少し前の話なのだが、マシニングセンター内に温度センサーを取り付け異常値を示したら警告を出すための簡易的なAIシステムを作成した。
機構は単純で、温度変化の微分値を観察して、許容以上であれば警告を出すというものだ。
許容範囲は、最初は適当に入れておいてパターン化は後でやろうという計画だった。
前提としては、温度の計測データを評価するところなのだが、これはお客さんにしかできない。何が異常なのかは私にはわかりようがないのだから。
ところが、観測データの評価をお客さんはできないという。「温度データは今まで観たことがない」というのがその理由だった。
「AIは自動的にやってくれないのか?」
と衝撃的な言葉だった。
「いやいやAIは様々な技術の総称であって、万能の特定のツールを指す言葉ではないですよ」
と話をしている内に、AIと言う言葉だけが先行していることに気がついた。
実装レベルの話をするとAIという言葉は正しくはなく、「機械学習」という言葉が一番しくり来る。
機械学習も、「正しい答えを求める教師有り学習」と「事象のパターンを探す教師なし学習」に分けられる。
実務的に活用されているのは「教師有り学習」なのだが、こうしたシステムは、「膨大な善い悪いを判定したラベル付きのデータ」と「それを解釈する学習エンジン」が必要になる。
この「ラベル付きデータ」を作成するのはとても大変で、そのあたりを誤解すると「AI万能論」が出てくる。
現在、AIをHRMは個人ごとにどう活用するかを考えているのだが、いろいろ記事を見ていると誤解を招きやすい記事があるので。
さて、参考のために
【教師なし学習】
教師なし学習とは、機械学習の手法の一つである。「出力すべきもの」があらかじめ決まっていないという点で教師あり学習とは大きく異なる。データの背後に存在する本質的な構造を抽出するために用いられる。
教師あり学習は、その「出力すべきもの」も入力として与える手法であり、データの背後に存在する本質的な構造を抽出するよりむしろ、思い通りの出力を再現する機械の構成に用いられる。
具体的な例として以下のようなものがある。
クラスター分析
主成分分析
ベクトル量子化
自己組織化マップ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AA%E3%81%97%E5%AD%A6%E7%BF%92
【教師あり学習】
教師あり学習とは、機械学習の手法の一つである。事前に与えられたデータをいわば「例題(=先生からの助言)」とみなして、それをガイドに学習(=データへの何らかのフィッティング)を行うところからこの名がある。
典型的なものとして分類問題と回帰問題がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%82%E3%82%8A%E5%AD%A6%E7%BF%92
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