RPAの威力(はじめにめにから第2章まで)
■ハードウエアではなくソフトウエア
先日、聞きなれない言葉を見た。
Robotic Process Automation
RPAである。
どんな事例があるのかは、ネットの情報ではよくわからないので、最も新しい書籍を購入した。
言葉の印象から、ファクトリーオートメーションの一種かと思っていたら違っていた。
「PRAは、人間がパソコンで行っていた手作業を自動で実行するソフトウエアロボット」
という記載で始まるこの本は、最初から驚かされる。
ハードウエアのことではなくソフトウエアのことのようである。
また、その対象はというと想像していたものと違う。
下記の文章がそれを表している。
「RPAは、ホワイトカラーの仕事の生産性を革新的に高める技術であり、かつ、それらの技術を利用した業務改革手法である」
したがって、対象はブルーカラーではなくホワイトカラーである。
ホワイトカラーの仕事である知的作業に集中できるようにサポートするのがRPAになる。
■単なるオペレーションを自動化する
RPAの適用例として以下が挙げられている。
- 販売処理、経理処理などの事務処理作業
- 商品登録、在庫連携などのバック処理
- 競合他社の動向、商品などのWeb調査
- 社内複数システムにまたがる情報の収集・分析資料作成
さて、これはだれがやっているのだろう。
もし、本来は創造性の高い仕事をすべき人がやっているとしたら、組織全体の生産性が上がるはずはない。
実際、企業が人を減らし残業時間も減らしているとしたら、本来はこうしたオペレーショナルな部分は自動化しないといけない。
これを、ホワイトカラーにやらせていたら生産性が下がるだけではない。現場も疲弊する。
昨今の働き方改革で議論の抜け落ちている部分ではないだろうか。
一方で、これは働く人により「創造性」を求めるものであり、考えることが苦手な人たちにとっては脅威となる。
どんなデータを収集すべきかの判断、収集したデータを読み解く技術が必要になる。
漫然とした仕事人間のいる場所がなくなるという恐怖がある。
■実装は難しくない
具体的なツールはまだ調べていないが、こうしたオペレーションの自動化は昔からやっている。
考えてみたら、マクロでいろいろな自動化をする個別のパーツはそろっている。
後はそれを場に応じて組み合わせるかなのだと思う。
ロボットの世界でも、産業用ロボットに対して協働ロボットというカテゴリーがあり、そこではティーチングにより反復作業を学習させるというアプローチがある。
ソフトウエアでも、
・個別ツールへのログイン/ログアウトを自動化させる
・ファイル操作、編集、定型作業や集計を行う
・おわったらマネージャーに報告する
という、人間と同じ作業をさせることは可能であろう。
基幹システムをこれで行おうとすると大変だが、個別業務に適用させることはできそうな気がする。
意外と浸透は早いかもしれない。
■格差はもっと広がるかもしれない
創造的な業務に使う時間が一番大切だというのに、「残業を減らせ」という大号令のもと、手っ取り早く「創造的な時間を減らして日常業務の作業時間を確保している実態」は間違っている
と著書の中で述べられているように、至極全うだろう。
正論ではあるものの、誰もが「創造的な仕事」をできるわけではない。
創造的な仕事を求めるのであれば、それに対する動機付け、仕事をするための能力開発と環境、それにふさわしい報酬体系を整備しなければならない。
そうしないと、結局はできる人とできない人の格差が広がるだけになる。
優秀でなければ仕事を任せられないということであれば、そうしたリスクに対してどうするのかを考えておく必要がある。
■知りたい事
さて、まずは第2章まで読んでみた。
実際の事例を見てゆくとともに、実装のための情報も整理してゆきたい
2018年5月17日
できない理由はない
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