百貨店の戦略の曲がり角:丸井、イケア》 ちょっと長いよ・・・

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■認識していても行動できなければ一緒なのかもしれない

2020年3月。新型コロナウイルスの影響として以下の記事がある。

○ 百貨店4社の売上高2ケタ減 2月、新型コロナで
日本経済新聞 2020/3/2
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56269330S0A300C2MM8000/

大手百貨店5社が2日発表した2月の売上高(既存店ベース、速報値)は全社が前年同月を下回り、4社で2桁のマイナスとなった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、訪日外国人(インバウンド)向けの売上高が減少。2月後半には感染予防意識が高まり、日本人も外出を控え始めた。3月には大手各社が臨時休業や時短営業を実施する方針で、売上高はいっそう落ち込みそうだ。

冒頭には百貨店の置かれている危機的状況が記載されている。

しかし、百貨店の苦境は今に始まったわけではなく、すでに数年前から振り上げ高の減少に苦しんでいたことは様々なニュースソースで見聞きしていた。

参考:百貨店業界の売上2~4割減、新型コロナだけじゃない「三重苦」の難局
https://diamond.jp/articles/-/230579

参考:リーマン再来、百貨店売り上げ「2ケタ減」の衝撃
https://toyokeizai.net/articles/-/334028

三重苦として、インバウンド(外国人客)への依存、消費税増税に伴う消費意欲の減少、新型コロナに伴う来店者数の減少をあげている。これに加え、店員の確保が難しくなり営業自体が縮小せざるを得なくなる。

しかしこうした自体はのうちいくつかは予見されていたことである。例えば、2018年1月31日(水)の日経ビジネスでは「百貨店、3年ぶりプラスの内憂」として以下のように述べている。

『全国の百貨店の売上高が、3年ぶりに前年比でプラスに転じた。しかし、店舗閉鎖分を数値に反映した「全店ベース」では4年連続で減少が続く。婦人服不振など百貨店の構造問題は解決しておらず、再生には抜本的な改革が必要だ。』

構造的な変革が必要と訴えている、「売り場に来てもらい、商品を手に取ってもらいながら選んでもらう」というビジネスモデル自体が曲がり角に来ていると考えると、新しい百貨店の形を考えるべきである。

例えば、これらの記事にない百貨店として丸井があげられる。
丸井の業績はどうなのであろうか。

2019年11月7日の流通ニュースでは 「丸井グループ/4~9月、エポスカード好調で営業利益14.1%増」(https://www.ryutsuu.biz/accounts/l110743.html)として以下のように報じられている。

丸井グループが11月7日に発表した2020年3月期第2四半期決算によると、売上高1254億8900万円(前年同期比1.8%増)、営業利益225億7000万円(14.1%増)、経常利益219億3000万円(14.1%増)、親会社に帰属する当期利益139億8100万円(12.1%増)となった。

この記事の中に「当期から、店舗戦略「デジタル・ネイティブ・ストア」、D2C(ダイレクトトゥーコンシューマー)やシェアリングサービスなどのブランドの導入、ネットでは提供できない体験やコミュニケーションの場を提供する店舗。」という記載がある。

これに関しては日経XTRENDが若干の解説記事を載せている。

○丸井が「モノを売らない店」に大転換 急成長D2C取り込む大胆戦略
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00184/00001/
2019年07月29日 日経XTREND

ものを売らない店への転換と云うことで注目したのは、記憶では何年か前の「体験型への転換」と云うことで特集記事我を見た気がする。残念ながらニュースソースがはっきりしないが、以下のようなインタビュー記事が、その真意を伝えているだろう。

『この5年間で、マルイでは店舗のスタイルを大きく変えていますよね。

はい。丸井グループは2015年3月期より、商品を仕入れて販売する「百貨店モデル」から、定期借家契約により家賃を得る「ショッピングセンターモデル」へと舵を切っています。

この変化の背景は、これまで売り上げの中心を占めていた衣料品、雑貨などの消費支出が年々、減少傾向にあったことです。一方で、店舗数は増え続け、さらに消費者のニーズは「モノからコト」へと変わっていきました。商品の購入よりもサービスにフォーカスした店舗づくりが求められるようになっていったんです。』
https://exp-d.com/interview/5610/)より

参考記事:NORDSTROM(ノードストローム)はどうCX(顧客体験)を高めているか?
https://www.total-engagement.jp/3411/

■進化のためにとるべき戦略(テクノロジーの取り込み)

進化を続けられない企業が生き残れないのは、「その場にとどまるためには全力で走り続けなければならない」という赤の女王仮設を持ち出すまでもなく自明なことだろう。進化の中に、テクノロジーの活用によるビジネスプロセスの変化も含まれる。

少し前の記事だが、テクノロジーを使うことで「売る」という活動の幅をお広げた事例としてイケアの取り組みが参考になるだろう。

○イケアはスマホアプリにARを導入し、「家具の買い方」を根本から変える
https://wired.jp/2017/10/06/ikea-place-augmented-reality/ 2017.10.06

この中で以下のように述べている。

デジタルソファベッドを設置すること自体は、ARの面白い使い方ではない。しかし、ほかの格好いいARアプリとは異なり、IKEA Placeは実際の問題を解決するためのものだ。大きさを測ったり、布地の見本を見比べたり、部屋に合うかどうか確認したりするために、店から家具をもって帰るという苦難──。それをARがなくし、家具を買う確実な方法になることは簡単に想像できる。

購買行動に、認知、興味、欲求などでプロセスを示すが、それは単なる要素であり、それを促す触媒については示されていない、ARの活用により、個々の購買行動を体験型にして行く取り組みが有効であることを示している。

■業態の変更は今後とるべき戦略になるのか?

現時点(2020年3月4日)ではその善し悪しは評価できないが業態を変えようとしている百貨店もある。

「冬の時代」総合スーパー生き残りへ大胆変身 「イズミヤ」売り場改革でショッピングセンター型へ
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/170200
京都新聞 2020年2月25日

エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは今春から、傘下の総合スーパー「イズミヤ」の事業モデル改革に着手する。直営売り場を減らし、アパレルや家具、家電といった小売専門店のテナント誘致によって収益力の改善を図る。・・・小売専門店に出店営業してもらい、賃料収入を得る「ショッピングセンター型」への業態転換を目指す。

とある。

そもそも、人が訪れることにこだわれば、商圏が限定され人口の減少の影響をもろに浴びることになる。その店でしか手に入らないものである必要があると同時に、そこに行く必要性を見つけてあげなければならない。その答えが、「体験型」というが、それすらもデジタルではいけない理由はない。

いつか検証する必要がある。

2020/3/4 記載

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