循環する思いが緩やかな死を招くか

循環する思い

大手企業では中期経営計画、IR情報などが公開される。
それ以外にも、いろいろなことで事業計画などを目にすることが多い。
その多くは、最初に業績の記述があり、対前年度比などで示されている。
しかし、その中身を見ると、不確定要素を配慮しながらも成長を続けられることが前提となっている。

企業が利益を出すことを義務づけられている以上、業績目標を立てていることを否定することはできない。

しかし、未来に向けての行動が過去に縛られてしまっている恐れもある。

会社の未来を形作るのは、社員一人ひとりの行動による。
その社員一人ひとりが、あらかじめ決められた業績目標のために動くと言うことは、未来が現在の社員の行動を規定することになり、ある種の循環が発生する。

未来が、あらかじめ決められた枠を超えることが難しい状況に陥りかねない。
事業計画を立てること自体は間違っていないが、昨年度の業績の延長線上で計画を立ててしまうことは危険だ。なぜなら、こうした文脈で作成された事業計画は、その多くは実際に達成されるだろう。そうした時、いつまでもイノベーションを起こすことはできなくなる。

緩やかな死が待ち構えているかもしれない。

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