事では以下のように説明している。

『フリマアプリ「メルカリ」の国内事業は好調で、単体での売上高は前年同期比20.0%増の265億円、営業利益は51.0%増の67億円に伸長した。だが従来と同様、メルカリの米国事業と、スマートフォン決済サービス「メルペイ」に積極投資した影響で最終赤字となった。』

ビジネスモデルは、とにかく利用者を増やして行くという戦略で、売上げ(もしくは取引総額)の拡大が至上命題になる。従って、勝ち組で生き残ることが必須であり、そのための投資が求められる。
これができない企業は退場となる。

(参考)
メルカリへのオリガミ売却価格は1株1円、事実上の経営破綻で社員9割リストラ
https://diamond.jp/articles/-/228034

とはいえリスクもある。

電通が初の営業赤字に-豪州、中国事業が不調でのれん減損を計上
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-12/Q5KYNDT1UM1101

NHKで少し取り上げたようだが、やはり巨人の電通が赤字というのは少し驚く。
早めに不振の事業を再編することは必須だろう。今期だけでは判断できないモノの今後の不透明感は拭えない。盤石の経営というのは存在しないのだろう。

● どうする?

「新しいサービスを創造して行く」ということしか言い様がない。

「社員に儲けてこいと言って儲けてくるなら上司は不要だ」というように、売上げノルマを課した「チャレンジ」では何も解決しない。

経営者はひたすら最適な経営資源の整備しかできない。
戦略はダイナミックに移すのであれば組織能力もダイナミックに変えざるを得ない。その中には、人やモノへの投資も含まれるが、その果実が実る保証などない

結果としての業績は運に左右されることもある。しかし、これを突破するのに魔法の杖などはない、
教科書としては、ISO9001や日本経営品質賞のフレームワークなどがあるし、素直に「ドラッガー」を読んでみてはと思う。

2020/02/13

《記事探訪 1円買収はメリットがあるのか》

https://diamond.jp/articles/-/228034?page=2
メルカリへのオリガミ売却価格は1株1円、事実上の経営破綻で社員9割リストラ

という記事が目についた。
結局の所、オリガミは事業を継続するための資金の調達ができないために経営破綻したと云うことなのだと思う。

キャッシュレス決済のビジネスモデルは決済手数料を加盟店からもらうことなので、如何にして取り扱ってくれる店舗が増えるかによる。

2020年6月まではポイント還元が続くために、中小の店舗でもその後も積極的に取り扱うは不透明と聞く。手数料を支払うのは店舗側ないので、ポイント還元終了に伴い、手数料の変更や顧客の減少による売上げが減ずればメリットもなく辞める店舗が出てくるかもしれない。

一方、キャッシュレス決済を行う企業はセキュリティ対策やサービスの開発などで継続的にコストは発生する。これを維持できなければ破綻せざるを得ない。

上記の記事で、メリカリの名前が出てくるが、そのメルカリでさえ、投資費用による減損が発生している。

https://mainichi.jp/articles/20200206/k00/00m/020/232000c
メルカリが赤字拡大、141億円に スマホ決済投資が響く 19年12月中間連結決算

ある程度、投資による減損は織り込み済みとは言え、オリガミの経営資源を取り込んだからと言って旨く行くとはかぎらない。

オリガミの社員の大部分をリストラすると云うことは、事業そのものは魅力がないといっているようなものだ。

経営資源としての社員を切り捨てると云うことは、オリガミの知的資産は必要ないと云うことだろう。一体、どんな未来を描いた戦略を持っているのだろう。

加盟店を増やせばOKというビジネスモデルがこのまま行くとは思えない。